
小さく始めることが、大きなきっかけを作る
以前、少しだけブームになった「Macbookおじさん」というムーブメントがある。がんばる若者を応援したいおじさん(実際には若い人ばかり)達が、応募してきた若者にMacbookを無料で支給する、というもの。
もちろん全員にあげてたら破産してしまうし、面白くないので、おじさん側としてはやっぱり「何かやらかしてくれそう」な若者に支給することになる。
対して若者は、「○○についてのテーマをブログで発信したいです!Macbookください!」「地域プロモーションのかっこいい動画を作りたいです!Macbookください!」と、自分がいかに「何かやらかせるか」をアピールすることになる。
自分はこのムーブメントに参加していないので、なんとも説得力のない文章になってしまうが、おじさん達はおそらく選考基準として「これから何か始めようと意気込んでいる若者」よりも、「すでに何か始めている若者」に対して支援をしていたのではないかと思う。
やりたいことがある人は、道具が無くても勝手に小さく始めている。パソコンがなくてもスマートフォンで簡単な動画編集はできるし、ブログなんて家に眠ってる古いパソコンでも書ける。自分で設備が用意できなければ友人の家に押しかけるなり、コワーキングスペースの共用PCを使うなり、色々な方法がある。そうやって「自分で小さく始めていること」がすでに大きな情熱のパワーをもっている。支援は、こういうところに集まるのだろうと思う。
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ここからは自分の話なのだけど、近いうちの大きな目標として、「気軽な感じのライブハウス」をつくる、というものがある。イメージ的には、フェスをそのままライブハウスに突っ込んだ感じ。
これはなんという名称になるのか、まだわからない。まだこの形態のライブハウスが世の中に存在しないからだ。あったら遊びに行きたいので教えてください。「名称がつく」というのは、「文化が定着する」ということである。文化の先駆けになりたい。先駆けじゃなくてもいいけど、とにかくこういう場を作りたい。
そのためには大きめの物件を探して、音もある程度の音量を出せて、仲間も資金も機材もたくさん集めて、ということになるのだけど、やっぱりこれは難しかった。
だけれど、いずれ自分でお店をやりたい、ということに変わりはない。そこで、「小さく始める」ことが重要になる。
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これはもうほぼほぼ決定事項なのだけど、3月から長岡に小さな店舗物件を借りることにした。ただし、ここがライブハウスになることはない。では何をするのか?
長岡に音楽図書室を作ります
音楽図書室を作ります。僕は岡山が好きでよく旅行にいくのですが、倉敷に「音楽図書室」というのがあって。壁一面に並んだレコード、古い音楽書籍、音楽好きの心をくすぐる電気蓄音機。これを見たときに、「あ!やりたい!」と思ったんですよね。
ただし、これをそのまま真似するわけじゃありません。蓄音機もなければ、レコードも書籍も到底敵わない。
ここに出張カフェの機能や、音楽学校の機能を、小さく、少しずつ、くっつけていきます。「あそこは何屋なの?」と言われるようになれば本望。「図書室」というのは、パブリックで誰でも気軽に入れる空間。足かせを取り払う役割として、入り口を図書室にしたいな、と思っています。
そうして、このお店に長岡の、いや、全国の音楽好きを集める。そして、ライブハウスをやりたいんですよ、と雑談をする。そうした中で、「あ!あの人ならいい物件知ってるかも!」「そういうことなら、余ってる機材協力するよ!」みたいな出会いが、きっといくつか生まれるんじゃないか、ということで、先行投資として店舗物件を賃貸で借ります。
音楽図書室を始めて小さな話題を作り、ライブハウスという大きな野望に向かっていく。2018年は、できることから少しずつ。
「小さく始めることが、大きなきっかけを作る」
ということを意識して、マイペースで楽しんでいこうと思います。