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エフアンドエムとSmartHR

オリンピックが終わってコロナも最近は感染者数が落ち着いてきたかと思ったら、岸田内閣が誕生&首都圏で震災以来のM5超の地震が発生と、バタバタ感は続きますね。
さて、今回は国内の未上場メガベンチャーと競合である上場会社を比較する切り口で記事を書いてみました。

SaaS型のバックオフィス系ソフトウェアを提供している有名ベンチャーのfreeeマネーフォワードはここ数年で上場を果たし、両社は時価総額4,000億を超えるメガベンチャーになりました。
この分野は、世界ではSAP SE(SAP)か、Intuit Inc.(INTU)、国内ではオービック(4684)OBC(4733)連合がトップのような感じでしょうか。Intuit Inc.(INTU)が気になる方は過去記事をどうぞ。

https://note.com/884summer/n/n24d82d1a1a37

そして、freeeやマネーフォワードのようにバックオフィス系で同じように注目されてきた有名ベンチャーとして、人事労務管理ソフトウェアのSmartHR社があります。同社は今年6月に、シリコンバレーの投資ファンド含む投資家から、合計約156億円(累計調達額が約238億円に到達)の資金を調達し、直近の年間経常収益(ARR)が45億円&年率100%増加成長であると公表するなど、その勢いは日本ベンチャー業界で類を見ない印象です。(以下、同社公表資料の抜粋)

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一方で、同社プロダクトの競合他社として真っ先に思い浮かぶのが、エフアンドエム(4771)社。1990年に大阪に設立され、生命保険会社営業職員向けの経理代行業を起点に成長して、中小企業向けコンサル(ISO取得や補助金申請)、士業向けコンサルに進出して、2016年9月より人事労務管理ソフト「オフィスステーション」シリーズを販売します。ちなみに、SmartHRが2015年11月に公開されてますね。VC等から調達した大量の札束を営業・開発・マーケティングに一点集中で投下し続けるSmartHRと、オーナー企業かつ成熟した組織体制がありつつも、株価動向や既存事業への資源配分という足かせがあるエフアンドエム社の対比は面白いものです。色々とみていきたいのですが、今回はユーザー数と売上だけ着目して終わりにしましょう。

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オフィスステーションは、2021年4月に利用企業数が15,000社を突破。

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SmartHRは、2020年11月に登録企業数が30,000社を突破。少し気になるのが「登録企業数」という表現。登録してるけど利用されていない数も含まれてる?(ベンチャーは実績を見せるときに少し湾曲した表現を利用することがあるので、少しうがった見方をしちゃいます。)とはいえ、ARRが45億なので急成長しているのは間違いありません。
一方のオフィスステーションは、エフアンドエム社の直近1Q報告書の該当するセグメントの記述を読むと、、、

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1Qで売上2.8億円?
単純に4倍すると、年間で売上11億円...

両社の価格設定など見てないですが、「オフィスステーション労務ライト」を無料で提供してる旨の記載があるので、ユーザー数獲得のためにフリーミアムモデルに傾斜してるのでしょうか。ただ、SmartHRも無料プランはあるようなので、ユーザー数が2倍ぐらいの違いで、売上に結構な差があるのが不思議ですね。もう少し掘り下げて調べて、今後のウォッチが必要ですね。
今回はここまでで。

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