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雪の鹿児島出張

鹿児島は10年ぶりの積雪らしい…
どうも羽田からのフライトが怪しい…
引き返すのか長崎空港に変更となるのか…
不要不急では無い出張である。
ダメ元で取り敢えず行ってみよう!

と、言うことで何とか鹿児島空港に着陸できるとのことである。
空港は吹雪いている…
鹿児島でもこういうことが有るのかと逆に楽しんでいる。

雪の鹿児島空港

福井出身の自分にとっては、これは大雪のレベルとは言えない。雪の心配などしていない。
一番の心配ごとは、夜の街を放浪できるかどうかである…
飲み屋が早仕舞いするのではないと…

夕方には無事にホテルに到着して、近くの繁華街を散策する。
雪はしんしんと降り積もる…
革靴を滑らせながらお目当ての居酒屋へ…
あれっ? 通りすぎたか?
通りを引き返す…
いや、違う! 間違っていないぞ!
また引き返す。
あっ、看板の電気が付いていない…
雪で休業?
おいおいマジか!休みかよ!

しかし、想定済みである。
雪で早仕舞いするのはよくあることである。
第二、第三、第四の手は打ってある。
第二の店に向かうと…
「休みかよ!」
思わず声に出す。

さらに雪はしんしんと降り続く。
帽子と肩には白く薄化粧にされていく。
人通りも少ない。
「そりゃそやろ!大雪の日に飲みに行くアホはおらんやろ!」
(ここにおるがな!)
と自分で突っ込みながら、第三の店に向かう。

その途中、雰囲気が良さげな居酒屋を発見。
店には客はいないようである。

「座.寿鈴」なんと呼ぶ?

急遽変更し、店に入る。
奥から女将さんらしき人が駆け足で向かってくる。
「いらっしゃいませ~、お一人様?、どうぞ~!」
「あら~、真っ白!寒かっでしょう!」
鹿児島なまりの声に一気に心が温まる感じである。

奥のカウンター席に通される。
寒くともまずはビールである。
雪の中を歩いた分だけビールが旨い。

「こんな雪の日に飲みに来るなんてこの人バカなんじゃないの?」
とお店の人に思われていないだろうかと、少し不安になりながらグラスを傾ける。

まあ、どう思われようが飲んだ者勝ちである。

女将さんの話によると、雪の影響で団体客の予約がキャンセルになったとか…
なので今夜の客は自分一人の可能性大!
よし、静かに飲めるぞ!

ビールは一口でかたづけ、メニーを広げる。
さすが鹿児島である。焼酎の品揃えが多い。
前回の出張では食べることができなかったキビナゴの刺身を注文する。
焼酎は、黒霧島の原酒を注文する。
度数が高いらしく、女将さんのアドバイスで、お湯割りで飲むことにした。

キビナゴの刺身

丁寧な仕事が伝わってくる。
2、3枚箸ですくって口に運ぶ。
柔らかい食感ととあっさりとした甘味を感じる。
(うーん、旨い!)
そして黒霧島の原酒のお湯割りをスルリと口に流す…
鹿児島に来た甲斐があった。
幸せな瞬間である。

水槽で泳ぐカワハギ

目の前の水槽にはカワハギが泳いでいる。
この時期のカワハギは、脂がのった肝が旨い。
想像するだけて酒が進む。
可哀想だが、お命を頂くことにした。

カワハギの刺身と濃厚な肝

もう、言葉はいらない…
ポン酢醤油にシコシコした刺身を潜らせる。
酸味とまろやな甘味が口全体に広がる。
また、焼酎が進む。
あわせて、氷上の刺身が冷たく、歯がキーンとうずくのである。
そして、お湯割りを口に運ぶ。
ジジー化も進んでいる…

ほど酔い気分になったところで、今日はお開きにしよう。

ホテルに戻り、第四の手段を決行する。
万が一に備えて、空港と近所のスーパー山形屋で買った焼酎とつまみで一人宴会を始めるのだ。
だらしない格好で部屋で飲むのもまた楽しいのだ!

鹿児島産づくしを食らう

明日は、大事な交渉ごとである。
準備は整っているが、飲みすぎには気を付けなければ…


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