若い世代に届く文芸流通

 若い世代に届く文芸とは何だろう?
 そう考えてみた時、今の文芸流通のシステムがいかに若者に適していないかを実感できる。

 文芸は書店を中心とした販促行動を取るが、若者が書店に行かない。だからと言って、電子書籍で若者が本を読むかというとそうでもなく、人々はショートコンテンツやリッチコンテンツへ走る。では、若者に届く文芸の流通システムとはどうなし得るか。

 まず、若者は本を読まなくなっているだけで活字離れになっているわけではない。Xに、LINEに、note。人々は日常的に活字メディアを併用している。では、そこから誘導して、どのように文芸コンテンツを提供するのか。ここで紙の本となると、本屋に行くか、Amazonで注文して届くまで待つという過程が生まれる。そのハードルやタイムラグを考慮すると紙よりも電子の方が利便性が良い。素早くコンテンツを得ることができるし、ユーザーがコンテンツを手に入れる労力もかからない。
 では、電子コンテンツをどこで購入するのか。電子書籍やオーディオブックなどが今の定番だろう。そして、それらは巨大プラットフォームであればあるほどユーザーの利便性につながる。その場合、文芸コンテンツに出会う場所と購入する場所が別にあるということになる。しかし、それら二つの場所を一体化できたらどうであろうか。そして、二つが合体した場所がコミュニティとして機能する。その場所独自のトークンや情報が流通する。
 少し早すぎるのだろうか。

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