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松本山雅と創る文化

お久しぶりです。

浅川隼人です。

先日信州大学医学部附属病院の方からリリースがありました「小児入院患者に付き添いされる保護者の方々へのサポートプロジェクト」ついて僕の考えと想いも含め、改めてここで綴らせていただきます。

まず初めにこのプロジェクトを始めるにあたりご尽力いただいた皆さん、そして今後関わらせていただく皆さんに改めてお礼をお伝えします。

決して一人一人の力では進まなかったことも皆さんと力を合わせて進められたことで、第一回目の開催をすることができるところまで来ました。

本当にありがとうございます。
そしてこれから関わるみなさんもこの活動を少しでも多く、広く、拡げていけるとようにぜひご協力よろしくお願いいたします。

小児入院患者に付き添いされる保護者の方々へのサポートプロジェクトとは

松本山雅がより地域に必要な存在になっていくべく、クラブ、選手が地域の方々を巻き込み、地域の課題解決を行っていく取り組み。

松本山雅が掲げるドリームビジョンの一つである〝まちづくり〟に貢献するために、地域に眠っている課題に対して選手も自ら率先して関わっていき、必要なことを必要な方々に届けていくプロジェクト。

第一回目となる活動は以下の通りです。

以前から信州大学と松本山雅FCは2020年に締結した包括的連携協定に基づき、「ママサポ企画」と称して、妊産婦がサッカー観戦できるようにする企画やメンタルヘルス不調を抱える妊産婦や父親母親の無料相談ブースの設置などを行なって参りました。
本課題に対しても2023年から議論・調整を続け、松本山雅FCの選手達に食事を提供する「喫茶山雅」が定期的に小児患者に付き添う保護者に対して弁当を届けるプロジェクトを協働することと致しました。
弁当は松本山雅FCの選手達に提供する栄養面を考慮した食材を使用して作っております。
また弁当を届ける際は松本山雅FCの選手も同席し、写真撮影やサインなどを通じて小児患者に付き添う保護者を応援する仕組みとなっております。

(信州大学医学部附属病院 お知らせより)

第一回目の前の試食会では、実際に入院付き添いの経験のある保護者の方にお弁当を食べていただき、感想や意見交換をさせていただきました。

昨日の試食会の様子

現状の課題

信州大学医学部附属病院東7階病棟において小児患者が入院治療を受ける際、未就学児においては常時保護者の付き添いが必要とされています。

しかし、その保護者の食事や身の回りのことに関して病院側から提供することはできず、保護者がそれぞれで調達をしなければなりません。

その方法は病院内のコンビニエンスストアか自宅からの差し入れに限られます。そのうえ信州大学医学部附属病院に入院中の小児患者は松本地域だけでなく信州全域から来られるため、現状として多くの保護者が病院内のコンビニエンスストアで済ませることとなっています。

状態が急変の恐れもあるため、常に誰かは付き添いが必要となります。

食事の調達や着替え、それ以外のことを済ませる時間は保育士に預けることもできますが、常時5〜10人の小児患者付き添いの保護者1人に与えられる時間は1日に30分ほどだと言います。

また、偏った食事や不十分な睡眠により、心身ともに不安定な状況でもあります。

病院内で課題や現状を聞いて

現状の課題に対して

まずは6月の末から以下の活動を行なっていきます。

・喫茶山雅からトップチームに提供する食材を使った栄養バランスの取れたお弁当を月に1回選手からプレゼント(子どもたちへグッズ等も検討)

・また弁当を届ける際は松本山雅の選手も同席し、写真撮影やサインなどを通じて小児患者に付き添う保護者を応援する。

いずれかは入院をしている子どもたちとのふれあい、プレイルームにあるテレビで試合の放映なども検討させていただいています。

試食会でのお弁当

松本山雅の強み

ここからは僕が今まで色々なスポーツクラブを見てきた中で感じてきたことを踏まえて〝松本山雅の強み〟を綴っていきたいと思います。

地域に根ざしたサッカークラブとしての土台

一つ目は地域に根ざしたサッカークラブとしての土台がすでにあるということです。

一言で言うと「地域の人たちが松本山雅を作り上げた」ということです。

もう少し噛み砕いていうと、「地域の方々が〝自分ごと〟として松本山雅を捉え、常に横並びで地域の方々と共に成長し、今の松本山雅というチームを作り上げている」ということです。

雪で延期になるかもしれなかった試合。仕事のある平日の昼間にも関わらず150名を超える皆さんと雪かきをして予定通りにキックオフできたこと。

これも一つ皆さんが松本山雅というチームの一員として自分ごとに置き換えて、苦しい時には支える、嬉しい時には共に喜び合うことを体現している形ではないかと思います。

雪かきの様子

親子3代で応援する生まれながらの松本山雅サポーター

二つ目は親子3代で応援する生まれながらの松本山雅サポーターとしての土台があるということ。

松本山雅の本拠地 サンプロ・アルウィンにご来場いただいた皆さんは感じるかもしれませんが、松本山雅のスタジアムでは本当に多くのご年配の方がご来場いただいています。

他のホームスタジアムには中々ない光景かもしれません。

決して交通の便がものすごくいいとも言えないスタジアムに本当に多くご来場いただいています。

1965年に創設されたこのクラブは来年の2025年に60周年を迎えます。

そう。
その当時から応援してくださった皆さんが今もなお現役で応援し続けていただいていて、子供ができればその子供と、孫ができれば子供と孫とスタジアムに駆けつけます。

生まれてすぐにスタジアムデビューした子供が大きくなり、大人になり子供を連れてまたスタジアムに通う。

そうやって生まれながらの松本山雅サポーターが毎週スタジアムに通う。
もはや自分の生活の一部に松本山雅というチームがあると感じています。

これは一つ目に掲げた地域に根ざしたサッカークラブとしての土台の根幹になる部分だと僕は感じています。

今季最多10,832人

松本山雅と地域の距離感

街を歩けばありがたいことに声をかけていただくことが多くなりました。
これは紛れもなく今まで松本山雅を作り上げてきた皆さんのおかげです。

クラブとしてもかつては選手たちと地域の皆さんとの距離感を大切にしていて、地域のお祭りや行事に選手が行くことも多くありました。

しかし残念なことに現状は新型コロナウイルスの影響で、その距離感が少し遠くなっています。

0距離Jリーガーを謳っている僕自身は今まで多くの活動を行なってきました。
そんな僕はかつて、松本山雅は少し敷居が高いなと感じていました。

しかし実際に加入してみると、社長をはじめ取締役やスタッフの多くは元選手で構成されており、「松本山雅とは何か、松本山雅のクラブ、選手の価値」を本当に理解されています。

だからこそ選手がさらに地域に出ていくこと、地域の方々と触れ合うこと。

ただ勝つのではなく、地域に愛されて、地域に必要とされるクラブとして、この松本に松本山雅というクラブがある意義を大切にして、尚且つ強くなり、地域の皆さんが全国に誇れるクラブにするためにチャレンジしています。

僕はこの3つこそがどこのチームにも負けない松本山雅の強みだと感じています。

だからこそ、この山雅に魅力を感じ、今まで行ってきた活動も、未来に描いているビジョンも山雅だからこそ最大化、そして唯一無二の価値を作れるのではないかと感じています。

最高の景色

応援の形

クラブ、信州大学医学部附属病院の先生方などと幾度となく意見を交換してきました。

その中で今まで行ってきた活動をまんまクラブとして転用できると確信しました。

今回のプロジェクトで意識したことは、

ただ一方的、一過的な応援でなく、みなさんを巻き込んだ応援として、必要な人に必要な応援を届ける文化を作ることです。

そのためには枠組みを決めることが必要です。

今も奈良で行っている「移動式こども食堂」では以下のような内容で行っています。(現在は奈良クラブの森田凜選手が引き継いで行っています。)

実際に行っているスキーム

アスリート食堂chabudaiは皆さんにいただいた売り上げなどを使い、地域のこども達を応援させていただいています。

全国では7人に1人、奈良では6人に1人という割合のこども達が貧困であるという中で、いかに多くのこども達にそして未来永劫、継続的な応援な形は何かということを模索しました。

その結果、移動式にして奈良県全域を回れるようにしたこと、運転資金が枯渇しないよう、いかに他の活動で皆さんに喜んでいただきながら資金を集め、皆さんと共に地域のこども達を応援できる形になりました。

ここで大切だったことは課題を知ってもらい、自分ごととして落とし込み、共に応援する形を作ることでした。

そして浅川隼人という存在でなく〝地域の選手〟という枠組みで考えることが必要でした。

僕はどんな声があがろうとやり続けられる自信はあります。
そして何よりアマチュア選手だった、Jリーガーでなかった選手でもできたのであればという再現性こそが僕の強みです。

だからこそまずは先陣きって浅川隼人で試してみて、広げるということをやってきました。

このことから松本山雅がすでに持っていることを広げることができれば、さらに多くの必要としている地域の皆さんに届けられるのではないかと感じています。

昨年の活動事例

松本山雅だからこそできるプロジェクト

前文で綴ってきた通り、松本山雅としての強みや浅川隼人が行ってきた過去の事例も踏まえ、松本山雅だからこその仕組みができると感じています。

先ほどのプロジェクトでは、応援をするということを綴ってきました。
ただ改めて意識したことをお伝えすると

一方的、一過的な応援でなく、みなさんを巻き込んだ応援として、必要な人に必要な応援を届ける文化を作ることです。

そのために枠組みが必要です。

なのでまず第一回目となる活動を皮切りに継続して行うプロジェクトも並行して行う予定です。予定しているのはこのような内容です。

・選手のサッカークリニックの開催
・スタジアムでの限定お弁当販売
・選手とふれあい活動
・スタジアムでの選手会特別シートの設営

企画している段階なので細かな内容は変わってくるとは思いますが、このような内容を通じて、地域の方にも喜んでいただきながら収益も上げていく。

その収益が元となり、必要としている方々に必要としている応援を継続的に行っていきます。

まさしくOnesoulで地域の皆さんで地域を応援していく文化を作っていきたいと思っています。

共に戦う試合前

最後に

スポーツの力は無限大です。

生きる上で必ずしも必要な衣食住のようなものではないかもしれません。

ただ、唯一台本がないものなので感情が揺さぶられます。
だからこそ〝人生に彩り〟を与えられるものだと思っています。

それと同時にスポーツは一人ではできないものなので、その特性上なんでも掛け合わすことが可能です。

スポーツ×地域、食、福祉、社会課題…

本当に多くのことを巻き込むことのできる唯一無二なものだと思っています。

そしてスポーツならではの発信の力も感じています。

僕はこれからも日本のスポーツがさらなる発展と、日本の力になれるように微力ながら歩んでいきたいと思います。

ぜひこれからも応援よろしくお願いします。

浅川隼人

これからも共に

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