ドラマレビュー:「リエゾン〜こどものこころ診療所〜」第一話


こんばんは。はなです。
この度、連載(自称)をすることにしました!
2023年1月期ドラマ「リエゾン〜こどものこころ診療所〜」のドラマレビューです。

この物語の題材は何と児童精神科。このアカウントで話題に出していなかったかもしれませんが、私は普段精神科医師として働いています。といっても、やっと専門医をとったくらいの駆け出しですが・・

精神科、というと歴史的な経緯もあってネガティブなイメージを持つ人も多い一方で、ストレスの多い時代と言われる現代で精神科の需要は拡大し続けています。そんななかの一つが、主に発達障害などを診る児童精神科です。私自身も興味を持ってはいるのですが、大人の診療と比べると子供の診察は言葉での交流が難しかったり、親御さんの対応もしたりとなかなか経験を積めていないこともあり、今回は勉強がてら視聴を決めました。漫画原作のドラマ化ですが、私は未読なので、今回はシンプルにドラマの感想としてお届けしたいと思います。



まずは、物語を始める上で必要なのはわかるけど、つい突っ込まざるを得なかった冒頭のシーン。
松本穂香さん演じる研修医が遅刻、重大なミスを積み重ね、ついに教授に叱られて自信喪失、という描写がありますが・・・
先に言っておきます。そんな研修医はいません。基本的に。
確かに国家試験自体は筆記ができれば受かるのですが、医学部には授業もありますし、5年生になれば病棟での実習もあります。
医者には実は発達障害の特性を持つ人が多い、と言われているのですが
それでも遅刻ばかりしていたら単位がとれず、卒業もできません。
確かに友人のサポートがあれば、カバーはされます。
ただ病院実習ともなると、班ごとに集合時間が違い、その班は出席番号順、成績順など友人コミュニティーから外れたものになることが多いのです。

ついでに薬の容量を間違えて怒られるシーン。
教授が「危うく患者が死ぬところだったんだぞ!」と言ってましたが、(てか教授そんなに暇じゃあないでしょう)
研修医にそんな危険な薬剤のオーダーを任せる病院はダメです。というかないはずです。医療事故を防いだ薬剤師さんグッジョブ!!です。

そして、本編を見ていて一番気になったのは、母親との関わりについて。
母親に叱られる子どもを見るに見かねて研修医が母親を制止、子供が抱きつく場面。感動的なシーンでしたが、気になりました。
児童精神では、母親も疲弊して来院することが多いです。
その中で、自分より子供の気持ちがわかる医師、子供に好かれてる医師がいたらどう思うんだろう・・・
私だったら、もっとお母さんの気持ちを支えたいな、と思いました。
病院で親御さんが不快な気持ちになったら、そもそも病院に連れてきてもらえなくなってしまいますし。
ツイッターで見る限りそこを気にする親御さんは見かけませんでしたが。参考まで。
「上手にできたら見せてね」を忠実に守ろうとして絵を破くようになった子供も、その言葉をかけた母親もどっちも悪意はないけど、うまくいかなくなってしまう。そんな行き違いをフォローする人が支援者なんだと思います。

いかがでしたでしょうか。こんな感じでゆるっと感想戦やっていきたいと思います。

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