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運転免許証更新のタイミングで旧姓併記にしたいだけなのに -後編-

後編は、前編の3週間後(12/23)にFacebookに投稿したものの転載です。手続き予定の方の一助になれば幸いです。

また、無事交付を受けた後、思いがけない出来事に見舞われました。ケーススタディとしてご一読ください。

前回、紆余曲折ありつつ、ようやく「戸籍謄本」を本籍地にオーダーするところまで完了。

今回は戸籍謄本を受け取るところからスタートです。


6.  戸籍謄本が届く

「戸籍に関する証明交付請求書」を発送してから5営業日で、自筆の封筒が郵便受けに届いた。都内⇔都内なので少なく見積もって役所内の発行作業に3営業日要した計算になる。長い。

ところで、ペラっと1枚戸籍謄本だけが入っていたのだけど、例えば「戸籍謄本と戸籍抄本の違いと各々の用途」とか「戸籍謄本の提出が必要な各種お手続きのご案内」とか、その後の市民の皆さんの面倒な事務処理を助けるなんらかのお導き(冊子や専用サイト&QRコード)があってもいいんじゃないかと個人的には思った。職業病。

7.  区役所で旧姓併記の住民票写しを取得

戸籍謄本を握りしめて区役所(出張所じゃなくて本体)へ。通常の住民票取得と同様、「住民票の写し等請求書」に必要事項を記入する。この時、「マイナンバーの記載」という項目は『なし』と回答すること(と免許の更新連絡はがきに記載されている)。

どうせまた通常の住民票窓口じゃ受け付けてくれないんでしょ?と滝藤賢一(@探偵が早すぎる)ばりの先読みで、番号カードを取る前に総合案内所に問い合わせたところ、案の定「住民記録係(転入転出などを受け付ける窓口)」の番号カードを取るよう指示された。市区町村によって窓口の名称は異なるかもしれないが、手続き内容の中に「旧氏登録」が記されている窓口が該当する。ちなみに「きゅううじ」と読むそうで、耳慣れないので2回聞き返した。

窓口で必要なもの。

・戸籍謄本
・身分証明書(運転免許証やマイナンバーカード)

なんやかんや口頭確認された後、300円払って無事取得。所要時間は平日昼間で1時間ほど。

8.  免許センターに凸

今回は神田免許センターで更新することにした。

持参するもの。

・更新連絡はがき
・運転免許証
・旧姓併記の住民票写し
・3,000円(優良の場合)

ちなみに当該免許センターでは持ち込み写真は使えない。流れ作業で撮影された恒例の残念ショットが否応なく採用されるのでご注意を。

しょっぱなの①受付の窓口(手続きフローの順に番号が振られた紙が各窓口に貼られていた)で持参した書類を提出し
「旧姓併記でお願いします」
と告げたところ、
「この住民票じゃダメですよ」
と初老の警察官からのほほんと青天の霹靂発言が飛び出す。
「そんなはずないこれで大丈夫だと区役所から言われてる」
と語気荒めに訴えたところ
「(長めの沈黙)ああ・・あるね。そういうスタイルね。」
と謎の発言。
「普通はね、横に書いてあるのよ。縦なのね。文京区。」
どうも、旧姓の記載位置がスタンダードではなかった模様。いや、知らんし。何故にそんなところで個性を出してくるのか。全市区町村統一フォーマット化を強く提案したい。ああビックリした。あああビックリした。

①の受付後

②提出&暗証番号登録

③視力検査

④免許証内容確認

⑤写真撮影
そして、講習へと続く。
このフローは通常の免許証更新と変わりない。

9.  免許証の申請書を書く

氏名の欄に「現在のフルネーム(旧姓のフルネーム)」と両方フルネームで書くよう指示されていた。めちゃめちゃ小さなスペースに結構な文字数を求められ、当然枠からはみ出す。おまけに名字に注目されたせいで、戸籍上の一文字目が旧漢字であることに気付かれてしまってリテイクが入った。

旧姓併記のせいか旧漢字のせいかはわからないが、④の窓口で5人ほどに順番を追い抜かれる。④の待ち時間の後、無情な写真撮影を経て超ギリギリで直近の優良講習に滑り込み、なんとか所要時間1時間ほどで免許証の更新が完了した。

まとめ

旧姓併記の免許証を更新のタイミングで授受するには、大きく以下の3つの手続きが必要だった。

(1) 戸籍謄本取得
・封筒×2
・印刷した「戸籍に関する証明交付請求書」
・コピーした身分証明書
・450円の小為替(手数料は100円)
・84円切手2枚

(2) 旧姓併記の住民票写し取得
・戸籍謄本
・身分証明書(運転免許証やマイナンバーカード)
・300円

(3) 運転免許証更新
・更新連絡はがき
・運転免許証
・旧姓併記の住民票写し
・3,000円(優良の場合)

掛かった費用の総額は以下。

4,018円+交通費

3,000円は普通の免許証更新でも必要なので、今回特別に掛かったのは差し引いた額の1,018円ということになる。大した額ではないのだが、手間暇や煩わしさと相まってちょっとばかりモヤモヤするのは正直なところ。

だが、終わってみれば、戸籍謄本を本籍から取得する必要があることさえ知っておけば、そんなに難しくはない印象だ。まだ、この「旧姓併記」の処理実績が少ないためか、一つ一つの窓口での説明や(担当者が不慣れ故の)手続きのもたつきが若干厄介かなぁという感じではあった。お役所の横の連携のなさも、よくよく実感した。

そして、仕上がった当の免許証ですが、旧姓を足した上に今回から金色の帯の箇所に西暦年号も記載されるようになって、全体に文字量の多いうるさいカードになりましたとさ。めでたしめでたし。

後日談

実は、この投稿後に実家の父が倒れて危篤状態になった。

まだ、コロナ騒動は起きていなかったが、当時はインフルエンザが流行していて、ICUに入れるのは家族のうち二人までという厳戒態勢だった。母を優先して、わたしと妹は交互に見舞うことにした。ゲスト入館証をもらう際に家族関係の証明が一々必要な訳だが、幸い旧姓併記の免許証を手にしていたため、とてもスムーズに照会できた。

戸籍謄本を持ち歩きでもしなければ証明できなかった親子関係の立証に、旧姓併記の免許証がこんなにも有効だということを、まさかそれを手にした直後に実感することになろうとは思っていなかった。

平静を装ってはいても、若干のパニック状態。きっと頭も心も余裕がなかったと思う。仮にこの免許証がなかったら手続きに手間取っただろうし、患者を守るために止むなく厳しい制限を敷いている病院関係者に「融通が効かない、娘と言ったら娘だ、早く通せ」と腹を立てたかもしれない(現に揉めているらしき人がいた)。避けられてよかった。

幸い、父は奇跡の生還を遂げ、今は自宅で療養している。その後の入退院の諸手続きでも、引き続き旧姓併記免許証は活躍している。結婚等で名字が変わった方々には、取得を強くおすすめしたい。


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