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秋の夜長に読みたい物語は。。

読書の秋。。。
まだ、本を読んでいないのだが、読書の秋でいいのか?と思いつつ。

司馬遼太郎の『坂の上の雲』である。

先日、松山へ旅をした。
松山城、道後温泉、そして【坂の上の雲ミュージアム】。。見たい順番だと、本当の事を言うとそれほど高くなかった。

しかし、行ってみて、さらに帰ってきて、「失敗した!」と思った。あー。なんで、本読んでおかなかったのかなぁと。

ちょっと、読書からそれるが、このミュージアム安藤忠雄氏の設計で、入ったとたん、あれ?っと思うような作りになっている。緩やかな坂道を上りながら展示物をみていく。展示室は三角形。不思議な空間だった。

物語は、正岡子規と彼の同級生であった、秋山真之、その兄の秋山好古の三人の生き方を追って進んでいくのだが、司馬遼太郎は、この三人を描く事で 明治維新 初めて国家というものに統合された日本の物語を描いたと綴っている。

正岡子規を知っている人は多いが、秋山兄弟はあまり知られていないと思う。(宇宙兄弟の方が知られているかな。。)
兄の好古は「騎兵の父」と呼ばれ、弟の真之はバルチック艦隊を撃破した作戦参謀。
物語は、真之の誕生から始まる。。

このながい物語は、その日本史上類のない幸福な楽天家たちの物語である。やがてかれらは日露戦争というとほうもない大仕事に無我夢中でくびをつっこんでゆく。最終的には、このつまり百姓国家がもったこっけいなほどに楽天的な連中が、ヨーロッパにおけるもっともふるい大国の一つと対決し、どのようにふるまったかということを書こうとおもっている。楽天家たちは、そのような時代人としての体質で、前をのみ見つめながらあるく。のぼってゆく坂の上の青い天にもし一朶(いちだ)の白い雲がかがやいているとすれば、それのみをみつめて坂をのぼってゆくであろう。


          あとがきより、一部抜粋

戦争、富国強兵の辛く苦しい時代を描いたのではなく、むしろ明るく活気にあふれ、堂々と生きた人たちの物語。司馬遼太郎が『日本史上類のない幸福な楽天家たちな物語である』と著しているところに、興味をそそられた。

明るさは潔さだと思う。迷いなく、ひたすら自分の置かれた立場、環境をうけいれて、歩んでゆく。そんな時代を、少しうらやましくも思った。
今の時代の、なんと迷いの多い事か。
明治という時代と比べて、現代はずっと豊かであるはずなのに、、、、、

物語の中で、誰もが望めば手に入れる事ができるそういう時代だと記されている。今の方が、なんでも望めば手に入れられる時代なはずなのに、何故か、そうではないような感じがする。

青空の一朶の雲は、どこにあるのだろうか?

いやいや、一朶の雲を探そうとする事自体が間違いなのかもしれない。
ただひたすらに、『幸福な楽天家』であれば良い

この秋は、そんな人たちの話しをゆっくりと味わおう♪かなと、思っている。

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