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男子大学生のぼっちイスタンブール観光


イスタンブール空港から市街地へ

前回の記事ではイスタンブール空港までたどり着きました。今回はイスタンブール空港から出発するところからスタートです。
イスタンブール空港はイスタンブールの半島の北側、黒海の側に位置しているため、交通機関を利用して市街地まで行く必要があります。いくつか手段はありますが、行きは最も簡単な方法であろう空港連絡バスのHavaistを利用しました。今回はAksaray Metroまで向かう便に乗りました。バスの乗り方や交通事情、鉄道などについてまとめた記事も作りますので、是非そちらもご参照ください。
空港を出発したのが朝7時くらいで、朝日を浴びながらの移動です。隣にはイスタンブールに住むトルコ人の方が座っていて、出発前などに「どこから来たか~」「日本で有名なものは~」などの軽い会話をしましたが、出発後すぐに寝てしまったようです。
終点のAksaray Metroに到着し、散策開始です。

Aksaray Metroからアヤソフィアに向かう

スルタンアフメトまでの道中

Aksaray Metroは街の主要な道路が交わる地点で、有名なアヤソフィアやブルーモスクがあるスルタンアフメト広場まではおよそ2.5kmです。Aksaray Metroは名前の通り地下鉄の駅であるほか、トラムの駅もあるため、ここを起点として各所への移動も便利に行えるでしょう。私の個人的な考えとして、街のことを知るためには歩くことが最も有効です。結局この日は15km歩いたそうです。。。
まずイスタンブールで私を迎えたのは街に佇む多くのモスクです。見渡せば常に視界にはモスクがあります。道中には4つの大きなモスクのほか、グランドバザールの入口も見ることが出来ました。時間はまだ朝8時、街が活発に動き始める頃でした。

バロック様式のラレリモスク。オスマン帝国にもバロック様式の建築があったとは。
バヤジット・モスク。逆光。
グランドバザールの入口。まだ開いていない。
ヌールオスマニエ・モスク。奥にスレイマニエ・モスクが見える。

スルタンアフメト広場

しばらく歩き、夢に見たスルタンアフメト広場に到着です。ここにはローマ帝国時代の6世紀に教会として建てられ、教会からモスク、モスクから博物館、そして2020年には再びモスクとなったアヤソフィアや、世界一美しいと称されるブルーモスクがあります。広場で贅沢な景色を見ながら少し休憩し、この周辺も散策してみることにしました。ブルーモスクの隣にはおしゃれなレストランやバザールがあり、ここだけでも十分な時間過ごすことができそうです。この日はモスクや博物館には入らず、外から楽しむことにしました。中は次の機会にじっくり見ます。

アヤソフィア
ブルーモスク
ブルーモスクの隣のバザール

ねこねこパラダイス

イスタンブールに限らず、トルコの街には多くの野良犬や野良猫がいます。昼食はトプカプ宮殿のそばにある店で食べることにしたのですが、近くに2匹の子猫がおり、食事をする私に対して可愛すぎる妨害をしてきました。
トルコでは猫や犬と人とが共存しており、人々は彼らにエサや水をあげたり必要な時は手当をしたりしているそうです。ちなみに、トルコでは猫を呼ぶときには「プスプス」と発音するそうです。トルコで猫を見かけた時は是非お試しを。
子猫に癒やされながら食べたのはトルコの伝統的な朝食です。私にとってはオリーブと一部のチーズは苦手でしたが、その他は多くの日本人の口に合う味だったと思います。この店は観光地区の中心部ということもあり、値段は異常に高かったです。よほどおなかが空いていない限りはこの周辺での食事はあまりおすすめしません。

2匹の刺客
トルコ初の食事

ボスポラス海峡を望む

トプカプ宮殿の隣のギュルハネ広場を抜け、金角湾の方まで出てきました。ボスポラス海峡や丘の上に佇む新しいチャムルジャ・モスク、7月15日殉教者の橋、そして海峡を行く多くの船を目の前にし、笑みをこぼさずにはいられませんでした。金角湾の対岸にそびえるガラタ塔に誘われ、次は橋を渡って新市街に行くことにしました。

ボスポラス海峡とチャムルジャ・モスク
7月15日殉教者の橋と海峡を航行するタンカー
金角湾とガラタ塔

新市街

新市街へは、ガラタ橋を渡って行きます。ガラタ橋は金角湾に架かる二層構造の跳ね橋で、下層にはレストランなどが、上層には道路と鉄道が通っています。新市街に入ると建物の密度が増し、待ちとしての活気も増した印象を持ちました。ガラタ塔への案内の看板に従って高い建物の間を進んでいきます。
ガラタ塔はビザンツ帝国時代の14世紀にその原型が建造されたおよそ70メートルの塔です。内部は博物館として公開されており、最上階の展望デッキからはボスポラス海峡とイスタンブールを一望できるそうです。今回は中には入らず外から楽しむだけにしました。
ガラタ塔から北西に進むと、坂の上の開けた場所に出ました。ここからは旧市街がよく見え、赤い屋根が連なる上にファティモスクが鎮座するイスタンブールの象徴的な景色を意図せず見ることができました。
坂を下っていき、金角湾の岸まで来ました。ここは恐らく観光客というよりは地元の人が多くいる公園のようで、地元の若者と思われる集団が多くいました。しかし、やはり景色は良く、十分に満足できる場所でした。

ガラタ塔
イスタンブールの象徴的な図
金角湾岸の公園から見たアヤソフィア。青い橋はガラタ橋。

コンスタンティノープルの遺産

公園の近くにある橋を渡り旧市街に戻ろうとすると、目の前には大変古そうな遺跡が仮設の壁に囲われていました。壁に書かれた文によると、「ジェノヴァの城壁」という遺跡だそうです。ビザンツ帝国時代はガラタ塔のあるガラタ地区はジェノヴァ共和国の居留地だったそうで、この遺跡のような当時の城壁がいくつかのこっているそうです。

ジェノヴァの城壁
壁の内側

旧市街に戻り、次は遠くから見ても存在感があったヴァレンス水道橋を目指します。
水道橋へ向かう幹線道路沿いを歩いていると、何やら右手に存在感のある建造物が見えてきました。非常に古そうなレンガ造りの建造物で、上は広場のようになっているようです。これは「ゼイレック貯水池」という遺跡だそうで、コンスタンティノープルに整備された水道とともにビザンツ帝国時代に建造されたようです。貯水池といえばスルタンアフメト広場近くの地下宮殿ですが、その他にも街中に貯水池が作られたそうです。イスタンブールの貯水池の多くは地下に作られているかと思いますが、ゼイレック貯水池はその上部が地上に露出している点で珍しいかもしれません。

ゼイレック貯水池

ようやく巨大な水道橋が見えてきました。ヴァレンス水道橋はビザンツ帝国が成立した時期、すなわち4世紀後半に建てられ、オスマン帝国の時代まで優に1000年を超える間、今のイスタンブールの街に水を届け続けました。今ではその立ち並ぶ太い橋脚の下を車が行き交っており、その光景の異様さに心が躍ります。航空写真を見ると、よく見えている部分よりも実際は長く、全部で900m程度橋が続いていることが分かります。機会があれば橋の両端までじっくり見てみたいものです。

新市街から見たヴァレンス水道橋
間近で見たヴァレンス水道橋

コンスタンティノープルの入口

最後の目的地として、コンスタンティノープルを1000年もの間守り続けたコンスタンティノープルの城壁を見に行きました。コンスタンティノープルの城壁は旧市街の西側を海から海まで囲うように築かれた大城壁で、全てを見ようとすれば8km近く歩くことになります。今回はミフリマー・スルタン・モスク付近から散策した後、北に向かいました。
まずは表への出口を見つけるため城壁の裏側に沿って進みます。少し進み、小さな出口を見つけたので外に出ます。城壁は所々崩れてはいるものの概ね原型を保っており、その堅牢さがうかがえます。

城壁の裏側
外から見た城壁の出入口。左手にあるのはミフリマー・スルタン・モスク。

城壁の外に出て散策を始めると小さな水道橋らしきものを見つけました。Beylerbeyi旧水道橋という名前だそうですが、詳細な説明は見つかりませんでした。このような水道で城壁の外から市内に水を届けていたのでしょう。

上から見た水道橋。水道の構造が分かる。
横から見た水道橋

ここからは北の端まで歩いていきます。城壁付近で広場のようになっている場所はホームレスと思われる人がよくいるようで、他と比べ多くのゴミが捨てられていたり焚き火の跡があったりしました。城壁は大部分が新しく修繕されており、所々に古い構造が残っているという具合でした。
しばらく北へ進んだ後、途中で歩道がなくなったためエーリ・カプ(「ゆがんだ門」の意)から市内へ入ります。この門の名前の由来は、門へ至る道が城壁の手前にある墓地を迂回していたためとされており、実際に門の前には歴史がありそうな墓地がありました。(なぜかこの門の写真は撮っていませんでした。。)

新しい構造と古い構造。黒くなっているものは焚き火の跡だと思われる。
しばらく進むと塔の形が変わる
上から見たエーリ・カプ(Google Maps)

市街地からイスタンブール空港へ

路地を抜けて金角湾まで出てきました。ここからは鉄道に乗ってイスタンブール空港まで戻りました。この日の夜に空港でホストファミリーと合流することになっていたのです。空港までの鉄道についても私にとって興味深いものでしたので、また別の記事でまとめようと思います。
この日は無計画ながらも丸一日楽しむことができました。この記事も思ったより長くなってしまいました。。この記事の執筆段階で記事にまとめたい経験が山ほどありますので、ぼちぼち更新していければと思います。
また、この記事に記した情報は必ずしも正しいとは限りませんので、参考にされる際はその点にご留意いただければと思います。
ここまでお読みいただきありがとうございました。

イスタンブール空港外観
大満足の行程(Google Maps)



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