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もらってばかり


今日、初めて職場で冗談を言った。

とても暑い日だった。

つい最近まで桜が咲いていたのに。

本当に同じ春ですか?

って問いかけたくなる。

四季なんて言うけど、移り変わりを感じることなくいつも過ぎてから季節の変化に気付く。

季節の変化をしっかりと感じ取れるほどに

何気ない日常の景色を綺麗だと感じれるほどに

心の余裕を持っておきたい。

大雑把に四季と四つに分けることなく八季、いや十六季ぐらいに分けてもいいのに

とたまに思う。(そうなったらなったで絶対にめんどくさいし、最終的に四季に落ち着くし、まず十六季て呼びにくい、NSC生かよ)


まだ夏の準備なんて全然できていない。

まず、すぐに梅雨が来るけれど。

決まり文句のように毎年耳にする気がするが、

今日もテレビから例年より気温が高いというキャスターの暑さを感じさせない声が聞こえてきた。

職場では、夏も近づいてきているしそろそろ事業所のエアコンの掃除をしなきゃという話になった。

去年、埃すごかったんだよね、私去年やったからパス~

と、ある先輩

私も埃に敏感だし、みんなに指示を出さないといけないから
あ、◯◯さん(自分の名前)背高いからよく届くし、掃除好きでしょ?

と、流れるように主任が続く

それ、圧力をかけるって言うんだよ〜

いつものようにこんな会話が繰り広げられる

もちろんみんな冗談で言っている。(半分本気かもしれない)

心地よい圧力

僕が定時を過ぎても仕事を続けていると

今日も◯◯さんは職場に泊まっていくんでしょ?

と声を掛けられる。

額面通りに受け取ればそのままの意味だが、その裏には早く帰りなよという意が込められている。

そんなやさしいメッセージを感じる。

話は戻って

じゃあ、誰が掃除する?

職に就いてからの歴の浅い、自分ともう一人の先輩しかいないんじゃない?

という流れになった

もう、上の先輩二人は逃れ切った表情をしている

◯◯さん誰がやればいいと思う?

主任の声と目線が自分に向けられる、、

ジャンケンで決めましょう

と僕は言った。


自分の口から出た言葉に自分でビックリした。

今までなら絶対に

僕がやります!

と答えていた。

でも、こんなしょうもない冗談を言えるような環境を周りの人がつくってくれているから自然にこの言葉が出たと思う。

前の職場では、自分を出せたと感じる瞬間がなかった。

それは単純にそんな一息つく暇もないほど忙しかったのもあると思うが、

ずっと仕事用の自分だった。

演じていた。

本来の自分を出すことができていなかった。

仕事するうえで時にはそれも必要だが、客観的に捉えたら自分を出せない仕事って何なんだろうと思う。

それは環境がそうさせたのではなく、自分が勝手にそうしていただけ。

でも今の職場では意識することなく自然と素を出せた。

職場が自分の居場所になりつつある。

仕事に行くのが楽しみだし、行けば心地いい。

職場が心地いいと、仕事以外の時間に余裕が持てる。

すると自ずと仕事にも尽力できる。

負のループならぬ正のループ。

今の職場では、利用者さんが仕事を終えて帰った後にコーヒーブレイク的な時間がある。

その時間に、あの逃れ切った顔をしていた先輩方とコーヒーを飲んでいると主任に、

今日とっても良かったよ

と言われた。

何の事だろうと思っていると、

あの冗談良かった

と言われた。

一つ壁を乗り越えたね。

またそれに流れるように続いてもう一人の先輩が、

なんか職員の団結力を感じたよ。

全員が会話に参加するっていいね。

と言うと、

主任は、

どんな内容であれ、全員で同じ時を共有して全員が参加するということが大事

と、まとめた。

自分を出してよかったと思った。

本当に少しだけ泣きそうになった。

福祉の仕事に関わるようになってからたくさんの素敵な言葉をもらう。

デイサービスのボランティアをしていた時はそこの施設長に、

君のいいところはよく周りが見えるところだが、
それによって気を遣いすぎるところは良くないところだ

と言われた。

その人は、はっきりと改善すべきことを分かりやすい言葉で伝えてくれた。

君はよく反省するでしょ?

反省することは悪いことではないけど、反省しすぎることは悪いこと。

今日良かったこと、できたことを三つ挙げて、反省点(それをどう改善すべきかを含めて)は一つでいい。

反省点は次々と頭に浮かぶのに、良かったところを三つも挙げるのって難しい。

それは自分を認めてあげられないからなのか、貢献度の高い仕事ができていないからなのか。

これは今も心がけるようにしている。

今まで気を遣うことで疲れると思ったことはないし、親しい人にこそ気を遣って接したいと考えてきた。

そう思ってこれまで友達とも関わってきた。

でも、もしかしたら自分が気を遣うことで相手に気を遣わせていたかもしれない。

僕は何か話す時、特に目上の人と話す時
冒頭や話の節々に「すいません」という言葉を無意識に言うようになっていた。

それが当たり前だと思っていた。

でもある日、ある人に、そんなに謝らなくていいんだよって言われた。

この時もまた少し泣きそうになった。

最近はもらってばかり。

今日もらった言葉を忘れないように書き留めておこう

と思って書き始めたけど絶対に忘れることはないし、

自分もそんな言葉を伝えられる側の人になりたい。

もっと誠実に生きることと向き合いたいし、日々人間的に成長できるように試行錯誤したい。

福祉の仕事は若い世代から(いやどの世代もそうかも)敬遠されがち。

でも絶対に多くの人にとって必要な仕事であることは明白で、その素晴らしさを伝えることで若い世代に少しでも興味を持ってもらいたいと漠然と考えている。

勝手に、都合よく、自分はこういう運命でこれは使命だと思い込んでいる。


今日もさすがにカッコつけすぎているのでこの辺で、




おわり





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