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2024年1-5月の中国経済情勢

2024年の中国経済は、世界的な経済不確実性の中で安定した成長を続けています。特に消費市場、対外貿易、外資導入、対外投資の各分野で顕著な成果を上げています。本記事では、その具体的なデータとともに、各分野の動向を詳しく見ていきます。


消費市場

5月の社会消費財小売総額は前年同期比3.7%増の3兆9211億元となり、自動車を除く消費財小売総額は同4.7%増の3兆5336億元に達しました。これにより、1-5月の累計では、社会消費財小売総額が前年同期比4.1%増の19兆5237億元、自動車を除く消費財小売総額は同4.4%増の17兆6707億元となりました。
オンライン小売市場も好調で、1-5月のオンライン小売額は前年同期比12.4%増の5兆7669億元となりました。特に実物商品のオンライン小売額は同11.5%増の4兆8280億元で、社会消費財小売総額の24.7%を占めました。実物商品の内訳としては、食品が同19.6%増、衣料品が同9.0%増、生活用品が同10.8%増となりました。

対外貿易

1-5月の物品貿易の輸出入総額は前年同期比6.3%増の17兆5000億元に達し、輸出は同6.1%増の9兆9500億元、輸入は同6.4%増の7兆5500億元でした。5月単月では、輸出入額が前年同期比8.6%増となり、成長ペースが加速しました。
中国の最大の貿易パートナーは東南アジア諸国連合(ASEAN)で、貿易総額は同10.8%増の2兆7700億元、中国の貿易総額の15.8%を占めました。また、「一帯一路」共同建設参加国への輸出入額は同7.2%増の8兆3100億元となりました。

外資導入

1-5月には全国で新たに設立された外資系企業が前年同期比17.4%増の2万1764社となり、外資導入額は同28.2%減の4125億1000万元でした。
産業別では、製造業の外資導入額が1171億1000万元で、全国の外資導入額に占める割合は同2.8ポイント上昇の28.4%となりました。ハイテク製造業の外資導入額は504億1000万元で、割合は同2.7ポイント上昇の12.2%。特にスマートデバイス製造業の外資導入額は同332.9%増、専門技術サービス業の外資導入額は同103.1%増となりました。
投資元国別では、ドイツからの投資が同24.2%増、シンガポールからの投資が同16.2%増となりました(自由貿易港を経由して行われた投資のデータを含む)。

対外投資

1-5月の対外非金融直接投資は602億ドルで、前年同期比16.3%増加しました。このうち、「一帯一路」共同建設国への非金融直接投資は128億1000万ドルで、同12.7%増加しました。
2024年1-5月の海外請負工事の完成売上高は前年同期比8.8%増の587億9000万ドル、新規契約額は同21.7%増の873億ドルでした。このうち、「一帯一路」共同建設国での工事の完成売上高は同9.5%増の480億1000万ドル、新規契約額は同20.2%増の697億1000万ドルでした。

まとめ

2024年の1-5月における中国経済は、消費市場、対外貿易、外資導入、対外投資の各分野で堅調な成長を見せています。特にオンライン小売市場や「一帯一路」関連の対外投資が顕著な成果を上げており、今後もこのトレンドが続くことが期待されます。

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