【読書記録】2024年2月

3月もあっという間に半ばになってしまいました。気温の変動についていけず、とうとう風邪をこじらせました……


1冊目:原田ひ香『まずはこれ食べて』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

学生時代の友人同士で立ち上げたベンチャー企業「ぐらんま」で働く社員たちは、多忙な日々を送っている。不規則な生活のせいで食事はおろそかになり、社内も散らかり放題で殺伐とした雰囲気だ。そんな状況を改善するため、社長は会社で家政婦を雇おうと提案をする。やってきた家政婦の筧みのりは、不愛想だが完璧に家事をこなし、心がほっとするご飯を作ってくれる。筧の作る食事を通じて、社員たちは次第に自分の生活を見つめ直すが、その矢先思わぬ出来事が……。人生の酸いも甘いもとことん味わう、滋味溢れる連作短編集。

ほのぼのとした仕事に疲れたアラサー会社員たちを家政婦が料理の力で癒していく話かと思いきや……
話が進むにつれてミステリー要素が出てきて面白かったです。

「ぐらんま」の社員たちに共通するかつての「仲間」。その人物に対するそれぞれの印象は全然違っていました。それが紐解かれたときに、かつての「仲間」との絆はどう変化するのか……。


二冊目:乾ルカ『おまえなんかに会いたくない』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

十年前、高校を卒業した元クラスメイトたちに、校庭に埋めたタイムカプセルの開封を兼ねて、同窓会開催の案内が届いた。SNSで高校生活の思い出話に花を咲かす彼ら。だが、いじめが原因で転校した生徒の名前が書き込まれ……。近づく同窓会。はたして、タイムカプセルの中には何が!?

全体的に面白かったけど、最後が不完全燃焼。
身元を明らかにした上で、本音をぶつけ合ってほしかった。

結局スクールカースト最下層で過ごした人間は、当時のトップの人間に対して何年経ったとしても真っ向から挑むことはできないんだな、と最下層出身の私は苦いものを嚙み潰した気持ちになりました。

この歳になってもスクールカーストなんてクソくらえだな、と思います。現代はスマホとSNSの発展で昔よりもしんどい学生生活なんだろうな。


3冊目:東野圭吾『真夏の方程式』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

夏休みを玻璃ヶ浦にある伯母一家経営の旅館で過ごすことになった少年・恭平。一方、仕事で訪れた湯川も、その宿に宿泊することになった。翌朝、もう一人の宿泊客が死体で見つかった。その客は元刑事で、かつて玻璃ヶ浦に縁のある男を逮捕したことがあったという。これは事故か、殺人か。湯川が気づいてしまった真相とは——。

映画を見てから、こちらを読了。やはり小説のほうが映画よりも細かく描写されていて読み応えがありました。

子供が苦手な湯川が、恭平の未来を守るために事件を解決へと導くのがこれまでの湯川からは考えにくいことだったので嬉しかったです。

映画版を観て「ガリレオシリーズが読みたい!」と思ったので、やっと『真夏の方程式』まで読むことができて良かったです。


4冊目:まさきとしか『完璧な母親』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

流産を重ね授かった最愛の息子が池で溺死。絶望の淵で母親の知可子は、息子を生み直すことを思いつく。同じ誕生日に産んだ妹に兄の名を付け、毎年ケーキに兄の歳の数の蝋燭を立て祝う妻の狂気に夫は怯えるが、知可子は歪な“完璧な母親”を目指し続ける。そんな中「あなたの子供は幸せでしょうか」と書かれた手紙が——。母の愛こそ最大のミステリ。

子どものためなら母親はこんなに狂うことができるのか……と恐怖を感じました。
最愛の息子を亡くして、その息子と同じ誕生日になるように子どもを出産し、そして同じ名前(色んな意味で少し違うけど)を付ける……これが狂ってると云わずなんというのか。

普段は不倫否定派だけど、妻がこんな状態になってしまったら、夫が単身赴任先で不倫してしまうのも仕方ないように思えました。

物語の本筋は息子の死の真相だろうけども、母親の異常さが際立つ物語でした。



さいごに

2月は4冊の読了でした。2月も積読消化に勤しみました。偉い!

冒頭に風邪をこじらせたと書きましたが、新型コロナでした。
感染するのは2年ぶり2回目ですが、今回は発熱はほとんど無く、喉の痛みと涙が出るほどの激しい咳でした。
いまは発熱のない陽性者も結構いるようなので、いつもと喉の痛みが違うな?と思ったら抗原検査キットを使ってほしいと思います。

肌寒かったり暖かくなったりで体調を崩しやすくなっています。皆さんもご自愛ください。

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