【読書記録】2023年11月

師走ですね!今年も残り2週間です。今回は11月の読書記録です。


1冊目:児玉雨子『##NAME##』

単行本なのであらすじは省略します。

第169回芥川賞候補作の中の一つです。

小~中学生の頃にジュニアアイドルをしていた主人公のせつな。大学生になったあともジュニアアイドルだった過去がついて回ってしまう。

アイドルである本人たちは悪いことをしていたわけではない。悪いのは子どもの憧れや夢を性的なものとして搾取してきた周りの大人たち。それなのに本人たちが後ろめたい過去としてその先の人生を歩んでいかなければならないのは理不尽に感じました。

タイトルはレンタルサーバーで夢小説を書くときの独自タグでした。気が付くまでにちょっと時間がかかりました。


2冊目:深緑野分『ベルリンは晴れているか』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

1945年7月、ナチス・ドイツの敗戦で米ソ英仏の4ヵ国統治下におかれたベルリン。ドイツ人少女アウグステの恩人にあたる男が米国製の歯磨き粉に含まれた毒による不審死を遂げる。米国の兵員食堂で働くアウグステは疑いの目を向けられつつ、なぜか陽気な泥棒を道連れに彼の甥に訃報を伝えに旅立つ――。圧倒的密度で書かれた歴史ミステリの傑作、待望の文庫化!

舞台が海外な上に登場人物が多い!海外特有の名前の呼び方が複数ある!という私の苦手要素がてんこ盛りなこちら。
でも、内容が面白くて結構サクサクと読めました。
大枠でミステリなので楽しんで読めたのかもしれません。

本の構成として本筋(主軸)と幕間(過去軸)が交互に語られます。
最初は本筋と幕間の時間軸が何年も離れているのに、ラストに近づくにつれて幕間の時間軸が本筋の冒頭に近づき、真相が見えてきます。その構成にゾクゾクしました。

面白かったなあ。


3冊目:東野圭吾『ガリレオの苦悩』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

〝悪魔の手〟と名乗る人物から、警視庁に送りつけられた怪文書。そこには、連続殺人の犯行予告と、帝都大学准教授・湯川学を名指しで挑発する文面が記されていた。湯川を標的とする犯人の狙いは何か? 常識を超えた恐るべき殺人方法とは? 邪悪な犯罪者と天才物理学者の対決を圧倒的スケールで描く、大人気シリーズ第四弾。

湯川の相棒が草薙から内海さんにバトンタッチ。
全部で5章あって、2章の「操縦あやつる」が他の4篇と比べてもひときわ内容が濃く面白かったです。

本書のタイトルが『ガリレオの苦悩』というだけあって、今回は湯川に纏わる話ばかりでとても面白かったです。
これまでは「天才」という部分が前面に出ていて人間味を感じていませんでしたが、湯川も人間味があるのだなと思いました。


4冊目:まさきとしか『あの日、君は何をした』

あらすじ(文庫版裏表紙より引用)

北関東の前林市で暮らす主婦の水野いづみ。平凡ながら幸せな彼女の生活は、息子の大樹が連続殺人事件の容疑者に間違われて事故死したことによって、一変する。大樹が深夜に家を抜け出し、自転車に乗っていたのはなぜなのか。 十五年後、新宿区で若い女性が殺害され、重要参考人である不倫相手の百井辰彦が行方不明に。無関心な妻の野々子に苛立ちながら、母親の智恵は必死で辰彦を捜し出そうとする。捜査に当たる刑事の三ツ矢は、無関係に見える二つの事件をつなぐ鍵を掴み、衝撃の事実が明らかになる。 家族が抱える闇と愛の極致を描く、傑作長編ミステリ。

まさきとしかさんの小説を読むのは初めてです。親子を軸とした小説が多い印象で、いつか読みたいと思っていた作家さんの一人でした。

夢中になってしまい6時間弱くらいで読了してしまいました。
時間軸が過去軸とメイン軸とあって一見すると無関係そうなのに、徐々に繋がりが色濃く見えてきてどんどん読み進めたくなりました。(これは『ベルリンは晴れているか』と同じ感覚)

子どもは「親に悲しんでほしくない」と理由を説明せずに行動して、親は「どうしてこうなったのか」を知りたくて何年間も悩み続ける。
親子って難しいし、息子のために暴走する母親怖い。


さいごに

年間の読了冊数の目標はゆるっと60冊を目安にしています。単純計算でひと月あたり5冊読了すれば達成するのですが、毎年ビミョーに達成できていませんでした。

それが、今年は11月のまさきとしかさんの本で60冊読了しました。なお、ここで感想を載せていない本も含まれています(実用書とか)。

目標を達成したことに安心してしまったのか、12月は今日の時点で1冊も読了していません……
なのに、積読はかなり増えています(先月比)。

図書館で借りている本があるので、とりあえずそれを読了することを今月の目標にします。

年内のnote更新はこれが最後かと思います。

今年も一年お世話になりました。良いお年を。

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