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毒親から解放されるための2つのステップ~私の場合~

本記事で語る内容は、筆者の個人的な体験をベースにしたものです。
筆者の備忘録でもあります。
全ての人に当てはまるわけではないと思うので、あくまでも一例として何かにお役立てください。

最初に明言しておきますが、画期的な解決策が突然降って湧いただとか、白馬に乗った王子様がやってきて救い出してくれただとか、そういう話ではありません。
もっと地道でもっと現実的な方法で、いわゆる毒親育ちである筆者は『毒親からの解放』『幸福だと思える日常』を手に入れることができました。
その方法について、大きく2つのステップに分けた上で、内容をざっくりと解説していこうと思います。

ステップ①自分という人間の確立

見出しを見て、「何のことやらわからない」と感じた人も多いと思います。あるいは、「それが一番難しいというのに」と。

そうです、これは2つあるステップのうち、より(格段に)難しい方です。
難しいというのは、実行に移すことが困難である、という意味であり、内容は特別難しくはありません。
毒親に育てられた子供たちは、往々にして、親と自分の(主に思考や意見における)境目がわからなくなってしまい、自分はなんでもできる(やっていい)んだという自信を喪失し、親と共依存状態に陥ってしまいます。
ステップ①は、これらの状態から抜け出すことを目的とします。

まず初めに、親という人間に対する認識を改めましょう。
確かに自分とは血縁関係があり、親子関係は一生解消できず、切っても切れない特別な関係であることは事実です。
しかし、親は神様ではありません。人間であり、一個人です。
今まで生きてきた経験や過去があり、正しいことをすることもあれば間違ったことをすることもある、悩みもあれば後悔もある、宇宙規模でみればちっぽけな存在である、一人の人間です。
つまり、自分と同じです。
親は選ばれし特別な人間ではありませんし、絶対的正解や普遍的常識を抱いているわけでもありません。矮小なただの1つの生命体です。

自分と親は、対等な人間です。
もちろん自分が未成年(学生)の間は、主に経済的な意味で親による保護を受けているでしょうが、思想や行動といった点で対等な人間同士であることに変わりはありません。
自分は親ではないので、自分と親では別の人格があります。当然、食べ物の好みも違うし、好きな色も違うし、同じものを見てどう考えるか、どう動くかは異なります。そこに優劣はなく、ただの一個人が2人いる、という事実のみがあります。
まずはそのことをしっかりと理解しましょう。

次に、自分という一個人について考えましょう。
いきなり難しいことを考えなくても大丈夫です。上記の例えでいうと、好きな食べ物は何でしょうか?好きな色は何色でしょうか?というようなことです。
自分はどんなものを好ましいと思って、どんなものを嫌いだと思うでしょうか。何がしたくて、何をしたくないと思っているのでしょうか。
特に思い浮かばなければそれでも構いません。咄嗟に思い浮かぶような特別なものがそのジャンルにはない、というのが今の自分ということです。これは良いことでも悪いことでもありません。ただの事実です。

もし、自分自身がしたいと思うことが明確にあれば、それを実行するためには何が必要かを考えましょう。あるいは、すぐに実行できそうなことなら、実行してしまっても構いません。
絵を描くのが好きで、これからもずっと書き続けたい。
映画を観るのが好きで、色んな作品に触れてみたい。
人と関わるのが好きで、友達をたくさん作ってみんなに好かれたい。
散歩が好きで、天気のいい日には外に出たい。
野球が好きで、もっと練習して上達したい。
人の役に立つのが好きで、将来は福祉関連の仕事に就きたい。
一度でいいので死ぬ前にオーロラを見たみたい。
などなど、どんなことでもよいです。自分がどんなことを望んでいるのか、なりたい自分はどんな人間なのか、ぼんやりとで構わないので想像してみましょう。

もし、何もしたいことがない、どうしたらよいかわからないという状態であっても大丈夫です。
ひとまず、お金を稼ぐことを考えてみましょう。
お金は偉大です。お金が全てではないですが、生きていく以上お金は絶対に必要であり、あって困るものでもありません。あればあるだけいいです。
では、どうすればたくさんお金を稼ぐことができるでしょうか。
方法としては、大きく分けて2つあります。1つ目は、どんな業種でも構わないのでいわゆる『大手』企業に就職することです。2つ目は、比較的給料の高い、いわゆる専門職に就職することです。

1つ目の方法を実現するため必要なことは、自分が学生であれば、まずは『良い成績をとる』ことです。受験にしか使わない知識の習得、内申点にしか影響しない教師へのゴマ擦り、などもこれに含まれます。
自分が学生でなければ、就職に有利な資格、例えば語学関連の資格やIT関連の資格をとるのがよいでしょう。
自分のしたいことではないかもしれませんが、他に特にしたいことがないのであればとりあえずしておきましょう。
これらのことは、就職活動の際に『自身が努力できる人間であること』あるいは『他人よりも意欲的であること』の証明になり、就職活動時にライバルと差をつける手助けになります。
知識にしろ、対人スキルにしろ、忍耐力にしろ、身に着けておいて今後損することは基本的にありません。あまり気負わず、暇つぶし程度にできる範囲でしてみましょう。

2つ目の方法を実現するために必要なことは、『情報の収集』及び専門分野についての『勉強』です。
比較的給料の高い業種には、医師、税理士、弁護士などのいわゆる士業や、システムエンジニアなどのIT関連、あるいは比較的人がしたがらない仕事(たとえば風俗嬢など)があります。
興味がある分野や、これなら自分に向いていそうだという分野がある場合は、その内容について重点的に調査し知識を身につけましょう。
どれがいいのかわからない、という場合は、ひとまず世間的一般によしとされている業種を目指すのがお勧めです(医療関係やIT関連など)。
業種によっては、専門の大学を出ている必要があったり、資格の取得が必要となる場合もあります。
これらに関しても、知識として持っておいて損することはありません。漠然としたイメージのままでも構わないので、これだという分野をとりあえず決めてみて、飛び込んでみましょう。

さて、長くなってしまいましたが、ステップ①に関してはこんなところです。
自身に明確な目標があるにないにしろ、自分のことをじっくりと考えてみたり、自分のために行動を起こすことはとても大切なことです。
実行してみて、成功や失敗を繰り返し、また考えて、再び行動してみる。その繰り返しで、自然と自信がついていき、『とりあえず行動してみる』ということを癖づけることができます。
そうです、失敗しても死ぬわけではないですし、誰かに何かを言われようとも、動き出してみれば意外ととんとん拍子に物事が進むこともあります。
自分は何をしてもいいし、どんな結果を引いてもいいのです(他人に危害を加えたり、犯罪行為を行ったりするのは駄目ですが)。
それが、自分という人間を確立するということです。

また、小説や映画、ドラマやエッセイなどに触れて、自分の世界を広げることも大切ですね。
自分について考えるには、自分以外のことについて知っている必要があります。そしてその『自分以外』のサンプルの数は、多ければ多い方がいいです。
色んな人がいて、自分もいる。
そういうふうに考えることができるようになれば最高です。

ステップ②毒親への反撃

ステップ①が完了した状態であれば、ステップ②はさして難しくありません。
自分の親のどのような部分を見て『毒親』と評しているのかは人それぞれだと思いますが、少なくとも親から何らかの『ひどいこと』をされ、『ダメージ』を受けているためそのような表現になっているのですよね?
では、その『ひどいこと』をしてきた親に対して、同じような手法、あるいは効果的な手法で反撃してみましょう。

過干渉な親に悩まされていますか?
では、就職を機に、親が干渉できないほど遠くに離れてしまいましょう。住所を変え、職場を変え、可能であれば姓まで変えてみてはどうでしょうか。
住民票や戸籍は親が閲覧できないよう支援措置を行い、電話やメールなどには一切返信しない、人伝の連絡にも応えない。
そんなことをしたら大変なことになるでしょうか?警察に通報されるかもしれない?
でも、構いませんよね。
自分にはしたいことがあり、目標に向かって動いており、あるいは自分自身でしっかりと生計を立てて、親に迷惑をかけることなく生きているのだから。
仮に警察などの第3者に介入されたとしても、自分に恥ずべき点や隠すべきことは一切ありません。少し調べれば、迷惑をかけているのがどちらかというのがはっきりすると思います。
それでも親が諦めない場合は、戦っても構いませんし、放置しても構いません。痛くも痒くもありません。自分の人生には必要ではない、自分に害を与えるだけの人間です。好きにさせておいて、自分も好きにしましょう。

親からの支配や管理に悩まされていますか?
では、就職したら、親に求められるすべてのことに反対し却下してみましょう。自分が今までされてきたのと同じように。
別に構いませんよね。自分と親は別の人格を持っているわけなので、親の言うことに100%従う道理なんてどこにもありません。
もう面倒をみてやらないぞ、この先困っても助けてやらないぞと凄まれるでしょうか?
好きに凄ませておきましょう、自分には親の助けは必要ありません。自分のことは自分で何とかできます。
もしこの先、親がいないことで困ることがあったとしても、自分で選んだ道です。どうにかして解決策を捻り出すか、上手に誤魔化してやっていけますよ。自分にならできます。

親からの暴言や人格否定に悩まされていますか?
では、物理的な逃げ道(家を出るなど)を確保しておいてから、言い返しましょう。だって、自分だけが一方的に傷付けられるなんて不公平じゃないですか。どうして自分だけが、黙って我慢していなければならないのでしょう。
「産むんじゃなかった」と言われれば、「じゃあ産んだお前が悪いんじゃん」と言ってやりましょう。
「アホ」「クズ」「ゴミ」と言われれば、「じゃあ子育て失敗したんだね。残念だったね」と言ってやりましょう。
「死ね」と言われれば、「私は死にませんし、順番的にはお前が先では?」と言ってやりましょう。
自分が傷付けられたのと同じ分は、傷付け返して構いません。
というより、そういう言葉で育てたから、こういう言葉を使う自分に育ったのですからね。因果応報ですよね。
ただし、過剰防衛にはならないよう注意しましょう。
傷付けてもいいのは、あくまで、『自分はこのくらい傷付いた』と思える範囲内でだけです。そこから逸脱してしまうと、後になって後悔するのは自分になってしまいます。
また、暴力行為に対しては、暴力で返すのはやめておきましょう。
それは犯罪です。暴力を受けているのであれば、その行為の証拠を集めて保管しておきましょう。自分までもが犯罪行為に手を染める必要はありません。

親からの経済的圧迫に悩まされていますか?
貧乏で生活が回らなかったり、自分が稼いだお金を巻き上げられたりしたことがあるのでしょうか。
では、就職してからは、親には一切の金銭的援助を行わず、自分は自分で稼いだお金を好きなように使ってやりましょう。物でもサービスでもなんでも、欲しいもののうち自分の稼ぎで手に入るものは手中に収めてみましょう。
親に嫌味を言われたり支援を求めて泣きつかれたりしても知りません。
自分の生計は自分で立てているので、誰かに文句を言われる謂れはありませんよね。
お金が欲しいならそれなりの態度というものがあります。
それすらわからない人間に対して、こちら側が積極的に気遣ってあげる必要は一切ありません。切り捨てましょう。

上記は一例ですが、このようにして親に反撃をしてみましょう。
別にストレス発散やいじわるのためではありません。そういう側面があっても構いませんが。
重要なのは、『もうこれ以上親の言いなりにはならない』という決意を表明することであり、実際に行動に移すことにより『やっぱりもう少し離れずにいれば分かり合えるかも……』という甘い期待を捨てて後戻りできなくすることです。
親との仲を修復できるのであればそれに越したことはないでしょうが、肉親を『毒親』と呼ばざるを得ないほどひどい扱いを受けている場合、基本的に分かり合える日がくることはありません。
これは親との子のどちらかが悪いということではなく、単純に性格の相性が悪いためです。世の中には絶対に分かり合うことができない人間というものが存在します。これは仕方のないことです。諦めましょう。

また、これらの反撃は、自分の子供に同じことをしてしまわないためにもとても重要です。
自分が親にされたことを、自分も子供にしてしまうというケースは少なくありません。子供を産むよりも前の段階で、自分も子供に同じことをしてしまうのではないかという恐怖を感じてしまうこともあるでしょう。
それらのことが起こる原因は、自分が親から受けたひどいことや、そのせいで負ったダメージについての清算が行われていないからです。
『自分はこうやって育てられたから、子供もそうやって育てるべき』『自分が負ったダメージや心の穴は、自分の子供で埋めるほかない』といった思考に至ってしまうのは、ある意味では仕方がないことだといえます。もしかしたら、自分の親も、自分が親にされたことを真似して同じように行っているのかもしれません。
しかし、親にされたことを子供に返すのはおかしな話ですよね。
されたことは、してきた当人に返しましょう。
親にされたことを、反撃として親に返す。それで、この一件は終了です。解決していようがいまいが、関係性として、反撃と言う行為を経ることで2人の間の問題は一旦完了します。
対等な2人が、やったりやられたりした。おわり。ということです。

さて、ステップ②まで完了することができれば、それは実質的な絶縁となります。
勿論、人生の節目節目で、親の存在を思い出さざるを得ない日は訪れることでしょう。
しかし、『毒親に囚われる日々』からは離れることができるます。
そして、自分は自分の幸せを探し、実現することができるようになります。
親がどんな人間であろうと、良い親だろうと悪い親だろうと毒親だろうと、親元を離れてしまえばその後はもう、自分の思考や目標や幸福には関係がありません。自分が関係を切りたいと思っているのであれば、尚更です。
思い切って切り捨ててしまって、大丈夫なのです。

このような2つのステップを試して完了することができるのは、大した毒親に悩んでいないからだと思うでしょうか?
本当にひどい親の元では、そんなことできやしないと。
そうかもしれません。
世の中には子供の命を絶とうとする親がいることを考えると、自分ではどうすることもできない状況というのは確かに存在します。
その場合は、他人を頼りましょう。
警察でも国の機関でも何でも構いません。助けを求めましょう。

そして、親に命を奪われる、あるいは自分で命を絶ってしまうケースを除いた場合、自分はこの先もずっと生き続けることになります。
苦しくても、悲しくても、寂しくても、腹立たしくても、孤独でも、です。
生きていく以上は、どちらかといえば、嬉しくて楽しくて安心できて幸福な方がいいですよね。
そこまでいかずとも、せめて心の安寧くらいはほしいものです。
そういった場合に、この記事を役立てていただけると幸いです。

いのちだいじに、いきましょう。
自分は自分です。
大丈夫です。

毒親に苦しむ全ての方が、親を持つ苦しみから解放され平和に暮らしていけますように。



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