デザイナーが語る「デザインとプロダクトと組織」- Design it! #1 イベントレポート
Design (it)! とは?
・講義も狭義も関係なく、対象である何かを設計している人が対象
・その「何か」をITで示し、「()」を付けている
・デザインの行為に参考になったり、相談できたりする場
・どのように考え、動き、交わることをしているのか、現役のデザイナーがフランクに語り合う場を作りたい
組織巻き込み型デザインのススメ
株式会社ABEJA 上野真由美 氏
■ 一人のデザイナーとしてやったこと
分野(AI)について基礎知識を学ぶ。
自分に会うのか?キャッチアップが上手くできるか?といった不安を払拭するためにまずは分野を学んでみる。
自分が担当するプロダクトを使い倒してみる
当初は自分も初期ユーザーなので、その状態からプロダクトを利用した感覚などは全て記録しているとのこと。
社内外でラフにヒアリングを行う
社内に実際に業務に利用するメンバーがいるため、作業の様子を眺めたり、過去の施策で不評だったものなどを集める。社外では、成約に至らなかったユーザーにヒアリングを行った。
いろんなものを一度可視化する
・ユーザーのロールを可視化する
・プロダクトで使用する名詞と代名詞を把握する
・プロダクトの現状と未来を可視化する
・とにかくワイヤーフレームをつくっていく
■ チームのなかでやったこと
・チームの席を近くにまとめる
→ 気軽に雑談がしたい。都度その場で雑MTGができるので連携がしやすい。
Toolの選定する
・コラボレーションしやすいため、Figmaを利用
・Jamboard
合宿の企画
・自らプロジェクトチームで合宿を行った
→ 方向性などの認識合わせと、プロジェクト内の名詞などを統一するため。
全職種でフィードバック
・開発チーム以外の業種と連携する
・他のチームメンバーと連携するために
→ チームメンバーの会話と状態をキャッチアップ
→ イヤホンをしているけど実は音楽流さず会話からヒントを拾う
・信頼関係ができていると、対立意見が出ても建設的な会話が可能になる
■ デザイナー チームの3年間の作業を網羅
プロダクトデザイナーの不足を訴えた
・AQさんと一緒に協力してチームを作ったよ
デザインシステムの構築
・Figmaにカラーコードやコンポーネントなどを網羅し管理
→エンジニアと連携がとりやすくなった
まとめ
・逆張りの意識を持ちデザイナー自ら提案・実行する意思を示す
・仲間を増やす
・持続可能なデザイン基盤を作る
・ビジネスを加速させる仕組みを作るのもデザイナーの仕事
より良い体験を共にデザインするためにやってきたこと
株式会社プレイド 鈴木健一 氏
KARTEなどのプロダクトを作っています。
■ なぜ共にデザインする必要があるのか
・デザイナーだけではできない
・デザインはデザイナーだけに任せるには重要すぎる
顧客理解が難しい
・利用目的が広い
・変数が多い
→ 事業ドメイン / リテラシー / 企業サイズ /部署 / KPI、KGI など
技術理解の難しさ
・計測技術に関する知識
・技術戦略に対する理解
→ API/エコシステム/エンジニアリング
■ 誰とデザインしたのか
・カスタマーサクセス
→チーム外
・エンジニア
→チーム内
■ どのようにデザインしたのか
カスタマーサクセス
・インタビュー、イシューの棚卸し
→ 改善対象に課題感を持っているメンバーを特に対象とする
・クライアントにアポ取ってヒアリング
・イシューの優先度を一緒に考える
・miroにイシューを貼ってグループ分けなどを行った
エンジニア
・デザインの逆行分析
→ページにどんな機能があるのかなどの情報整理 (slidebarなどの単位)
→わからない仕様などは聞いていく
・プランの変更での仕様変更などがわからず手戻りがあった
→ 分岐ロジックや構造を見える化 (miro)
チーム全員
・インタビュー・分析を全員で実施
・課題やクライアントの共通認識を合わせていく
多業種を巻き込んだデザインレビュー
→フィードバックはmiro上で行う
→他の人のフィードバックなどもわかりやすく共同編集可能なためいい感じ
ユーザビリティテストに全員が同席
Loolbackを使ってユーザビリティテストをしたらよかった
ボール拾い
・隙間時間で対応できるものであれば他チームで起きているデザイン系タスクをひろう
→信頼性が生まれ、後から手伝ってもらいやすくなる
ポジティブ野郎
・意図しない仕様変更などがあっても前向きに頑張る。必須
Slackの奴隷
情報を早い段階でキャッチアップするために、いろんなチャンネルに入る。※ 休日も通知が来すぎてSlackの奴隷となったので今は減らしているとのこと笑
最後に一言
業種は全く関係ないぜ!
共創とリモートワーク
株式会社ウルトラ 佐々木 恒平 氏
親族の介護が原因で会社をやめる人は多い
心労などから申し訳なくなって「会社をやめよう」と思えてくる
リモートワークに慣れよう
向き不向きがあるので、まずは週一で実施してみた
ツールを選ぶ
Slack / XD / Abstract / Zoom / Dropbox / worksnops / KING OF TIME / Trella / Jooto などなど、リモートワークに最適なツールを選択
田舎の頼れるWi-Fi
・セブンイレブン、マクドナルド
→高校生しかいないのでPCをやっていると周りの目が痛い
仕事内容
アプリなどはリモートワークの場合連携が難しいのであまりない。広告やLPなどがメイン
東京外は人材がだいたい少ない
基本的に人手不足なため、マルチスキルになりがち。専門家が少ない
東京外は発注トラブルが多い
・やはり治安が悪くなってくる
・コネクションでどうにかなる「友達」を増やそう
クラフトマンが多いが、フロントマンが少ない
その他の領域で必要なのはImageできる人。
→フレームワークに頼らずしっかり考えられる人
東京はワールドマイノリティ
UXといいつつもUI寄りのイベントなどが多く、UXは海外に比べて遅れている
やっぱり困っている人のためにデザインしたい
シャッター街となった商店街など。可能性はまだまだある
パネルディスカッション
■ Design:スキルやキャリアや進め方Q:UIデザイナーの場合コードを書くべきか?書かないべきか?
佐々木さん:マレーシアの一番優秀なデザイナーはSwiftとかもかけちゃう。やりたいからやってる感じ。もちろんできた方が良い。私は自分で書きたくないからコーダーを育てている。
上野真さん:タスクなどの環境次第。必要ならやったらよい
鈴木さん:他に優秀な人がいるので自分自身は別な所でコミットしている
Q:マネージメントレイヤーに行かない、組織内のデザイナーの理想形は?
鈴木さん:マネージメントというよりは巻き込んでいく感じ。結果的にやってることは似通ってくる
上野真さん:やらざるおえないと思っている。あまり硬く考えない。そもそもマネジメントできるほど人って従順じゃない。支えるといった表現のが良い。もちろんそこが得意な人がやった方が良い。
■ Product
Q:デザイナーがいつのまにかPMのような役目をになってしまうこともある。プロダクトの進行や意思決定までやることが多いのか?
鈴木さん:自分がどこまでやってきたいか。また、リニューアルなどでのキャッチアップなどをしていくと自然とPMがやるべき順序を辿っていく
Q:領域が違う人との情報共有や意識の統一のために工夫していること
佐々木さん:どれくらいのリテラシーなのかを考えて、目線を1度合わせる。UXとかの単語をふわっと使わずにちゃんと分解して伝える。
上野さん:デザイナーもエンジニアも他業種に仕事内容がある程度伝わるようにしている
■ 会社の組織や採用
Q:デザインドリブンな組織やチームを作る上で実践していること
鈴木さん:場の目的に適した人を呼ぶ。フィードバックが欲しい場なのか、意思決定の場なのか。状況に応じて一番熱のある人を選んだりする。
佐々木さん:個人をチームへ。個人を出来るだけ褒め持ち上げてチームに取り込んでいく。
Q:デザインチームの拡大に伴うチーム編成に気をつけること
鈴木さん:事業のフェーズなどによって全然違うので、ルールはなく都度課題に合わせて変化していく。
上野さん:変数が多すぎるので他社や本の内容は鵜呑みにはできない。やはり都度変化する
Q:採用時のよいデザイナーの見極め方(ジュニア、シニア)
佐々木さん:スナックのママをUXのポジションに置いた。語彙力や言語化力がすごかったので、その後バリバリできる人材になった。物事をちゃんと言語化できる人が一番
鈴木さん:成果物のプロセスや思考的な所を重要視している。結果ではなく過程が重要。ワイヤーフレームを拡大したらテキストが適当だったり細かいこだわりのような部分もよく見てしまう。
上野さん:カルチャーフィットは重要視する。マウンティング臭は一発NG。スキルは基本やれば伸びると思っている。いい加減にやらない姿勢などの人間性を見ている
Q:機能改善とヒアリングを並行してすすめているのか?
鈴木さん:3ヶ月単位でプロジェクトを区切るので、その間にヒアリング期間を設けている。スプリントの中でリサーチしているチームと開発しているチームがあるので、並行する場合もある
以上、登壇者から聞けた内容を書きなぐってみました!
今回のイベントを通して感じたことは以下の3点です
1. デザイナーが自ら主体的に行動することがやはり重要
2. 他業種との連携が必須なので、目線合わせや情報共有をちゃんと行う
3. PM、デザイナー関係なく必要であれば全部やっていく姿勢
これらの重要性を再認識し、その手法・ツールなども学びがありました。
UI・UX系のデザイナーがフラットに集まれる場ってまだあまりないので、ぜひ定期的に開催して欲しいと思いましたー!
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