稽古日誌0226

前の稽古日誌から間があいてしまった。
これを書いている本日、「見本市」Bチームが全回売り切れました。
まさかこんなに早く完売してしまうと思わなくて、嬉しさと戸惑いと、もっとたくさんの人に観て欲しい、という気持ちがうずまいています。
ご予約済の皆様、本当にありがとうございます。

そんなこんなで、相変わらず粛々と日々稽古しております。
25日には「見本市」スタッフへの通し見せがありました。緊張しましたが、終わった後に「めちゃめちゃ面白かった」と言っていただけて本当に嬉しかったです。きっときっと、お世辞ではなかったと思うので、観劇を予定していただいている方はどうぞお楽しみに。
もちろん面白い、面白くするぞと思って創作しているけれども、実際外部から感想をもらうまでは本当に何があるかわからないので、一旦安心できて肩の荷が降りました。が、油断せずにより面白くしたいです。
ここで気が緩みすぎないように気をつけたいです。
余談ですが、通し稽古の会場までは俳優二人と駅に集合後バスで向かったのですが、とても晴れていたこともあって遠足している気持ちになりました。本番が終われば解散してしまう座組だということを踏まえても、初めて稽古場外で3人で色々話したりして、私は演劇のこういう時間が好きだなと思いました。
本番が近くなると、どんな座組も家族みたいに感じられます。本当に豊かなことだと思います。


演出をやっていると、『俳優に伝えるべきかないべきか』という物事に出逢います。登場人物の心情とかシーンの意味とか、そういうところ以外の、演出としてこれを書いた意図とか背景とか、所謂メタ的なところまで伝えるかどうか。
私自身は、俳優として作品に参加する際はヒントになるならミクロとマクロの視点どちらも言ってもらってOKと思うタイプですが、俳優によってはそうではないし、ひいては演劇として「観客からどう見えるか、理解されるか」という視点が忌まれる場合もあります。
なるべく俳優のタイプ、やり方を見極めて言葉を選んでいきたいですが、「言ってくれればすっきりしたのに!」とか「それがあったらだいぶ違かった」ということもあるので、迷います。一度言ってしまった言葉は戻せないので、発したが最後、ということもあるかもと。
でも、俳優の助けになる可能性が少しでもあるなら、と自分の戯曲に関するルーツや、改めてこだわりやどういうことをやりたいか、ということを拙い言葉でしどろもどろに伝えたのですが、俳優二人とも真剣に聞いてくれてありがたかったです。
その言葉のおかげというわけではないけども、ここ2、3日の稽古で作品がぐっと完成(完成は永遠にしないんだけど、完成、という言葉が近い気がしたので)に近づいた気がしました。もちろん俳優たちの力が大きいけれども、自分の実感として、諦めずにじっくり伝えること、伝えたことをこうして俳優がしっかり返してくれるんだなと思ったので、今後も心がけていこう、と思いました。
だんだんみんな、距離がほぐれてきて私自身もリラックスして過ごせるようになってきて嬉しいです。俳優二人もおそらくそうだと思うのですが。
ふとしたところで笑いがたくさんあるので嬉しいです。大抵私がワハハと笑っているだけなんですが。

最初に私の頭の中だけにあった頃とはどんどん変化していってて、それがすごくいいことだなと思います。何より今、早くいろんな人に観て欲しい、と思える劇になっていることがとても嬉しい。
どうぞ、初日まで皆さん健康でいましょう。

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