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【ガンバ大阪】仕方がないので「青黒キャッチコピー2021」を考えてみた

パナスタの選手紹介時に使われるキャッチコピーが公募されています。

仮にもこの分野のプロフェッショナルとして生きている身からすれば、絶対に上りたくない土俵である。勝って当然、負けたら何を言われるか。天皇杯で大学生と対戦するあの気分。

確か昨年も募集していた記憶があるのだが、静かにスルーを決めていたのはそんな理由があったから。ただ、せっかくハシスポもあることなのでちょっと考えてみようじゃないかという気持ちが芽生えてきた。
あくまでこれは応募ではなく「オレならこんなんにする」というだけのもの。今のキャッチコピーがどんなのかも把握していないし、なおかつ募集していない選手のものも数多く含まれているので、そのへんはやいやい言わずに見守っていただきたい。

そしてもしお気に召したものがあったら投げ銭チャリーンをよろしくお願いしますw

■ 前提として、あのキャッチコピーは誰に何を伝えるものか

いきなりめんどくさい話をする。

「キャッチコピーを考えよう!」という課題に向き合う時、最初にすべきは「うーん、何にしようかなあ」と腕組みをしながら口を尖らせて鼻との間に鉛筆を挟むのではなく、「誰に何を伝えるものか?」を整理すること。この目的が共有されない限り、作品の良し悪しは決められず、単なる「好き嫌い」でしか論じることができなくなる。もっとも今回の場合はそれでもいいんですけど。

誰に何を伝えるキャッチコピーなのか。

来場した他サポに「うちの選手はこんなんです!」と教えるものか、それとも初めてスタジアムに来たお客さんにガンバ大阪の選手の特徴を知ってもらうためのものか。

どちらも不正解ではないが、正解でもないと思う。

あくまで個人的な見解だが、あれはガンバ大阪のサポーター達が選手に向けて「我々はあなたをこう見ている、こうなってほしいと思っている」というメッセージを発信する場ではないかと。公募という形が取られているのならなおさらだ。
先日、昌子源が「ゼロの衝撃」について感想を語っている動画を見たが、そう選手たちもちゃんと見ているのである。だから受け手が「どういう意味?」と疑問を抱くようではキャッチコピーとして成立していないと思うわけ。

今回、自分なりに考えたものはそれぞれの選手に対する想いを託したもので、なおかつキャッチコピーを聞いただけでも「この選手かな?」とだいたいの察しがつくような内容になるよう心がけた。

■ #1 東口順昭

『日本最強の鬼神』

<解説>昨季、再三の神セーブでガンバ大阪のゴールマウスを守り続けた東口順昭。残念ながらJリーグのベストイレブンには選出されなかったが、ヒガシこそ日本最強のゴールキーパーであるということはガンバサポ共通の認識だと断言していい。ヒガシこそナンバーワンだ。
もう一つ、彼を讃えたいのは「気の強さ」。おとなしい選手が多い今の我が軍の中で、審判に食ってかかったり、相手選手と小競り合いを見せたりと「熱さ」を最も感じさせてくれるのも東口だ。もちろんそれが良いことばかりでもないが、勝負に対する執着心を前面に押し出すスタイルでこれからもチームを鼓舞し続けてほしい。

どうしよう、すでにだいぶ恥ずかしいけど続ける。

■ #27 高尾瑠

『青黒流忍者』

<解説>高尾瑠は忍者である。物静かな立ち居振る舞い、朴訥とした風貌。言葉を選ばずに言えば「地味」なオーラは、プロスポーツの世界では異質に映るほど。
しかしひとたびボールを握ると、しなやかな動きで攻撃に馳せ参じる。最終ラインからの相手プレスを剥がしながらのドリブルも、タイミングのいい飛び出しも、今やチームの大きな武器に。派手さはないが、気がつけばビッグチャンスを演出する。それが青黒流忍者の流儀。
昨季は待望のJ1初ゴールを達成したが、今シーズンもひっそりと任務遂行の時を狙い続ける。

■ #3 昌子源

『頂点への伝導師』

<解説>センターバックとしてのプレーはもちろん、あの鹿島アントラーズで学んだ「王者としての在り方」をガンバ大阪に落とし込むこと。それが昌子源に託したい最大のミッションである。それができるのは彼しかいない。
その発信力・影響力をさらに高めるためにも、今季はピッチでの存在感もさらに増していかなければならない。右足の負傷との戦いも続くだろうが、あらゆる面でガンバがもう一度、頂点に立つためにフル回転してほしい。

これ絶対「ゼロの衝撃」よりはええやろ。

■ #5 三浦弦太

『吼えろ優等生』

<解説>東口とは対象的に、三浦弦太が相手選手や審判と口論になっているような場面は殆ど見たことがない。そのフェアプレー精神はすばらしいものだが、一方で主将としては少し物足りなく映ることも。特にチームの調子が良くない時期には「雰囲気を変えるために演技でもええからガーッと行かんかい!」とじれったく感じる。
グイグイ引っ張るのではなく、協調性を大事にするのは現代のリーダー像としては一つの理想形。しかし彼がキャラチェンすることで、よりよい方向に進めそうな気がするのは僕だけだろうか。それに普段おとなしい人ほど、怒った時は恐いからね。警告覚悟で相手選手にガツンとぶちかます、そんな三浦をたまには見たいぞ。たまにでいいから。

■ #4 藤春廣輝

『左の風は止まらない』

<解説>キャッチコピーは体言止めと誰が決めた?
藤春廣輝も入団10年目を迎え、すっかりベテランと呼ばれる年齢に差し掛かった。相変わらずプレースタイルはシンプルで引き出しも増えず、苦手なことだらけで時に致命的なミスも犯すが、それでも数々の監督は彼を主力として使い続けてきた。
今季もきっと「藤春よ..」と頭を抱えたくなるシーンに出くわすことだろう。それでも不死身の体力で左サイドを上下動し続け、ドンピシャのクロスで得点を演出するたびに思うはずだ、「これだから藤春はやめられんな」と。

最初に思いついたのは「やめられない、止まらない」でした。青黒のかっぱえびせん。

■ #21 井手口陽介

『Mr.インフィニティ』

<解説>井手口陽介を表現する上で「無限」ほど相応しい言葉はないだろう。90分間、姿勢すら乱すことなくフルに走り続けるスタミナ。ポジションの概念を飛び越えたプレー範囲の広さ。ボックストゥボックスで存在感を発揮する彼がピッチにいるかどうかで、チームの活力はまるで違うということを思い知る昨シーズンだった。
ポジショナルプレー全盛の現代サッカーにおいて、その縦横無尽っぷりは必ずしも長所でもないのかもしれないが、それすら超越した無限の魅力を秘めているのが井手口なんだと思う。

■ #29 山本悠樹

『貫けユウキスタイル』

<解説>山本悠樹を語る上で必ずついて回るのが「遠藤保仁の後継者」という称号。昨季加入したばかりのルーキーが、長年の課題であった「ヤットの後どうすんの問題」に解決の糸口を示したのは、もはや偉大としか言いようがない。
しかし彼は彼自身のスタイルを貫くべきだ。かつて我々を魅了した、敵も味方も欺く脱力系「ヤットスタイル」とは異なるユウキスタイルで、パナスタを染め上げていってほしい。
とはいえ、日本代表でも歴代最多キャップを誇るほどのレジェ遠藤さんと比べて、現時点で遜色ないパフォーマンスを見せているかは別の話。着実に成長していくであろう姿を見守るのも、今のガンバ大阪の醍醐味である。

■ #10 倉田秋

『円熟の青き華』

<解説>遠藤さんがいなくなったことで、フィールドプレイヤーの中では藤春と並び日本人最年長となった倉田秋。あの倉田が、である。これほど感慨深いことがあるだろうか。
セレッソにまで期限付き移籍するなど、紆余曲折を経てキャリアを築き上げてきた。ようやく主力を担えるようになった直後にはJ2降格も経験。苦労と年齢を重ねるごとに、華麗なテクニック以上に献身的なプレーが板についてきた。今や倉田といえば、誰よりも泥まみれ汗まみれになって戦えるファイター。あのチャラチャラした青年が残した成長の跡を見守れたのはサポーター冥利に尽きるのでは。
とはいえ、脚元のスキルもまだまだ健在。巧みなボール捌きと目の覚めるようなゴラッソを今季も楽しみにしたい。

青とか黒とかはあまり使いたくなかった。

■ #18 パトリック

『努力のゲレイロ』

<解説>パトリックは努力の人である。脚元のテクニックが苦手でも戦う術を追求し続け、大ケガに見舞われてもたゆまぬ努力で復活。そして日本語の勉強にも熱心に取り組み、今やインタビューも通訳なしで受け答えできるほどに。
そんな彼だからこそ、30歳を超えた今も衰えるどころか進化を遂げているのだろう。昨季の後半は得点源として、そして守備の先鋒として大活躍。パトリックのおかげでどれだけ勝点を積み重ねられたか。
今季は同じ長身ストライカーのレアンドロ・ペレイラが加入。競争か、共存か。ポジション争いの行方はまだまだわからないが、「努力の戦士」パトリックならどんな形でも最大限の貢献をしてくれるはずだ。

ポルトガル語で「Esforço Guerreiro」(努力の戦士)と表現してもよかったんだけど、パトリックなら敬意を込めて日本語で書くべきよね。

■ #39 宇佐美貴史

『ガンバの皇帝』

<解説>長年ガンバ大阪のアイコンでもあり続けた遠藤さんがいなくなった今、我々はひとつの難題に直面している。周りの人から「ガンバって誰がいるん?」と聞かれたときの最適解を失ったからだ。
そこで自信を持って「宇佐美貴史」と答えられる輝きを放ってほしい。残念ながら昨季は低調なシーズンに終わったが、随所にさすがと思わせるプレーも見せてくれた。まだまだやれるに決まってる。
天才や至宝と呼ばれた時代には区切りをつけて、末永くガンバ大阪の象徴・皇帝と呼ばせてほしい。

■ まとめ-選手に届くからこそ

かつてスタジアムに通い始めた当時は「マスターオブガンバ」や「万博のファンタジスタ」が新鮮に映り、新加入選手のキャッチコピーを楽しみにしている時期もあった。ただ最近は苦し紛れに作られた「青黒の◯◯」や、無駄に重厚な単語や謎の横文字が飛び交うばかり。まあ選手の特徴もよくわからないながらに考えられたもんだからそうなるよね。

ただ、前述の通り選手にはしっかりと届いているという事実を真摯に受け止めてほしい。そのへんを踏まえて皆さんにはメッセージ性のあるナイスキャッチコピーを送ってもらえるとうれしいですね(丸投げ

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