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【ガンバ大阪】大外から宇佐美貴史!!/J1第18節:鳥栖戦◯1-0

戦力不足が懸念され、開幕前には降格候補に名を連ねていた鳥栖。ところがフタを開けてみれば絶好調で、この試合を迎えるまで5勝2敗2分で4位と好発進。中でもホームでは無失点という守備の堅さは特筆に値するもので、それゆえガンバ大阪の初得点チャレンジもまた厳しい結果に終わるのではないかと懸念していた。

スタメンの顔ぶれも苦境を物語っていたように思う。好パフォーマンスを見せていたセジョンと復調を待ちたいペレイラがメンバー外。ボランチにはこれまでベンチ入りすらしていなかった奥野がいきなりスタメンで起用されるなど、今ひとつ基準のわからない人選は批判するつもりもない一方で理解を示すこともできなかった。

□ 2021年4月14日:J1第18節
サガン鳥栖0-1ガンバ大阪

ところがどっこい。ついに待望の初得点、そして初勝利である。リーグ戦開幕から428分も続いていた沈黙を破ったのは宇佐美貴史。ゴール前、角度のないところから右足を振り抜くと、ボールは勢い良くサイドネットに突き刺さった。

■ ゴールの瞬間、そのDFは膝から崩れ落ちた

起点は、どうってことのないロングボールから。小野瀬からのキックを宇佐美が競り、前に擦らしたところを今度がパトリックがエアバトル。ボールに触れたのは対峙していた中野伸哉だったが、味方へのパスがズレてこぼれ球を奥野が回収。すぐさまワンタッチで左サイドの福田に展開すると、逆サイドへグラウンダー気味のクロス。そこに走り込んできた宇佐美が、ピタピタのトラップから落ち着いてフィニッシュ。ゴール前の密集に飛び込まず、マークの薄くなる大外を選んだポジショニングの勝利。

ゴールの瞬間、膝から崩れ落ちたのは先ほどヘディングでのパスがズレた中野伸哉。難しい局面だったとはいえ、自らのミスが失点に直結するほどDFとして悔しいものはない。今季ホーム初失点としては痛恨の形だっただろうし、ガンバとしては、ほんの少しの綻びを逃さなかったことに価値がある。

■ 堂々と守り切れたのも収穫

もうひとつポジティブに捉えたい点は、先制した後の試合運び。苦しみ抜いた先に1点を挙げた後は、つい大事に守ろうとしてしまいがち。それゆえ相手の猛攻にさらされ、耐えきれずに追いつかれてしまうという悲しい結末をここ数年で何度も見てきた。
しかしこの試合では実に堂々とした試合の締め方をしてくれた。敵陣で時間を進めることもできていたし、相手のクロスも深くまでは侵入を許すことなく跳ね返し続けた。
もちろん全員の頑張りによる完封ではあるが、パトリックの奮闘ぶりが特に忘れられない。前半から、まるで攻め手がない中でも収まりどころとして身体を張り続けたし、献身的なプレスバックも全く厭わない。後半ATの猛スプリントなんて見てるだけで涙が出そうになった。何なら宇佐美のゴールより感動した。今度はパトリックのゴールを。

■ これで勢いに乗っていける..とは思わない

とはいえそう簡単じゃないですよね、これで勢いに乗っていけるとは思えない。この試合も決定機ほとんど作れてなかったし、柱となる形もまだ見えてはこない。
前回の記事でも書いた通り、18日の清水戦・22日の名古屋戦あたりまでは変わらずジリジリとした試合になるんじゃないでしょうか。幸い粘り強く戦えてはいるので、苦しみながらも勝点を拾っていきたいもんです。

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