見出し画像

【野球】あなたも私も大好きな高校野球の吹奏楽名曲ベストナイン

高校野球のブラスバンドが大好きだ。

応援団の願いを乗せた力強く軽快なメロディは、間違いなく甲子園の「もうひとつの華」。伝統校・強豪校にはそれぞれ定番の曲も根付いており、もはやそれを聞くことを目的として球場に足を運んだ経験も数知れず。

しかし残念なことに、今春のセンバツでは吹奏楽の生演奏はNG。代わりに録音した音源を流すことになるらしい。仕方がないこととはいえ、何て味気ない話だ。
大会そのものが中止になってしまった昨年に比べれば、試合が行われるだけでもありがたい。些細なことで文句を言ってられる場合じゃない。とはいえ、本来ならば満員の観衆の前でワーワーキャーキャー言われながら野球がしたかったのが正直なところだろう。それは我々ファンとて同じ思いだ。

あの雰囲気の中で戦えてこそ「甲子園」である。

ならばせめて、過去の思い出に浸りながら大好きな名曲たちの話をしようではないかというのが本日の趣旨。これまで20年以上、高校野球を見てきて特に魂を揺さぶってくれた曲を、野球にちなんで9曲選出した。順不同で紹介していくので早速いくぞ。

■ アフリカンシンフォニー

アフリカンシンフォニーは高校野球ブラバン界の核弾頭である。「1回の表..智弁和歌山高校の攻撃は..」のアナウンスが終わると同時に、金管楽器の音色が高らかに鳴り響く瞬間はもう鳥肌ものである。これから戦いに赴く戦士たちの背中を押すような勇猛なメロディは、聞く者の心を奮い立たせてくれる。
もちろん智弁和歌山以外にも多くの学校が使用しているテーマ。どこの演奏が上手とかいう話はしないが、1ターン終了時に「オオー! オオー! オオ! オオ! オオ!」で途切れてしまうのはカッコよろしくない(伝われ やはり智弁和歌山のようにエンドレスで流れ続けるのが至高。

■ レッツゴー習志野

公式動画って何だよ(賛辞 
技が智弁和歌山なら力は習志野。いや、力がちb..どっちでもいいか。聞く者を圧倒する比類なき「美爆音」は衝撃的というしかない。
中でも独特のメロディとリズム感を刻む「レッツゴー習志野」は他の誰にも真似のできないもの。確か初めて聞いたのは02年の夏だった記憶があるが、「何これカッコええー!!」と感動すら覚えたもの。
09年くらいに念願の現地ライブ参戦が叶った。激戦区の千葉県を勝ち抜いて、定期的に甲子園に来てくれているのもありがたい。

■ You are スラッガー

近年の高校野球界において「王者」として君臨する大阪桐蔭。その応援団も歴史を重ねるごとに風格のようなものが漂い始めている。
中でも、その年の「主砲」が打席に立った際に流れる「You are スラッガー」の威圧感は尋常なものではない。通称「やべー奴のテーマ」。試合終盤、塁上に走者がにぎわったシチュエーションでこれ流れてきたら確実に打たれる気しかせん。近田拓矢や正隨優弥ら「ザ・右の大砲」にお似合いな雰囲気だが、シュッとしたフォルムの藤原恭大のバックに流れているのもカッコよかった。

■ ジョックロック

甲子園のブラバンの魅力に取り憑かれたキッカケが、このジョックロックだった。初めて聞いたのは確か99年くらいだったが、決定的な出来事となったのが00年夏の智弁和歌山×柳川の「伝説の一戦」を現地観戦したこと。あの山野純平の同点3ランは間違いなくこの「魔曲」によって生まれたものだと断言したくなるほど、球場の空気を変える力を持っていた。
近年はテレビやスポーツ紙、はたまたSNSでも「魔曲!魔曲! キャッキャ」と過剰に持て囃され、ちょっとゲンナリすることも増えたのだが、それでも思い入れは格別。これからも未来永劫、受け継がれていってほしい名曲である。
余談ながら、終盤のヤマ場で流れるのはもちろんのこと、大量ビハインドの最終回に奇跡を信じて流れる「やけくそジョックロック」も趣があって良い。

■ 怪しいボレロ

京都の高校野球といえばHEIAN。そしてHEIANといえば「ボレロ」である。いかにも怪しい雰囲気が立ち込めてくる不気味なメロディだが、聞くところによると相手投手の心理を乱す作用を計算して、こういう作りになっているんだとか..味方の選手を鼓舞するのではなく相手を陥れようという発想が、いかにも京都らしいと言われてしまいそうだw

■ 駒苫チャンス

2004年の初優勝、翌年の夏連覇、さらに3連覇を目指しての早実との激闘と、2000年代中盤の高校野球を席巻したのは間違いなく駒大苫小牧旋風だった。その主役を担ったのが田中将大であったことは事実だが、もうひとつの大きな武器となっていたのが強力打線。一度つながりだしたら止まらない勢いで、シーソーゲームを次々とモノにしていった。
その点火役を務めていたのがこの「駒苫チャンス」。涌井秀章や福井優也、さらには辻内崇伸といった好投手さえも攻略していった、破壊力抜群の一曲である。
唯一、斎藤佑樹という伝説の男だけは最後まで打ち崩せなかったが..

■ コパカバーナ

何なら智弁和歌山の楽曲は全部好きだ。エルクンバンチェロとかも選びたい気持ちをぐっとこらえて。
曲名も何もわからない状況で、たまたまバニー・マニロウの原曲を耳にしたときはテンション上がりましたね。「これ! 智弁和歌山の!!」って。

■ 広陵サウスポー

アルプスの定番サウスポー。その中でもとびきりの異彩を放っているのが広陵のそれ。前奏が流れ出した瞬間から「きた..きた..!」という気分にさせてくれるカッコよさ。そして野球部員たちの声で押し切るその暑苦しいスタイル。真っ赤なでっかいメガホンがうねうねと狂ったようにうごめくのもカッコよろしい。

「今だーチャンスだかっとばせー」
「広陵ー@#&☆→?♪!*-@##&#」
「燃えろー燃えろー広陵」

途中で何を言ってるかさっぱりわからんところも含めて好き。

ちなみに広陵といえば西村健太朗・白濱裕太のバッテリーとリードオフマン上本博紀が真っ先に思い出される世代です。

■ 横浜のアレ

横浜の応援は攻撃してる間ずっと途切れることなく、メドレー形式で続いているイメージ。うっかりビッグイニングなんて作った時にゃいつまでもお祭り騒ぎ状態。
曲のつながる順番なんて覚えてないけど、口ずさんでいれば勝手に次の曲が出てくる程度には脳内に強くインプットされている。それが伝統の力というもの。



こうして振り返るとますます、生演奏の吹奏楽が聞かれない春が惜しまれる気持ちが強くなってきた。今年の夏もまだ厳しいか..来年こそは、ブラバンと球音が春の訪れを告げてくれるものと信じたい。

その時に、高校野球完全復活を高らかに宣言しようではないか。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?