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競馬

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2021年6月の記事一覧

【競馬】先週の2歳戦/疑似ホープフルSとなった「伝説の新馬戦」ほか

レッドベルアームの将来は明るい。POG勢はともかく、出資者の方々おめでとうございます。 本馬場入場時にトラブルが発生するなど、少し落ち着かない雰囲気でレースを迎えたが、この馬は我関せずといった様子。五分のスタートから好位インを確保し、前を射程圏に入れながら流れに乗った。直線半ばで先行集団の外へと持ち出されるとジワジワと加速し、内で粘るアランヴェリテをねじ伏せる形で捕らえきったところがゴール。正直、間に合わないのではとも思ったが、勝ち切れるところがこの馬の素質。 <ラップタイ

【競馬】「強さ」とは何か。クロノジェネシスの連覇が語るもの/宝塚記念振り返り

レースでの力比べに勝つことが「強さ」なら、常に安定したコンディションを保ち続けることもまた「強さ」と呼ぶべきかもしれない。宝塚記念連覇を果たしたクロノジェネシスの圧倒的なパフォーマンスを目の当たりにし、そんなことを考えさせられた。 初の海外遠征帰りで鞍上もルメールとはいえ初めての騎乗。もしかしたら思わぬ結末が待っているのでは..と心配していたが、そんなものはドコフクカゼである。いつも通りの末脚で、他馬を圧倒してみせた。 ひとつだけ「いつも通り」と異なったのはポジショニング

【競馬】春のグランプリを上回る熱量で/6月27日(日)の見どころ:宝塚記念・新馬戦ほか

宝塚記念というのは年によってメンバー構成が大きく異なる印象がある。「春のグランプリ」の名に相応しい豪華な顔ぶれになることもあれば、夏の入り口に有力馬が無理をしないことで手薄なメンバーになることもしばしば。近年でいえば、マリアライトが勝った16年なんかはドゥラメンテやキタサンブラックも参戦し盛り上がったが、今年は間違いなく後者の方といえる。 連覇を目指すクロノジェネシスこそ健在だが、三冠馬コントレイルは大阪杯の疲れが抜けずに回避。同期の三冠牝馬デアリングタクトも香港遠征後に故

【競馬】朝イチから幕を開ける名牝への道/6月26日(土)の見どころ:東京1Rほか

明日は朝イチからぐりちゃ待機しなければならない。お目当てはもちろん東京1Rのレディナビゲーター。3週間前の新馬戦はクレイドルの2着に敗れたが、直線の伸び脚は際立っており素質の片鱗は十分に見せつけた。調整過程も超ソフトで、レースも序盤は後方から。あれ大丈夫..?と心配したのも束の間の末脚。さすが育成段階から評価が高かっただけのことはある。 相変わらず今週もポリ追いでふんわり仕上げだが、一度レースを使われたことでスイッチも入ったことだろう。何より中2週で使ってきたことで、早めの勝

【競馬】キタサンブラックですら「絶対」ではなかった..果たしてクロノジェネシスは/宝塚記念みどころ

「競馬に『絶対』はない」という名言は、どれだけ使い古されても色褪せることがない。なぜなら度々その重みを再認識させられるからだ。 宝塚記念で思い出すのは17年のキタサンブラック。5歳春シーズンは大阪杯→天皇賞を連勝。中でも宿敵サトノダイヤモンドをねじ伏せた天皇賞は圧倒的な強さを感じさせる内容で、続く宝塚記念でもこの馬が敗れるシーンなど全く想像がつかないほどだった。 ところが、最後の直線でいつもなら前を捕らえにかかるところで失速。単勝1.4倍の圧倒的人気に支持された主役が馬群に沈

【競馬】「伝説の新馬戦」も霞む? フィデルが来週デビューに向け抜群の動き

先日から何度も取り上げているように、宝塚記念当日の阪神芝1800mに注目が集まっている。ディープインパクト産駒の良血も多数出走予定で、「伝説の新馬戦」とも呼ばれるほど。我がPOG指名馬ではレッドベルアーム・ダノンフォーナインがスタンバイ。きょうも最終追い切りの内容が届くのをソワソワしながら待っていたが、そのへんの話はまた週末に。 しかし、それらも霞ませてしまうかもしれない逸材がデビューを控えている。友道康夫厩舎のハーツクライ産駒・フィデルだ。セレクトセールで「ラウンドワン」

【競馬】第1回・種牡馬最強世代ランキング決定戦(前編)

先日ハーツクライの種牡馬引退が発表された。ジャスタウェイやリスグラシューなど、覚醒を遂げた瞬間に超絶的な強さを発揮する成長力が印象的な種牡馬だったし、ワンアンドオンリーやヌーヴォレコルトなど、クラシックの時期にもしっかり間に合わせてくるのも優秀だった。同期にキングカメハメハやダイワメジャー、さらにはブラックタイドと名種牡馬を輩出した04年クラシック世代は偉大である。 そこでふと気になったのが、「種牡馬としての最強世代はいつなのか?」という疑問。現役時代のキャリアを比較しての

【競馬】先週の2歳戦/快進撃の予感漂うアライバルほか

まずは何と言ってもアライバルよ。評判通りの内容で土曜東京の芝1600m戦を勝利。全く危なげなかったですね。 気性が勝ったタイプと聞いていたので、テンの行き脚がさほどでなかったのは意外でしたが、それでも少し促されながら好位を確保。折り合いもスムーズで、直線に入ってからは余裕を持って追い出すタイミングを待つだけ。軽く仕掛けられると一瞬で他を突き離して2馬身半差。はい強い。 手綱を取ったルメールが「ディアドラみたい」と同じハービンジャー産駒の名牝を引き合いに出して能力を讃えた通り、

【競馬】その存在感を見せつけろ坂井瑠星、ユニコーンSをスマッシャーで制し今月2つ目の重賞制覇

ユニコーンライオンの鳴尾記念に続き、坂井瑠星がスマッシャーとのコンビでユニコーンSを制覇。6月に入って立て続けに重賞を2勝するなど、サマーシリーズの本格突入を前に猛アピールが続いている。 今季はサウジアラビア~ドバイと長期遠征に出た影響もあり、まだ勝ち数は16勝にとどまっているが、常に世界を視野に入れた精力的な動きはもっと多くの関係者の目に留まってほしいもの。今週も土日で上位人気に支持されるような馬はほとんど任されず、先週に至っては土曜の騎乗馬がゼロという事態にも直面した。

【競馬】迫力不足のユニコーンS・逸材ダノンスコーピオンのデビュー/6月20日(日)の見どころ

ユニコーンSは毎年楽しみにしているレースなんですけど、コレジャナイ感がすごいですね..カフェファラオとかルヴァンスレーヴみたいな、この先ダートG1勝ちますよ的な強キャラがいないのはつまらん。いつもなら馬券購入候補レースのひとつなんですけど、あっけなくROMですね。 ■ ユニコーンS前売り時点で単勝1番人気がラペルースで5倍台。この混戦ぶりはちょっと記憶にないですね..確かにハマれば青竜S大敗からの巻き返しもありえますが、前走でメンタル面の弱さを露呈しただけに過信は禁物。 ケ

【競馬】「ハービンジャー第二波」の威力を見よ/6月19日(土)の見どころ:新馬戦ほか

昨日の更新で取り上げたレッドベルアームのデビュー戦が決まりました。 27日の阪神芝1800mですwww すでに良血馬が多数出走を予定している一戦にわざわざぶつけるあたり、陣営もたぶん自信があるのでしょう。まだこの時期なので焦る必要はありませんが、せっかく使うからには勝って次に進みたいところ。 最終追い切りではどんな動きを見せてくれるか楽しみですね。 そして我がPOG指名馬としてはダノンフォーナインとの2頭出しということに。こちらは今週の追い切りで遅れてしまってちょっと不

【競馬】「令和のダービーハンター」福永祐一がレッドベルアームを絶賛

ジョッキーが名馬と出会うことによって得られる財産は様々だ。ビッグレースの雰囲気を肌で感じられること、実績が認められてまた新たな出会いがもたらされること。そして、「どんな馬がタイトルに相応しいかを知ること」。 18年にワグネリアンで悲願の日本ダービー制覇を成し遂げた福永祐一が、それまで無縁の栄冠だったとは信じられないような勢いで勝ちを重ねられたのも、それらの要素が見事に絡み合ってのことだろう。圧倒的人気馬コントレイルを冷静に勝利へと導けたのは、一度勝った経験が過剰なプレッシャ

【競馬】ダノンスコーピオン、重馬場のCWを馬なりで軽快に駆け抜ける

今週も例によって新馬たちの追い切り時計を巡回していたら、なかなかの衝撃が走った。 <ダノンスコーピオン> 栗CW重 81.0-65.8-51.3-37.1-11.6 (馬なり) サンサルドス(古馬2勝)末一杯の内2.0秒追走0.3秒先着 ひえー、雨で力のいるCWで11.6秒を叩き出すとは。しかも馬なり。これだけの動きが実戦に直結しないというのはちょっと考えづらい。安田隆行厩舎のロードカナロア産駒で、母が米国の重賞勝ち馬レキシールーという血統的な背景も信頼に値するものがある

【競馬】先週の2歳戦/グットディールの誤算ほか

「栗東坂路49.9秒」で話題になっていたグットディールがあっさり負けてしまった。てっきりピヤーっと逃げてそのまま勝つんでしょと思いきや、意外とダッシュが鈍く出ムチまで入れられてしまう始末。どうにか先行集団の一角に取り付くも、直線でもエンジンはかからぬまま。単勝1.5倍の人気に支持されながらも、4着に終わってしまった。 陣営のコメントは読めていないのだが、4角も外に膨れ気味になってしまったように気の若さが露呈してしまった印象。ただ、少なくとも初戦から必勝態勢で臨んだのは間違いな