見出し画像

【2-30】折り返し地点(~565日目)

草をなんとかすること

自分が草刈り機を使うことになるなんて、思ってもみなかった。
というと少し大げさだけど、夏になると雑草がここまで繁殖することを実感として持っていなかった。
いうても、都会の出身というわけでもなく、田畑広がる千葉の田舎で育ったはずなのに、そこまで雑草に対して意識をすることが無かった。

今お借りしている家は道路と庭の境目に生け垣があって、これが本当によく伸びる。
道路に葉っぱがはみ出してしまって、邪魔になる。
春先に一度作業をしているのにぐんぐん伸びてきて、しばらくは見て見ぬふりをしていたけど、さすがに自分が車で通るたびに目について気になるようになったので、いよいよ手を付けることにした。

こざっぱり

年に数回のために、刈り込みようのバリカンを購入するのもな…とケチって、刈り込みばさみを肩の上まで持ち上げて、シュタシュタと刈り込んでいくのだが、数分作業をするだけで、腕がパンパンになる。
刈り込みながらふと、天空の城ラピュタの庭が頭をよぎる。
何年も何年も、人間が手を入れることなく、植物が文明を覆っていく姿。
「綺麗」の概念って何だろうなぁと。

一度では詰めきれず

黙々と作業を続け、サッパリスッキリ。
と同時に、周囲の草を刈り取る。
ここに生えている「ヌスビトハギ」が、本当に困ったやつで。
ありとあらゆるところにくっつきまくる。
ウエットティッシュやマスクのような不織布系のものでこすると取れやすいという技を教わったものの、隠れてあちこちにくっついていて部屋の中にぽろっと落ちていたりする。
ラピュタの庭にも、はびこっているのかしら…。

びっしり
びっしり

ついでにずっと気になっていた作業場の駐車場もスッキリ!
草刈りと草むしりだけでも、かなり重労働。
生やしておいて、そのまま美しい、というわけには、いかんかな。

やる前を撮影しておけばよかった

スズメバチが来た

キイロスズメバチの大軍に辟易としつつも、オオスズメバチがそこまで多くなかったので、今年は大丈夫かしらとタカをくくっていた。

養蜂場に行って巣箱に近づくと、ざわっと嫌な予感。
巣門の下にたくさんのミツバチの亡骸が。

悲しい🐝

見れば、戦いの真っ最中だった。
慌てて煙を焚き、とにもかくにもミツバチ達の戦いに参戦した。
オオスズメバチが数匹、巣門にとりついていて、向かっていくミツバチがぶつかり稽古のように、次々ふっとばされていく。
ボフボフ煙を吹きかけながら、スズメバチを捕獲するが、ミツバチ達は完全に戦闘モードに入っていて、こちらにも向かってくる。
とにかく、巣門にとりついているスズメバチを追い払って、ねずみとりシートに捕獲。
スズメバチだって、生きているんだと分かってはいるけれど、ミツバチを襲ってくるものは、ごめんなさい。

ごめんやで

第二養蜂場は元々スズメバチが多かったので、ネットを張り巡らしておいたのだけど、第一養蜂場はそこまで多くなかったので、今年はトラップだけでいいかな~と思って油断したのがいけなかった。
しばらくは、この状態が続くんだよな…。少し気が重くなる。

コレで少しはマシになるか

ダニ対策

スズメバチに攻撃されるのは、誰から見てもわかりやすく攻撃も派手。
大量に殺されてしまうので、困ったものではあるけれど、実は対策がしやすい敵でもある。

実はそれよりも困っているのがダニ。
ミツバチにとりついて寄生して、巣房に入り込み卵を産み、ぐんぐん増え続ける。
様々なダニ対策があるけれど、日本で認可されている方法は、それほど多くない。2010年ごろから急速に広がった被害で、養蜂家さんたちの目下の悩みは実はダニだと思われる。

夏を越えて、少し気温が落ち着いてきて、冬越しに向けて産卵が活発になって、ここから群れがグンと増えてほしいところなのだが、いくつかの群れは明らかにダニの被害を受けまくって、群れの数が増えていかない。
去年もこれで群れが増え切らずに冬越しは失敗だった。
今年は今年で、できる対策を取っているつもりだけど、それだけでは防ぎきれなかった。

採蜜する時期以外は、思い切った対策をするしかないのだろうか。
ううむ…。どうしたものか…。

折り返し地点

地域おこし協力隊に応募を決めたのが、一昨年の9月。
この町に初めて足を踏み入れてから、あっという間に2年が過ぎた。
地域おこし協力隊の任期は、1年更新で3年間。
着任してから、今月で一年半。任期も折り返し地点を迎えた。
学生時代は、卒業があるから我慢できることがたくさんあった。
我慢することが正解かどうかはわからないけど、少なくとも目の前のことから逃げ出さないためには必要だったし、裏を返せばそれは常に逃げ出そうとしていたという事なのかもしれない。

今は、この制度を利用して養蜂で生計を立てていける力をつけたいと思っている。ここまで任期の半分を過ごしてみて、とにかく時間が足りない。
というのも、毎日をいっぱいいっぱいで過ごしているわけではなくて、時間に余裕がないわけではなくて、養蜂や農業をやってみると、その季節にできることが限られていることを、ひしひしと感じているから。

来年に向けて、土作り

どんなに目標を立てても、これを実践できるのは来年。
極端に言えば、3年間で3回しか経験できないのだ。
折り返しどころか、残り1回だけしかない。
正直、卒業までのカウントダウンは、生活していけるかどうかのカウントダウンのようで、なんだか命を削られていくような怖さもあったりする。

とかなんとか、ぐるぐる考えていたら、元協力隊で町内に残って暮らしている方々が、ふらりと訪ねてきてくれた。
卒業後の暮らしとか、どんなもんかしらなどと話していると、彼らは在任中から個人事業主として生活していく方法を理解して行動していて、その辺がなんとも私の中で足りない部分なんだよな~と思ったり。

サラリーマンも色々で人によるとは思うけど、私の場合、会社勤めだと税金とか保険とか、会社が全部やってくれていて、自分の収入や所得に対してはかなり鈍感で把握できていなかった。
手元に振り込まれる給料をどう使うかは考えるけど、毎月何とか暮らせていれば、まあいっかといった程度。
今この国で暮らしていく以上、お金の知識をちゃんと持っていないとあかんですね。
それか、全部他の人にお任せできるぐらいの稼ぎを得るか。
むーん。
時間に縛られずに、何にも所属せずに、自力で生きていきたいと思って、今の生き方を選択したんだけど、そのためには学ばねばならぬことが山盛りで、むーん。

十五夜ムーン

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?