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【2-2】養蜂体験を通じて~説明できること~(329~333日目)

寒い冬をなんとか乗り越えて、周囲の景色も春めいてきた。
啓蟄とはよく言ったもので、今週も「ミツバチを見てみたい!」と言ってくれる友人が秩父まで来てくれることになった。
移住して最初のころは、遊びに来てくれる友人に対して覚えたての秩父を伝えたい一心で、あちこち連れまわしまくり、秩父情報を一方的にしゃべり倒した結果「情報量が多すぎて、何も覚えていない…」という悲しい感想を頂戴していた。

去年遊びに来てくれた友人たちのリピート率の低さは、私のアテンドがイマイチだったせいもあったりするのではないかと、少し反省。
今回の旅の第一目的は「ミツバチ見学」だという。
こちらが見てほしいものを見てもらうというよりも、相手が過ごしたい過ごし方を提供しよう。そうしよう。

はじめてミツバチの巣箱を見たとき

というわけで、今後養蜂体験を企画することも含めて、はじめて体験する人の感想を聞かせてもらうことにした。
「はじめて」は一度しか経験できないことで、物凄く貴重。
私の場合は「養蜂をやるんだ」という気持ちだけが固まっていて「苦手かもしれない、怖いかもしれない、できないかもしれない」とは不思議と思わなかった。事前に本を読んだり動画を見たりして、イメージトレーニングだけは積み重ねていたけど「早く実物を見たい」としか思わなかった。
トライポフォビアを自認している自分が、ミツバチだけは平気なのがなぜなのか、そのあたりの心理にも興味があるところではあるが…。

正直、綺麗な部分ばかりではない。
苦手な人からしてみれば、虫の集合体である。
蜂に刺されたことがある人からしてみれば、周りを飛び回る羽音に恐怖心を抱くこともあるだろう。

嬉しい景色ではあるけども

どこまで何を見てもらい、何をしてもらうのか。
ある程度、説明して内容がわかってから見てもらった方が楽しいのか、それとも余計な説明は省いて体験してもらいながら、説明する方がいいのか。
「鉄腕ダッシュ」や「所さんの目がテン」で飼育しているのは日本ミツバチなので、穏やかで刺される心配もセイヨウミツバチに比べると格段に低い。
巣箱の構造も違う。
セイヨウミツバチで養蜂体験をして、ミツバチが怖くなったり、嫌いになってしまうのは本末転倒。
だからと言って、綺麗な部分だけ見てもらうのは、なんだか違う気がする。

通販販売用の写真

私は見学用に巣箱を作ることはしていないので、今回は私が普段やっている作業のコンパクト版みたいな感じで、近くで見てもらいながら、巣枠を持ってもらったり、ミツバチの動きを観察してもらったりした。
まだまだミツバチの少ない季節だけど、周りを飛び交うミツバチの中に身を置いて、すこし怖い思いをさせてしまったかもしれない。
それでも、だんだん慣れてきて、一匹ずつミツバチの動きを見たり、働いているミツバチ達を観察していく楽しさを感じてもらえたみたいで、こういう事を地道に続けていこうと思えた。

畑の春

去年、周囲の草をできる限り抜き去り畑を耕した。
ところが夏には、行くのが怖くなるくらい草が生い茂り、自然の力にかなわないことを思い知ったりした。
よく言えば根に持たない、悪く言うと忘れっぽいので、最近畑に行って草が生えてきているのを見ても、
「あら~、茶色かったところが緑になってきて、いいわ~」
とお気楽モード。
ハーブたちに新芽が出てきているのも、嬉しさしかない。

養蜂体験と同時に、自分のハーブたちを紹介して回ったりして、その都度畑に座り込んで草をいじったりするもんだから、写真を撮影するのをすっかり忘れてしまったりして。
記録撮影って、自分ともう一人他の人にやってもらわないと、ダメね(汗)

なので今回は写真少なめ。

アスパラガス
死んだと思ってたミツバ

はちみつ屋こっちの進捗状況

まだ今年の蜜が採れるかもわからない状況だけど、採れてからでは間に合わないので、多方面に相談を持ち掛ける。
7月のお中元の季節に間に合うように、早い春の蜂蜜とゆっくり目の蜂蜜の2本をギフトボックスみたいなセットにして販売してみたいな~と思っている(すぐに手の内を明かす汗)
なんとか間に合えばいいな。できるかな~。
できなかったら、また来年。

イメージ図

人に説明できること

移住して養蜂を始めてから、
「自分の身の丈に合ったこと、自分の手に負えること」
広げた風呂敷を自分で回収できる範囲、ということを常に意識している。
自分で自分を認められるようになりたくて、他者にそれを期待しないで生きていたいということ。
「他人に認められる」ということが目的になってしまうと、自分だけで目的を達成することなんて、不可能になってしまう。
そういうことを意識し始めてから、自分一人でできることの少なさを痛烈に感じてもいて、周りの人の協力があったからこそ、鼻の穴膨らませて偉そうなことも言えていたんだと思う。

本当にありがたいことに、こちらに引っ越してきてから知り合った人をはじめとして、学生時代の友人や、今までに不義理を働いてきた会社で知り合った人たちが、今でも気にかけてくれていて色々な相談に乗ってくれる。

生活の中の事だけじゃなくて、実務的な部分で助けてもらっていることも多い。
今までは、自分がやっている作業を共有している人がいて、おおよそ何が言いたいのかをくみ取ってもらっていたように思う。
今の生活になって、自分がやっていることの説明ができるのが自分だけという状況に置かれて、初めて気が付いたこと。
私の説明は、とにかくわかりにくいらしい。
「話をするのは得意よ」と自認していたつもりもないけど、どこかで苦手だとは思っていなかったであろう、自分の頬をひっぱたいて目を覚まさせてやりたいくらい。

自分の考えていることや実現したいことを、人に伝わるように説明できること。最大の課題。

むううう
ぽんっ
枝を切ってプレゼント。素敵に飾ってもらって嬉しい。


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