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【2-29】四季を感じる暮らし(~558日目)

秋の気配は美味しい気配

朝も昼も夜も「暑い」しか言っていなかったはずなのに、足元に丸まっている薄いタオルケットをズルズルと引っ張り上げながら目を覚ます。
密閉性の高い建物と違って、外の気温の変化を感じやすい住まいなので、秩父盆地特有の寒暖差というものを身をもって感じることができる。
ビルの中で過ごしていた時と違って、外で過ごすことが増えて「快適に過ごせる温度」の幅も以前より広がってきたように思う。

私は秋が好きだ。
とにかく暑いのが苦手なので、すっと吹き抜けていく風で秋の気配を感じられると心底ほっとする。
なにより、秋になると美味しいものがたくさんある。

ぶどうぶどうぶどう

自分の畑のさつまいもの収穫を楽しみに待ちながら、近所でお世話になっている方の畑を覗きに行く。
「食べる分、掘って持っていきな!」というお言葉に甘えて、立派に育ったさつまいもを掘らせてもらう。

さつまいもじゃー!

本当はしばらく置いて寝かせた方が甘味も出てくるとわかっちゃいても待てない。
早速干し芋を作る。
干し芋を作るのに適した季節じゃないことも重々承知しているけど、すぐに食べきれる量だけ。
干し芋の作り方も色々あって、茹でたり蒸したり。切り方も様々。
冬の間にベストな作り方を模索するのは宿題として、取り急ぎ掘り起こした時に傷を入れてしまったやつを、棒状にする。茹でると形が崩れるので、蒸し器でふかす。

ネット、超便利

綿半小鹿野店のインスタグラムで発見して購入しておいた干し網の出番。
なにげなく見ていると、常に私の干し芋の欲求もとい、欲しいもの欲求が刺激される絶妙な商品を紹介してくるのだ。
干し網を発見したその日から、干し芋を作るのを心待ちにしていたんだから、サツマイモを手に入れて、おとなしく待てるわけがない。

作業のお供に干し芋を。
干し芋というより、少し乾いたふかし芋なのはご愛敬。

この柔らかいのが好き

みつばちの大地

今から一年ほど前。
養蜂を始めてから紹介されて「みつばちの大地」という映画を見た。
世界各地の養蜂家やミツバチを丁寧に取材して、ミツバチの生態だけではなく、世界中で起きている養蜂とそれにまつわる実態を明らかにしている。
そこにいるすべての人には、そうする理由がある。
自分の中にある「正しさ」も、それは今の自分にとっての「正しさ」で、他の人にとって「正しい」とは言い切れない。

この映画が公開されたのは、2012年。
日本の養蜂家の頭を悩ませている「ダニ」が引き起こす「バロア病」。
これは、2010年ごろから急速に広がっていると言われているので、映画の公開から10年が経過した現在の世界の状況もまた、大きく変わっていると思われる。

本当ならば、私も世界中を旅して、世界中の養蜂家を訪ねて歩いて、ミツバチのことをもっともっと知りたいと思う。
世界中とまでは行かなくても、日本中のミツバチについて知りたいと思う。
ミツバチに何が起きているのか知りたい。
残念ながら、ようやく一年を過ごしただけの私のミツバチについての知識は、まだ歩き出してもいない赤子同然。
目の前の自分のミツバチにおこる現象でさえ、あたふたと混乱してばかりいる。頭でわかっている知識と、実際に目の当たりにするものは全く違っていて、知っていることとできることは別物だと思い知らされている。
まずは、自分の足元から。

実は、この映画のことを思い出すきっかけをくれたのは、古本屋を営む友人だった。この映画のパンフレットを見つけて連絡をくれた。

美しい

また別の友人からは『ミツバチの秘密(緑書房)2023』が送られてきた。

新刊だ!

私が養蜂をやっていることを覚えていてくれて、そっと応援してくれる人たちがいることを力にして、今日もミツバチと向き合っていこうと思う。

ミツバチの合同

そんな勇気満タンの中、私のミツバチはというと、女王不在~(泣)
理由は様々あれど、ほおっておくわけにもいかないので、対応する。

女王がいなくなってしまった群れを、女王がいる他の群れに合同する。
すんなり受け入れてくれる時期もあるんだけど、この時期はあまりよろしくない。
別の群れを合わせると喧嘩をしてしまって、他の群れのミツバチを追い出してしまったりする。

蟻さんが運んでいく

対策として、間に新聞紙を挟んで、お互いの匂いが紛れるようにハッカ油を振りかけておく。
すると、新聞を破って少しずつ一緒に合わさっていき、同じ群れと認識するという。

ミツバチの芸術品

一晩経過して、様子を見に行くと、破られた新聞紙が散らばっている。
巣箱を開けて、破れた新聞紙を取り除く。
小さい身体のどこにこんな力があるというのか。
これって、人間で言ったら一晩で部屋の壁を道具もなしに嚙みちぎっていくのと同じくらいのパワーよね。
今までに何度も同じ作業をしているけど、もふもふになった新聞紙を見るたびに、感動する。

落とした花粉をついばむ

空いた巣箱は洗って、表面を焼くことによって、汚れや蜜ろうなどを落としていく。この作業が地味にしんどい。

綺麗にして乾燥させる

ご飯食べた後の食器を洗うのが、めちゃくちゃ面倒くさくて、好きになれないのに少し似ているけど、放置すれば巣を他の虫に食われてボロボロにされてしまう。
この作業、楽にできる方法を模索中。

広報おがの

地域おこし協力隊として小鹿野町に移住しているので、日々の活動については、地域の広報に掲載されている。
月に一度、写真と数行の報告だけなんだけど、インターネットなどをやらない地元の人たちは、かなり見てくれているようで、「広報見たよ!」などと声をかけてもらうことも多い。
「顔出さないの?」と聞かれることもあるけど、やっぱり「顔が見える野菜」が売れるように、顔が見えると安心と信頼を得られるのかもな~と思いつつ、顔を出したとたんに、批判が殺到したりクレームが来たら、二度と立ち直れなので、証明写真のごとく前面に顔を出すのは少しためらう。
別にもったいぶるほどのものでもないし、人の顔ってのはその人の歴史が刻まれていてだな、というのもなんとなく理解できるんだけども。

広報に掲載できるスペースはかなり限られているので、このブログ以上のことは何も書かれていないものの、交代で1ページ丸ごと活動報告を掲載してもらうことがあり、私は再来月の掲載になるようで、原稿を提出した次第。
もしよろしければ、他の協力隊の活動報告も見られる「広報おがの」
地域おこし協力隊って、なんぞや? という方は是非。

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