Hisa

[いろいろ知識のそれぞれを生かすgeneralist] “thread and yarn” 縫う 刺す 繋がる 編む 暮らす 歩く 食べる つくる 撮る 書く ハンドメイド

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最近の記事

金木犀

都会の音だらけの小さな家で暮らしていても、季節ごとに育った田舎を思い浮かべてしまう。 山のふもとの里の家は、石垣のある大きな土地に100坪の入母屋の屋根、2階建て、玄関、下玄関(勝手口)、裏口、農機具を収める大きな納屋もあった。 この季節には5mを超える大きな大きな金木犀の樹の花が一斉に開き、ご近所中に漂う。収穫の忙しいころで、稲刈り、そして、おくんちがあった。 味覚、嗅覚、思い出はあちこちにしみついている。 そんなふるさとも今は朽ちて帰ることはかなわない。

    • すけろくずし

      日本酒が好きで、助六をつまみながら楽しそうにゆっくり話してにこにこする。 言いたくないことは言わなくていいし、言わなくていいと思ったことは言わなくていい。 そう言ってくれた叔母の訃報を受け、15年ぶりにふるさとへ。 いっぱい人に心配される叔母はいっぱい助けてくれる人がいて、皆んなを幸せにしていたんだと感じるお別れでした。 きょうは、助六寿司を買ってきて、海苔巻きの真ん中を突きながらいろいろ思い出していました。

      • さんぽ(大黒天)

        大黒天のルーツは、インド神話の神であるマハーカーラ。 大黒天は日本の民間信仰に合わせて姿を変えた神様。 日本では五穀豊穣や開運・出世・財運向上などの神様として知られています。願いを叶え福を授けるそうだ。 七福神のひとりで、先日、就活に効いたと話してくれた女子がいたので、あやかって、訪ねてみました。 なにか少し変わりたいような、変えたいような気持ちがどこかにあるのかもしれないカンレキさん。 満足が足りないのか、ないものをねだってばかりなのか、これでいいのか、ダメなのか、いま

        • +3

          七福神

          さつま芋の天ぷら

          大好きだった祖母は、わたしをよく褒め、とても可愛がられた。 さつま芋の天ぷらは祖母が好きだったもののひとつだ。 実家は農家だったので、野菜は豊富で、保存できるじゃがいも、さつま芋は収穫期からしばらくは、常にあるようなものだった。 使い込んだ古い黒い揚げ鍋は、洗っても取れない油の固まりがゴツゴツついていて、まるで初めからそういう表面だったかのようになっている。 1センチくらいに切ったさつま芋を天ぷらの衣に潜らせて、その揚げ鍋へ。 弾ける音は最初は低くてこもったような音、素

          さつま芋の天ぷら

          はたらく

          いま派遣で働いています。 ある会社の経理で補助業務をして、1日7時間、週5日、在宅勤務の日もあります。 同じ部署で3-4人に1人は派遣だったり、契約社員だったり、いわゆる非正社員の人がたくさんいます。 お給料は時給計算だったり、月固定(プラス残業代)だったり。 非正社員はボーナスは無いし、任せられることに対してそれなりの待遇です。 なので、こちらも休みたいときは休むし、気軽でいたいと思うのに、なかなかそうはいかない。 まぁカンレキで雇っていただいているだので、とてもありが

          はたらく

          思い出の上書き

          自慢ではないが、友だちは少ない方だと思う。 人見知りだったり、自分表現が下手だったり、相手に踏み込むのが好きじゃなかったりするせいか、途中でめんどくさくなってしまう。 それでも、30年以上の付き合いの大切な友がいてくれる。 「イカは博多か呼子で食べたいなぁ」と友人が言う。 スーパーで買ってきたイカは長崎産のラベル、どうしても期待してしまったらしい。 新鮮な歯ごたえ、なんとも言えない口の中でまとわりつく甘さ… 「白いイカはやっぱりダメだった。」悔しそうに笑う。 透明感の

          思い出の上書き

          あきのそらノスタルジー

          仕事帰り、『おっつかれさま〜』と少しラフに金曜日らしい声で電話をした。 リモート中の相手はまだ仕事中らしく『なんだよ、軽いなぁ〜』とケラケラ。 場は明るく軽いくらいが良い。 30年ぶりの再会からもうすぐ3年になる。あの頃もその軽さを親愛をもっていじってくれていた。 忘れられないことには意味がある。 ゆっくりと話すことばに同じタイミングで同じように心が動くことを感じる。 きょうも明日も。

          あきのそらノスタルジー

          あたしの家のはなし7(終)

          姉の夫と養子縁組をした2カ月後、母は亡くなりました。 母からその話を聞いたのは、母の亡くなる10日前、父の初盆のために帰省した時のことです。 母はやせ細り、30kgになっていました。 13年経ち、放置していた相続の手続きを催促したところ、 税理士ではなく弁護士からの連絡、母の書いた遺言まで今見つかったと。 母の書いたものかもしれませんが、日ごろの文字とは異なり、 誰かの意図の元書かれたようなもので悲しくなりました。 自分の思うようにしたいときにずるがしこく、脅すように口

          あたしの家のはなし7(終)

          6月は晴れた空と夕焼けと

          「力を貸して」とはなかなか言えないのに「力をかす」ことは趣味のように好きで、似合っていると思っている。 すっかり7月に入ってだいぶ経ちましたが、6月のことを忘れないように。 優しく温かい彼女のつくる食べ物もお菓子もお茶もそのままの人柄に溢れる。 目の前にいる人を笑顔に、温かい気持ちにすることの大切さをわたしは改めて彼女から学んだ6月でした。 目の前の人を焦らせないこと、がっかりさせないこと、そのためには目の前の人の思いを察知して、傾きそうになったら支える言葉や態度、眼

          6月は晴れた空と夕焼けと

          葡萄の花 その2(たぶん蕾?)

          葡萄の花 その2(たぶん蕾?)

          葡萄の花

          葡萄の花

          あたしの家のはなし(6)

          2人きょうだい、姉とあたし。 もう5年くらい前に一度手相を見てもらったことがある。生命線とかの手のシワを見る手相ではなく、手をかざしてセッションをするように、エネルギーを感じるタイプのもので、わたしは物事がわかってしまうと言われた。 賢いというのとは少し違って、本心のような本当の考え、思いがわかってしまうと。 例えば、お世辞や過剰なハイテンションには、何か下心や企みがある?と感じてしまったり、こういう風にしたくてこうする、と見えてしまうそうだ。 まんざら遠くはない。 姉

          あたしの家のはなし(6)

          +4

          実は、「空也の最中」を自分で買うのは初めて。歴史、伝統、佇まい、声、空気…全てが空也の最中なのだと感動。

          実は、「空也の最中」を自分で買うのは初めて。歴史、伝統、佇まい、声、空気…全てが空也の最中なのだと感動。

          +4

          あたしの家のはなし(5)

          さて、こうやって書きつつ、決してマイナスな方向へいきたいわけではない。 むしろ、そっちに引っ張ろうとする力をうまくかわして明るく元気でいたいと思う。 相続と言うのはとても不公平で、黙ってこっそり上手くやった人の大きな声の主張が通る。 そもそも、普通の人間はそこまで考えないから、周到な人には到底敵わない。 父は何年か入院したりしながら、母と同じ歳の2月に、母は8月に亡くなった。 姉夫婦は父が亡くなったあと、母の生活を監視するような勢いで関わり、身内の誰にも言わず、母に印鑑

          あたしの家のはなし(5)

          あたしの家のはなし(4)

          今は築120年ほどになっている実家の母家は、わたしの祖父(明治30年・1897年生)が3歳だった頃に建ったそうだ。 100坪を超える、大きさだ。 昔の家なので畳の間がずっと続いていて、縁側様の外廊下が囲っていた。 8畳、10畳、6畳、6畳、8畳、10畳、6畳、4畳半それにくど(竈門)のある炊事場。 小さい頃は叩きの土間だった記憶があるが、物心ついてからは、その土間に床を貼るように改装し、DKスタイルになり、葫蘆に花柄をあしらった流しの扉がちょっとハイカラで子ども心にとても嬉

          あたしの家のはなし(4)