noteからスキの数が消えてしまったら
先日インスタグラムの「いいね」の数が、非表示になっていた。
日本やニュージーランドなどいくつかの国で、数日前から試験的に実施されている。
私はインスタとの馴染みは、ほとんどない。だから今回の「いいね数」の非表示は、「へー」ぐらいにしか感じていない。
では、noteで同じことがおきたら?
スキの数が非表示になり、自分だけが知っている。
一瞬だけ想像して、「それもいいかもなあ」と思った。
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大きな理由は、スキの数で気持ちがざわつく機会が減る、ということ。
私は大した人間ではない。ちょっとしたことで、気持ちが上下にぶれる。ネット上で見える誰かの言動やアクションに、大なり小なり感情がゆらぐ。
嫉妬の感情を持て余しているわけではない。「あ、あの人のほうがスキが多い」と卑屈になっているときの自分が嫌いなのだ。
あと、過去の自分のスキ数と比較してしまうときもある。「あ、こっちの記事はスキがたくさんついたのに、今日のはあんまり……」というように。先月の私と今を比較して、「うぐぐ」とうなる。
今回のインスタは、自分の投稿の「いいね数」だけは確認できる。けれど、「〇〇さん他が『いいね』しました」の部分をクリックしないと、正確な数は表示されない。
つまり、パッと眺めるだけならTLのいいね数は目につかない。
同じ仕様なら、noteのマイページで「どんな記事書いたっけ」とスクロールする際に、心がちくっとなる機会が減るだろう。
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インスタの試験仕様が発表された際、公式アカウントは、「あなたの友人が「いいね」の数を気にするのではなく、シェアした写真や動画に集中してほしい」と意図を述べている。
We want your friends to focus on the photos and videos you share, not how many likes they get. You can still see your own likes by tapping on the list of people who've liked it, but your friends will not be able to see how many likes your post has received.
— Instagram (@instagram) July 17, 2019
また、CEOのコメントにもあるように、「数が表示されることによる心理的負担を減らす」のが今回の非表示仕様の狙いだそうだ。
We want people to worry a little bit less about how many likes they’re getting on Instagram and spend a bit more time connecting with the people that they care about(私たちは、人々がどれくらいの「いいね」がインスタでついたか気にする心配が減り、大切な人とつながることに、もう少し時間をつかってほしいと願います)
引用:https://www.independent.co.uk/life-style/gadgets-and-tech/news/instagram-likes-removed-hidden-not-showing-where-why-a9010331.html
この2つの意見から、私が想像した「noteでスキの数が非表示になったら、気持ちが楽になるかも」という感覚は、インスタの狙い通りといえる。
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でもスキの数が消えてしまったら、困ることもあるかもしれない。
たとえば、数の多さで「流行っているもの」をみつける場合だ。
noteでも大勢の人が見て、たくさんスキがついて、執筆依頼がきたり書籍を出したりという話を耳にする。30のスキと3000のスキなら、後者のほうが圧倒的に人を惹きつけるコンテンツなのは明白だ。
ただ、みんながスキの数だけでnoteの良し悪しを判断するかというと、違う。
noteのコンテストが良い例だ。スキの数が多い記事が選ばれるとは限らない。どのコンテストも、読んだ人の心に何かを残す作品が受賞している。
私だってスキの数に関係なく、いいなと思ったnoteはハートマークを押す。
もしスキの数がなくなったら。
私たちはより注意深く「自分の好き」と向き合うようになるのかもしれない。外部の音が減り、感じる気持ちに深く集中できるなら、それもいいなと思ったりする。
いまあるものがなくなったら、きっと不安になる。けれど、その先には新しい世界があるわけで。わりと、楽しく過ごせるんじゃないかな。
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