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アゴのないウルトラアイドル【埴輪紹介所その75】

ご存じ、特徴的で目を引かれる、と言うより、目を剥いてしまう埴輪。

2体一組でご紹介。比較するとわかることがある。

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最大の特徴は何でしょうね。
まん丸の目と口か。

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人物埴輪では珍しい。
犬形埴輪の目は丸いことが多いかな。

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眼窩のまわりがやや突き出ている。
粘土がそれほど乾いていないときに目をあけたらしい。

腕のポーズは2体で一致。
踊っている説と、馬をひいている説とがある。
今のところ、馬曳き説のほうが有力らしい。
でも埴輪研究の歴史はひっくり返ることがある。

腕のポーズはともかく、丸くあけた口は歌っているように見える。

頭のてっぺんまで通った鼻筋。ウルトラ一族的。

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顎がないのも珍しいことです。

ところで埴輪の性別をご存じか。

小さい方は

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男子。

前髪を左右に分け(振り分け髪)、顔の左右にミズラを結っているから。
センター分けの髪型は基本男子埴輪。
ちなみに腰の後ろに鎌らしきものを下げている。性別判定材料としては単独ではやや弱いが、この場合は男子説を支える。

では大きい方は?

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未決です。

頭部の情報が足りないので。
埴輪の性別は髪型が決め手です。
ただし、男装、女装の可能性がなくはない。記紀にそのエピソードが多くある。

個人的には女子ではないかと思っています。
理由その1、ミズラがない。
理由その2、耳の孔がある。

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少なくとも、男子埴輪確定の小さい方とは違う作りである。

理由その3、後ろ頭にすこし削れたところがある。

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髷がついていた可能性がある。

理由その4、頭部にかぶりものをしていた痕跡が見当たらない。
ミズラがなくても、かぶりものをしていればまず男子とみなせるが、それがない。

どちらにせよ、決定的な物証がない。謎はいつ解けるのか。

気にはなるけど
まあ

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うたおうぜ。

埴輪と言えば彼らを思い浮かべる人多し。
現代でもアレンジされたイラストやグッズが後を絶たない。
しかしオリジナルの強さには及ばない。追いつかない。

それにしても、彼らを墓に立てた豪族。まさに豪気。
トーハクのサイトによれば、同じ古墳からは儀式に参列する人物を表したとみられる埴輪が多く出土しているとのこと。

埼玉県熊谷市の野原古墳出土の人物埴輪。復原高さそれぞれ64.1cm,57.0cm。下半分は推定復原。
所蔵は東京国立博物館。

撮影は

会うたびに衝撃をくれる。

またね。

お読みいただきありがとうございます。サポートいただきましたら、埴輪活動に役立てたいと思います。