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わにの呼吸と岩合光昭さん

川の底で静かに生きるワニの呼吸を感じるように、日々を大切に感じていきたい。そう思って、note始めました。「わにの呼吸」という名前は、動物写真家・岩合光昭さんがテレビ番組で語った体験談からつけました。初回の今日はその話。

岩合さんと言えば、いまネコ写真が大人気ですよね。自然な表情や仕草、一瞬の動きを捉えた写真の数々、いいですよねぇ。岩合さんの動物写真家としての原点は、19歳の時に訪れたガラパゴス諸島で、自然の驚異に圧倒されたことなんだとか。野生動物の写真集も、各国で高い評価を受けているそうです。

で、ワニの話です。ブラジルのパンタナール大湿原へ撮影に訪れた岩合さん。水中でのワニ撮影に挑戦しました。

ちなみに、ここのワニは、比較的小型で、魚を食べるため、大型哺乳類であるヒトに手を出すことはないそう。だから、水中に入っても大丈夫というわけで、撮影に臨んだとか。(分かっていても、ちょっと怖いけどなぁ)

野生のワニは警戒心が強いので、近づけば逃げるし、まして自然な表情を撮るのは至難の業。そこで、岩合さんは、一晩中、水中でワニと一緒に過ごしたんだそうです。

夜の湿原、川の中は静かで、ワニと一緒にいると、周りの音がほとんど聞こえてこない。ワニの息遣いやちょっとした振動が聞こえてきて、ときどき呼吸のために水面に浮かぶ様を見たそうです。そうやって過ごしたことでワニの警戒心もなくなって、至近距離での撮影に成功したんだとか。「幻想的で神秘的な体験」と話しておられました。

この話を聞いて、すごくやさしい光景だなぁ、と思いました。私たちは普段の暮らしで、他の生き物をじっと見守ることは滅多になくて、むしろ、同じ人間同士でも、他人にそれほどやさしい目を配ることも多くない。

人間の時間や身体のキャパシティは限られているから、仕方がないことではあるけれど、でも、たまには、ワニの呼吸を見守るように、他者のことを見守る、やさしい時間をもちたい。そんな風に感じました。

noteでは、小説やエッセイなどを書いていきたいと思います。よろしくお願いします。

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