見出し画像

5 採用までの道のり

 私は、大学教員選考公募へ応募したとは言っても、今の若いポスドクの人たちやその他、非常に優秀な方々と比べて劣る面が多くあり、一時選考通過後の面接歴を示すほどの例がそれほど多くありません。そのほんの少しの例と、それと並行して積み重ねていった業績などを重ね合わせながら、私のささやかな応募歴を、数少ない面接に残った例に絞って示してみます。

1 東北地方の某公立大学、1997年。初めての面接審査
分野:一般総合教育で分野を問わない領域
結果:不採用
当時の業績:博士論文(海外Ph.D取得後)、紀要論文2程度。
当時の職業:大学非常勤講師

2 留学先の国の某私立大学、2008年。2回目の面接審査、模擬授業
分野:当該国の歴史学
結果:採用(Associate Professor)
当時の業績:博士論文、学会誌査読論文2、国際誌査読論文1、紀要5
2011年まで、英語による授業、学内運営などに従事。

3 九州・沖縄地方の某公立大学、2011年。3回目の面接審査、模擬授業
分野:とある海外地域における地域研究、文化・歴史研究
結果:不採用
当時の業績:博士論文、学会誌査読論文3、国際誌査読論文2,紀要6
当時の職業:大学非常勤講師

4 東北地方の某国立高等専門学校、2012年。4回目の面接審査、模擬授業
分野:異文化コミュニケーション
結果:不採用
当時の業績:博士論文、学会誌査読論文4,国際誌査読論文3,紀要6
当時の職業:大学非常勤講師

5 九州・沖縄地方の某国立大学、2015年。5回目の面接審査、模擬授業
分野:日本語、日本研究
結果:不採用
当時の業績:博士論文、学会誌査読論文5、国際誌査読論文4、紀要7
当時の職業:大学非常勤講師

6 関東・甲信越地方の某公立大学、2022年。6回目の面接、模擬授業
分野:英語、教養教育
結果:採用
当時の業績:博士論文、単著著書1,学会誌査読論文8、国際誌査読論文4
紀要等13、学会賞1,単著への学術賞1、外部資金3(民間財団のみ)
当時の職業:大学非常勤講師

 実際、初めての面接審査の年(1997年)から現在に至るまで四半世紀という途方もない時間が経過しています。途中、留学先の国にあった大学で3年ほど勤務しました。現在勤務している大学に採用されるまで、数えてはいませんが、応募回数はおそらく200回は超えています。今振り返ってみると、非常勤講師という不利な身分ながらも着実に業績を積み上げています。最終的に採用された昨年の業績は、おそらくは他の競争者と遜色ないくらいのレベルにまで達したのではと自負しております。非常勤講師という身分で研究することは楽ではありませんでした。ただ地道にやっていれば、報われることもあるのかな、と思うこともあります。確実にそうなるとは限りませんが・・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?