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舞台『パラダイス』② ※ネタバレ含※

さて、気になったシーンを。

引き続き『パラダイス』のお話をします!
前回永田崇人さん演じる若林フォーカスで書いたけど、今回は気になったシーンとかをピックアップしてメモ。

相変わらず、邪推まみれで真正面から受け止められない拗らせた妄想だらけのオタクの戯言です。本当に途中から"たられば"が続いたりします。もしも、もしも、それでも読み進める方いらっしゃればふーん虚妄虚妄!くらいで流してください……。

あとまたも役名呼び捨てくんさんちゃん付けがバッラバラで表記揺れが甚だしいのも気にせず勢いに任せて書いています。

ここからネタバレガンガン含みますのでご注意ください!

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※※※ 最終告知 以下、ネタバレあります ※※※


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マロンちゃんを探すシーン

これ、初回と2回目で一番印象が変わったシーン。
初回は梶さんが合流しても、家族の中で動ける人間だから美紀さんに呼び出されたんだろうなくらいにしか思わずことの進みを眺めてたんだけど。

そのあとの真鍋との電話よ……!
「え、待って?あのときじゃあ……」って数場面前の巻き戻し機能を全力行使したかった。だって、梶さんだけが、マロンちゃんが戻らないことを知ってたんだもんね。

それを分かってから見る2回目の解像度たるや。
マチネ終わりに大阪城周辺お散歩しながら、ソワレで絶対にここを観るって箇所考えてたんだけど、圧倒的にここの梶さんだった。どんな表情をして、どんな間を作っているのか、梶さん大注目必至だった。
そしてさらなる謎というか考察マンがしゃしゃってしまいそうなところが。


1つ目は探すエリア
梶さんが家族と合流してどこ探した、これからどこ探すの話をしているとき。美紀さんによる「猫は車に轢かれやすい」からの、神社の方は車通りが多いからそうなる前に「食い止めたい」って言うんだよ梶さん。初回は優しいなってだけだったけど、食い止められないの知ってたよね!?ってなってからはもう。梶がもしこれから先、戻らないマロンちゃんを待つ家族を見かねて何か説明するとき、「車に轢かれちゃってたからもう埋葬したよ」とかって言えるもんね!?自分が第一発見者であればいくらでも言えるもんね!?っていらん邪推する私の中の性悪人格が出てきた。


2つ目は網戸が開いていたに対する梶の反応
これちょっと別日観劇してた方とぜひ話したいんだけれど、美紀さんが網戸が開いていたっていう話したときの梶さん、29日ソワレは「え?」って声に出してて、30日マチネは声に出さず目をちょっと見開いてたかなーと思ったのですが、毎回声に出されてたかな?30日マチネが後方だったので小声拾いきれてないかもって思って……。
ただ私はこの「え?」を耳で拾ってしまった故にまたも考察マン召喚しちゃうんですけどね。


この「え?」ってさ、どういう意味だろう?


ただの相槌というか喉から出た音程度であればそれで良いんだけど。辺見さんの仕業かもとこの時点で既に思ってる訳だし、そして「俺のせいかも」は猫が人見知りで驚かせちゃったの意味として家族には捉えられてるけど、辺見さんとの過去背景踏まえるとそれだけじゃないのも客席は分かるから。からの網戸が開いてたに対する「え?」は、辺見さんによって何者かが家に侵入して連れ去ったんじゃなくて、実は本当に脱走した?と一瞬自分のせいじゃないかもって思いたかった「え?」なのかなあとか。節子さんによる別場面での「責任取りたくないんだよ」の言葉が頭に木霊してしまってねえ。まあもちろん、辺見さん実家に人寄越して網戸開けて堂々と拉致してるじゃねえか……の驚きの「え……」かもしれないけれど。

ここで1つたられば話。そうなってくるとさ、実は梶ってマロンちゃんに会ってなくてマロンちゃんの特徴を知らない……?とか思っちゃって。これより前に実家でマロンちゃんを知らない、マロンちゃんどころかご近所付き合いまるっと知らない、みたいな描写あるじゃない。そこから梶はあの場面に至るまでにマロンちゃんに会えてるんか?と。

もし会えてなくて、捜索も美紀さんから伝達された特徴だけでやってるとしたら?美紀さんと商店街の会長さんの話も聞いてない、だからハッピーエンド(そんなものはない)望むなら実は梶さん家にいたのはマロンちゃんじゃないとかも考えられる!?と。 美紀さんの話によると、茶色といえば茶色、よくある縞。決定的とも言える首輪はあの電話のときにお母さんに聞いたことでしか美紀さん把握してないから、夕方着替えに帰ったときの梶にはもしかして伝わってないと考えると、違う猫かもしれないよね。捜索も最後までせずに途中離脱してるし。

……………‥……いやまあきっとそんなことないんだろうけど。さすがに辺見さんも家族と梶の情報共有の状況まで逐一追えないし。そんなんすぐバレるし。マロンちゃん生きててくれよの一心で妄想したオタクの戯言でした。

ただまあ辺見さんもそこまで分かっててさ?別の野良猫ちゃんにして、梶は家族に正直に言わないだろう、マロンちゃんだと思い込めば捜索にも深く関わらないだろうって。万が一別の猫だとバレても、それでも梶へのダメージは充分って思ってて、猫はやりすぎって話をしたときも詳細話さなかったしさ!!!超歪んだ愛情で梶が自分を憎んでても、怯えて従うように戻ってきてくれたら良いや、からの動きだったら非常に怖いな〜!!!って。完全な妄想で収拾つかないので黙りますね………本当にすいません………………………………。



さて、青木が好きすぎる話

青木推しになるっきゃないじゃんね!?(?)
クレイジーサイコ青木、あの人が最も"モノホン"じゃん、って思った。辺見と青木のズレた掛け合いもっと見たかった。


まずボウリング場。

辺見さんはグローブ・マイボウル・マイシューズ。青木はくたびれたジャージにレンタルボウル、25.0とデカデカ書かれたレンタルシューズ。パッと見ただけでも関係性が分かるビジュアル。

野球部の青木めっちゃ良いので、職場に青木ボイスの出るボタンとか欲しい、ハイ集中ゥゥウ!! でも青木の補欠感凄いよね。ベンチ温めときました!って言ってそう、いや、ごめんなさい。あと青木、腰を屈めてどう投げるべきか読んでる姿が多々あるけど、ゴルフとかで芝読むのも上手そうだから、めっちゃ良いキャディーさんできると思う。しらんけど(しらんのかーい)。

ちなみにこれは見間違いだった(と思う)んだけど、ボウル出てくるところで、青木があの風出るところに手を翳して乾かしてから投げるんだけど、それが29日ソワレで観た角度とタイミングが絶妙で。辺見さんのボウルに手を出そうとしてるように見えたんだよね、それはそれでめっちゃ面白いなって思ったんだよ。真鍋がボウルに触れて辺見さん怒るシーンあるけど、青木はどうなるか知ってるわけだし、最後の青木の動きのこともあって辺見さんに手をかけようとしてる、の暗示だったら面白いなとか思ってしまった。以上、純粋にボウリングガチ勢で手を乾かしていた青木さんに申し訳ない程の邪推でした。

そういえばボウリング、29日マチネで辺見さんちょっと大振りになってボウルがバウンドしてたフレームあったよね(笑)そのあとの辺見さんちょっとだけ慎重に置いてる感あってそれも面白かったなと思い出しました。

あのボウリング場で梶さんが辺見さんに話そうとしてたことって何だったんだろうか。辺見さんの話に飲まれて話せずに過ぎていってたよね。

あとね、辺見さんのさ、臆病で誰のことも信用していないから相手を調べて関係を築こうとするって、誰かそんな似たような相手調べ上げてるキャラいたよなあ。と帰り道ぐるぐる考えてて。"あー、臨也?近いけど、うーん、あ、相馬さんか?" と謎の他ジャンルからキャラクター引っ張って来れた私よ。思い出し方が中の人なのも私っぽい。


屋上BBQ

まず黙々と肉を焼く真鍋さんカッコ良かったね!!!
堅物刺青キャラ個人的に刺さるので刺さりました(?)

真鍋さん、徹底して梶さんの様子伺うんだよね。ボウリング場で家族の話を辺見さんにされてるときも、チラチラと心配そうに。ここのBBQでも若林のことを辺見さんが話してるとき、辺見さんだけを見つめる訳じゃなくて梶さんを見てる。だからこそこのシーン序盤の梶さんいないときの真鍋さん、少しだけ纏う雰囲気が違って見えたなあ。

あと青木が物騒なもん入れてコストコはしゃぎまわってたのクレイジー過ぎて好き度増したよね。あとから分かるけど改造モンだからいつ暴発するか分かんないんだよね、ヤバすぎる。楽しくコストコももう行けないだろうなあ。いや青木のことだからハイエースで全然行ってそう、でも辺見さんおらんから財布が必要だよな、若林か?

BBQシーン若林定点してるので薄め…………………。



梶の話と青木の話

刃物持った梶が屋上へ現れ始まる梶らのラストシーン。
ここの丸山さん、"虚"で始まって、辺見さんの話聞きながら怒りとか呆れとか諦めとか凄い葛藤を感じてるんだろうけど、本当に目に力が宿らずにいるの。ずっと虚ろ。だけれど、ブルーシート下の真鍋見てから、すっごく熱が籠もった気がして。明確な怒りが目に迸る感じ。開眼しきらずに辺見を虚ろに見つめていたのに、ガッと開いて一転した目付きになるところ、何度見ても凄く好きでした。だから初回観劇後は、青木がブルーシート近くまで移動したところからずっと双眼鏡で梶さん定点してました。丸山さん本当に素敵でした。

さて、ここで明らかに意味を持ってるであろうお話が2つ出てくるので、考察。


韮の匂いがする家の話

梶さんが瀕死の真鍋に向かって話し出す話。
初回見たとき「梶さん今それ!?真鍋しんどいから!!ちょ!!」ってなった結構な長尺のお話。
要約すると、梶は子供の頃自分の家の匂いが嫌いだった。それは腐った韮のような匂い。周りには理解されない自分だけが感じる匂い。大人になってからそれは人間の匂いだと分かった。って話。

大人になってから、のところは、美紀さんがワイングラスの件で怒ってる実家に帰宅していたときだよね。お母さんがお手洗いに行き、お父さんが散歩に出たあの間。誰もいなくなった部屋を見渡して、水回りを一瞥し、もう一度部屋を見渡す。あそこで理解したんじゃないかなと思ってる。

韮ってどこから来たんだろうと思って調べると、何やらストレスを感じている人間は韮の匂いがするらしい。ストレス臭と名付けて実験を発表している企業さんもいるっぽいんだよね。たくさんの記事が出てくる訳じゃないけど、なるほどなと。それこそ子供には出ない大人になると抱える"人間の匂い"だよなあ。と。

それを踏まえても、結局なんで真鍋瀕死ターンで話し出したんだ!?ってなったんだけど。真鍋ってさ、梶に足洗えって言われる電話で、実家に泊まるか聞いてるじゃん多分。そういうのも含めて、梶が家族の元に戻れること願っててそれを梶も知ってたんじゃないかな。自分が家族と同じ匂いがするって気付けた=梶が人間としての感覚を取り戻して家族の元へ気持ちごと帰れそうだってことにならないかな。ただ足洗えって言われてもああやって動いちゃう真鍋だから、最期に真鍋を安心させたかったけど、直接的には言えなくて、例え話をした。例え話で話すのは一番最初のお祓いのくだりにもあるし、梶の言動としてあり得なくも無いかなぁとかね。オタクの妄想なんで、梶の感情欠落の気のこともあって、シンプルにあのターンは正常な判断できてないだろうし深い意味は無いかもしれないけど。



烏と犬は昔3本足だった話

これ初回観劇後にすぐGoogle先生に聞いたよ!昨年永田崇人さんご出演『HOPE』のときにも、新納さんによって散りばめられたカフカの言葉をめちゃめちゃ調べて本まで買ったの思い出した。今回も古典か!?原文くれ!!となって探したけど民間伝承くらいの昔話だったよう。

で、個人的に、青木のラストの「ざまあみやがれ」が烏だけじゃなくて辺見に言ってるようにしか聞こえなくて。
じゃあこの話を辺見と青木の話として聞いたらどうなるかってことですよね?そうなんですよ。

辺見が烏、犬が青木として。
青木は何かを辺見からもらって(モノなのか肩書きなのかは分からんけど居場所なのかな)、走れるように(生きられるように)なった。ずっと恩を感じて足が汚れないようにしてた犬のように辺見に尽くしてきたけれど、きっかけは分からんが、"そんなに気を遣わなくていいのにね"と吹っ切れた。それはパンフにも掲載されていたお話である辺見の頭打ち感、閉塞感を察して"つまらなくなった"のかな。青木が"楽しい"に導かれる人間で、誰がとか誰ととかを気にしないなら、つまらなくなれば離れるっていうのはあり得るんじゃないかな〜と思ってしまった。

だって辺見さんまだ息あったところに青木が弾打ち込んだでしょう?そうなれば梶は未遂、トドメは青木になるわけだし。ちょうど良かったんだよね。青木にとっては空を飛ぶ煩わしい烏をただ撃ち落としただけ。若林にとっては3本脚の烏(八咫烏)=神である辺見は、青木にとってはただの烏=煩わしい存在になっていってたのかなあ。

ただこの話は、ほんとに誰と誰の例えなのか、個人と個人ではないかもしれないし、色んな話聞きたいなあと思ったし、残りの東京観劇でもっと深く考えたいなあ。



今この時点で5000字くらいなんですけど実はまだこの先に4000字くらい書いてたんですよね……気付いたら……。本当はこの②で終わりにしようと思ったのですが、せっかくなので内容消さずに、分割して③に続くことになりました。

なので続きます、続いてしまいます………。






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