仕事の大成功と家庭円満は両立しない!?
仕事と家庭の両立はできないというのは、昔から言われているいい訳じみた言葉に思われるかもしれませんが、実は歴史上、証明されている事実でもあります。
バーナード・ショーは「真の芸術家は妻を飢えさせ、子どもを裸足でいさせ、70になる母親を働かせて生活を工面させ、自分の芸術以外のことは何もしない」と言いました。
モーツァルトは、妻が今まさに第一子を産もうというときに、家の別室で作曲をしていました。
仕事熱心な医師にも同じことが言えます。1000人を超えるオランダ人の専門医を対象にした調査では、燃え尽き症候群の第一位の理由は、家族との衝突と完璧主義でした。
心理学者リチャード・ライアンはこう言っています。
高位に就いた者(高い目標を達成した者)の抑うつ症状と不安感の一つの理由は、自分が良い人間関係を築いていないということだ。彼らは富を成し、自分の目標に邁進するのに忙しかった。それはとりもなおさず、彼らの人生には、愛や気遣い、思いやり、共感など、本当に大切なものを慈しむ余地があまり残されていなかったことを意味する。
自己情熱のために家族をないがしろにする現象は、決して目新しいものではない。古代ローマにはすでに、「子どもか、本か」という言葉があったという。もしあなたが真摯に何かを生みだそうとすれば、家族を犠牲にすることになるのです。
エネルギーの問題も重大です。創造的な労働者が、配偶者と過ごす時間は量的に少ないだけでなく、経営学の学術誌によると、その質も劣るといいます。家に帰るころ、彼らの脳はへとへとに疲れているのです。気遣いのあるパートナーになりたくても、ガス欠なのです。また、完璧主義の傾向が強い人びとは、配偶者と満足な関係を持てる可能性が33%低いとの研究結果もあります。
中には、時間の質を無理して上げる者もいます。雑誌「ネイチャー」は、1400人の読者を対象に非公式な調査を行いました。なんと、20%の人びとが集中力を増やすための薬を使っていたのです。最も使われていたのが興奮剤のリタリンでした。メイソン・キュレイが天才の常備薬を調べたところ、かなり多くの人がポール・エルデシュと同様に、中枢神経興奮薬のアフェタミンを使っていることを発見しました。また、ミシュガン大学のショーン・エステバン・マッケイブはアメリカの学部生を分析し、4.1%がやはりアンフェタミンを常用していると報告しました。
これらの内容からもわかるとおり、常軌を逸したように夢中になれる天職を持った者は目標を達成し、成功を手に入れるが、反面、幸せへの鍵である大切な人間関係を犠牲にすることがあるのです。ハーバード大学の研究者、ショーン・エイカーも同じ考えで、次のように述べています。
「ストレスに耐える力が最も強いのは、ストレス状態のさなかに社会に貢献する投資を増やせる人で、それは大半の人とは反対の行為である。社会的なつながりは、幸福の最大の予測因子だということが調査の結果わかった。」
ハーバード教育学大学院教授のハワード・ガードナーは、ピカソやフロイトといった、創造的な功績で名高い人びとについて調べています。研究の結果わかったことは、創造的天才たちはその類稀な才能の維持に万全を期すために、何らかのファウスト的な契約に組み込まれていたことです。一般的に、並外れて創造的な人びとは、自分の使命の追求に没頭するあまり、ほかのすべて、とりわけ、個人としての円熟した人生の可能性を犠牲にしています。
稀代の天才たち自身も、このように語っています。
伝説のチェスマスターであるボビー・フィッシャーは、インタビューで「もしチェスに没頭していなかったら、どんな人生を送っていたと思いますか?」の問いに、「きっと、もっといい人生だったでしょう。もう少しバランスの取れていて、いろいろな意味でもっと豊かだったと思う」と答えています。
フランツ・カフカは「作家としての私の定めは単純明快だ。幻想のような精神生活を表現する私の才能は、ほかのすべてのものごとを遠景に追いやった。その結果、私の人生は恐ろしく貧弱になり、今もやせ衰えていく一方だ。しかし、これ以外のどんな人生にも、私は満足できないだろう。」と語っています。
さて、あなたが仕事にあてる1時間は、家族や友人と過ごせなかった1時間であるとすると、あなたは満足できるだろうか。世界的レベルで成功するためには、こうした生き方が本当に必要になるということなのかもしれません。ただ、「究極の夢の職業」と自分で言い切れる人にとっては、そんな生活は決して否定されるものではないだろうし、廻りまわって全世界の人びとがその成果で恩恵を受けることになるのかもしれないのであれば、すばらしいことなのでしょう。
もし、そうではなく、夢中になれる仕事でもないのに、死に物狂いで働いているのであれば、立ち止まってみることがあなたが今やらなければいけないことなのでしょう。
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