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雨がやさしさを降らせているままに
雨がやさしさを降らせているままに空は目を閉じて わたしはずっと話しつづけたいのに 風がこの部屋を出ていってから ずっと独りぼっちで 世界をつつみこむような 孤独といっしょに 口ずさむのだ 光と雲と海と大地の歌を それはわたしもあなたも知らないメロディ これから出会う鳥の羽の白さ
雨がかなしみを降らせているままに空は目を閉じて わたしはずっと話しつづけたいのに 風がこの部屋を出てい
野原でそっと揺れている木は孤独だ
野原でそっと揺れている木は孤独だ、風は手のひらと葉裏とを連れてくる、いろんな寂しさが吹かれている、静寂の音楽が高鳴ると、見えない四本足が、しなやかに駆け抜けていく、雲の涙に濡れるようにして、茨の冠を頭に飾って、無人の5月が急ぎ足で、心にひづめの跡を残していって、ハイヤ、ハイヤ。
野原でそっと揺れている木は孤独だ、風は音楽のミューズを招いて、その歌声はたおやかでこぼれるほどの光を降らせて