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闇の時間を経て命輝く 仙ノ倉山
7月27日 午前2時半
前夜テント泊した平標山の家を出発
まだ深夜と言える時間
ヘッドランプに照らされた木の階段が暗闇に浮き上がる
1時間程で平標山頂に到着した
標柱の所でランプを消す
漆黒の闇
薄雲が掛かっているのだろうか
星の数が少ない
冷えた闇に身を包み込まれる
この宇宙には私以外の生命体はどこにも存在しない
不安が押し寄せる
再びランプを点けて歩き出す
緩やかな下りの登山道を進む
暗闇の左右は草原のようだ
花や葉に白い光線が当たり浮き上がる
木道を歩き続ける
左手の山並みに赤みが差し始めた
闇から光の世界へ
この地球には確かに生命というものが存在するのだ
仙ノ倉山頂4時59分
太陽が静かに上昇
右手に折れ下降しはじめると
朝日を浴びた花々達の会話が始まったようだ
蜜を吸う虫たちも忙しく飛び回る
闇の時間の不安、不気味さは既に消え去ってしまった
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視線を上げると恐竜の背骨のような緑の稜線に一本の道が刻まれていた
踏み出そう今日という一日の始まりへ
#登山 #闇 #高山植物
#仙ノ倉山 #エッセイ
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