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2.人生で初めて男の人にキスしたいと言われ、「ごめん、ストレートなんだ」と断った話

 初投稿は最近、枕を濡らすのを
手伝ってくれている(涙目の超誇張表現)
曲を感情込めて訳したけれど、
Note垢を作った目的のダンスも少し。

昨日(2022/10/18)はいつも通り
遅番で17時からクローズまで仕事。

最近僕は引っ越しして、
ワンルームを友達とシェアし始めた。
オフィス勤めのルームメイトが起きるまで
寝ないぐらい、生活習慣が乱れていた僕は、
仕事の後はっちゃけてクラブで踊れば、
疲れてすぐ寝れると単純に考えたのだった。

〜🇸🇪の首都の規模とクラブについて〜

 首都とは言え、ストックホルムは
お世辞にも大きい都市とは言えない。

人口は首都圏で240万人ほど。
ストックホルム市だと
どうやら100万人にも満たないらしい。
(日本の人口が都市に密集しすぎているだけで、
実はサンフランシスコも市で見れば
ここより人口が少ないらしいが)

ストックホルム中央駅から地下鉄で、
4駅先で降りて徒歩七分の公園
(夜は軍の演習場なので立ち入り禁止)で
野生の鹿を見かけるほどだ。
勿論、奈良ではないので
人を見ると逃げていく。

そんな規模のストックホルムなので
当然、平日夜踊れる場所も限られる。
Googleマップでナイトクラブと表示されても
名ばかりで、踊るスペースがないなんてザラだ。
他の記事でも後何度も触れると思うが、
スウェーデン人は基本シャイ/奥手なので、
それで成り立っているとも言える。


 そんな訳で、ビアーガーデンのような
クラブの屋上が解放されている、
屋外で寒さで震えない期間を除いて、
平日に踊る場所はないと考えていた僕。

たまたま仕事帰りにポケモンGoを
やりながら歩いていたら、
魔女の宅急便の舞台にもなった
旧市街の島で、LGBTQ🏳‍🌈のナイトクラブを
見つけたのがほんの先月の話。
年中無休で営業時間が
22時-3時なのは何より嬉しい。

普通のクラブにも🏳‍🌈の人が
いるのだから(たまに誘われる)、
逆に僕が🏳‍🌈クラブに
行ってもいいだろうとの考えだ。

火曜日なので店内はガッラガラ。
中は見かけより広く、5部屋ほどある中で
一番広い部屋には誰もいなかった。

〜僕のダンススタイル〜

僕は踊れれば何でもいいので、
いつも通り踊る。
よく言えば独創的、
悪く言えば基礎がなっていない、ので
文字の描写は難しいけれど、
大雑把に伝えるのであれば、以下

フィギュアスケート
(初級者コース1回10クラス)

アイスダンス
(やはり初級者?コース1回10クラス)

炭坑節(及び日本の踊りでよく見る、
押しては返すの手の動き)

よさこい(9年前夏の間だけ、高校で
全国に行った人のグループで練習)

ブレイクダンス(ワークショップ30分)

などを混ぜて割ったような
スタイルだと思っている。

特にフィギュアの影響は
かなり大きくて、踊る最中に
回ったりしゃがんだりするのが好きだ。
(膝や手をつけないようにするのがポリシー)


 息切れタイム込みで
40分ほど1人で踊っていると、
一人のモンゴル人に話しかけられた。
「何度か横を通るときに見てたけど、
 君のダンスはとても自由だね。」
と褒めてくれた。

正直既に大分褒められ慣れているので、
笑顔でありがとうと言って
それで終わりかと思いきや、どうやら彼は
モンゴル代表のダンスチームの関係者らしく、
何のダンスかも訊けなかったけど、
世界大会?で四位になったらしい。

ほんまかいなとちょっと疑う。
その流れで、SNSやってる?
と訊かれたから、断る理由もないし、
言ってることの確認もできそうなので
Facebookで友達になる。

どうも明日朝10時のフライトで
モンゴルに帰る予定みたいだ。
韓国とかモンゴルに来たときは
連絡してと言って、去り際のハグ。

Swedish hugという言葉まであり、
性別問わず、大した親しさも問わずで、
所構わずハグするようになったのは
ここ数十年で定着した文化的行動らしいけど、
この人からのハグはまあ長かった。
(尚僕は女友達がいないので、
日常的なハグは後に記事を書くであろう
Spotify勤務のダンス友逹だけである)

だから好意に気づいてはいたし、
それを隠さなくてもいい場所だから
相手に合わせていたけれど、ハグの離れ際に
僕の頬にキスしてきたのには驚いた..!
そんな文化は🇸🇪にも
モンゴルにもない筈だけど 苦笑

「(頬に)キスしたね!
今の好きな人にもされたことないのに!!」
(僕の心のアムロ声)

髭の感触が猛々しさを
伝えてきて(知らなくていい情報)、
真っ先に思ったのは
「唇じゃなくて良かった」だった笑

実は今年、やはり知らない女の人に
突然キスされた事があったので。
(これも僕には衝撃だったので
また後に書くと思う)

そこで一旦彼は隣の部屋
のテーブルに戻ったので、
驚きこそしたけれど、
そんなに気にせずまた踊る。

連絡先交換は、その日の絡みが終了のサインと
何故か盲目的に思い込んでいたので、
彼がまた戻ってきて僕と向かい合って
ペアダンスしてきたのも想定外。

たまーに積極的な女の人にされるような
接近したダンスを拒否る理由も特にないので
(おいっ!、と自分で突っ込みたい笑)、
手で一定の距離を保ちつつ、
自分の踊りを保ちつつ相手に合わせてみる。

相手は楽しそうだったし、僕も
性的な目で見られていることを除けば
まぁ楽しく踊れていた。
僕をハグしたまま持ち上げて360度回る等、
かなり積極的な彼はある曲が終わったとき、
またハグして遂に?僕に向かって
「キスしたい」と言ってきたのだった。

〜海外の🏳‍🌈の人達を見て思うこと〜

そもそも殆どの🏳‍🌈の人は、周りに
自分の性を受け入れてくれる人がいないせいで、
普通を装って自分の性を隠すか、
開き直って、
私は私だから、貴方達がどう思おうが
気にしてられないとI don't give a f*ckの態度を
身につけるしか、生きる態度(術)がない気する。

日本の多くの🏳‍🌈の人は前者で、
だからこそ多分いわゆる普通の人達より
生き辛さを感じているけど、
そうするしかないと思って我慢している。

(最近はそれも受け入れる風潮が
出てきているけど、匿名でしか
自分を出せない人はまだまだいる筈。
ましてや一人の特定の同性に
片想いしている場合は、今の関係を
失うリスクを取ってまで、本人の性や
気持ちをさらけ出せるとは中々思えない。)

でも海外の人は自由であることを望み、
何より生き辛さに耐えられないので、
多くの人が成長の過程で、後者の態度を
自然に身に着けているように見える。
(勿論そこに至るまでの過程は
辛い経験続きかも知れないけど、
知ったかはできないので、
とりあえず知らないと保留)

 ゆえに
「周りの目を一切気にしない」という、
僕のダンスへの態度は正に、
海外でよく見る🏳‍🌈の人達のそれと
駄々かぶりなのである。

だからこそ普通のクラブでも
「君と踊りたい」とわざわざ
宣言してくる男の人がいたりする。

普通のクラブでも間違われるような
ダンスを踊る僕が、🏳‍🌈のクラブに
いるのだから、そりゃ勘違いするなと
言うのが無理な話だ。

 ただ、相手の合意がいるのは
キスも同じなので、人生で初めて
タイトルの台詞を言ったのであった。
本当?と訊き返してきた彼は
一体どう感じたのだろう…?

合コンで気に入った女の人に
二次会でキスしようとしたら、
実は私旦那いるんだよね。ゴメン!
と言われるとか?(合コン未経験者による想像)

それとももっと分かりやすく、
普通のクラブで僕の近くで
踊ってる女の人と、何となく向かい合って踊る
雰囲気になって、何度かハグした後、
やはりキスしようとしたら、
「ゴメン、私レズなの。」
とカミングアウトされる感じだろうか。

(クラブでほぼお酒を飲まない
僕にとっては、初対面の相手と
どれだけいい感じになっても、
自分からキスしようとはしないと思うが)

何にせよ仕方がないとは言え、
彼の好意?に答えてあげられないのには
多少なりともの後ろめたさがあった。

拒否したのが単なる性欲ならば、
一ミリの罪悪感も感じないんだろうけれど、
"具体的に"ダンスを褒められた後で、
完全な性欲だけと捉えるのは
僕にはできなかった。

ましてや相手の言うことを信じるならば、
僕のダンスを具体的に褒めてくれた彼は、
素人でもなんでもなく、ダンスの世界大会で
4位になったグループのチームの一員なのだ。

 結局その夜は閉まるまで
クラブにいて、僕は中央駅まで
彼と彼の友達2人と歩いたのだった。

相手の目を見て、ストレートに
きっぱり「僕はストレートだ」と
伝えた筈なのに、お酒の回りもあってか、
"わざわざ"🏳‍🌈のクラブで踊る僕には
やっぱりその気があるんじゃないかと
疑われてしまった。
(↑で触れたこの街のクラブ事情は
ちゃんと説明したけどそれでも)

 村上春樹の本で、
「言って分からない人には、
説明しても分からない。」
と言う台詞があったけど、
お互いに同じ前提を
共有できていなければ、
理解し合えないのも
無理はないなと思った夜だった。

まだまだ文体が確立していない、
僕の稚拙な文章を最後まで読んで下さり、
ありがとうございます。
この体験談に触れて、
知ったことや感じたことで、
何か一つでも貴方の学びや
刺激になったのなら幸いです。

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