八十嶋

マイペースという演劇ユニットで台本を書いたり、コントや短歌をつくって遊んでいます。

八十嶋

マイペースという演劇ユニットで台本を書いたり、コントや短歌をつくって遊んでいます。

最近の記事

展示を見た日

那珂隆之さんの展示「夜のよるよる」を見に行った。 「よるのよるよる」は夜を司る大きななにかで、見た人によってその姿は様々であるらしい。「よるのよるよる」が棲む街では夜が深くなればなるほど周りのものが鮮やかに見えるようで、切り取られて描かれたシーンひとつひとつに優しい物語を感じた。 黒もカラーも印刷がすごくリッチだな〜と思っていたら、ジークレー印刷といって、簡単にいうとインクジェット印刷の超細かいバージョンですよと在廊していたご本人に教えていただいた。なるほど。 演劇の話、

    • あささって「グッド・モーニング」終わりました

      こんにちは。お久しぶりです。元気です。 あささって「グッド・モーニング」終演しました。 ロロの脚本を上演したいと連絡をもらったのがことしの3月で、徳山さんと会ったのが5月で、今11月。 本当に?8ヶ月しか経っていないのか?もっと長い時間を過ごしてただろう。 パン生地をこねるごとく、じっくり創作できた。ありがたいことだった。 稽古も佳境になったある日、稽古場で不意に「あ・・・自分、劇好きなんだ・・・そうだったんだ・・・!」と思ってしまい、エモーショナルでありキモーショナルな

      • ねむり

        (出囃子の三味線が鳴る。下手からゆっくり登場。高座につく。) 生きていると湯水のごとく悩みが湧き出ますね。 私なんかの場合ですと睡眠にまつわる悩みが最近のトピックでございます…(羽織りを脱ぐ) 目は覚めているが身体は動かない状態を金縛りという。 金縛りはおばけ的なものではなく、医学的には睡眠麻痺が正しいらしい。 人間の睡眠は、通常はまずノンレム睡眠という身体も脳も休んでいる状態から始まるらしいのだが、それが何らかの理由でレム睡眠から睡眠が始まると、身体は休んでいるが脳は活

        • ロウリュを受ける

          銭湯・サウナの類が好きなので、ひとりでよく行く。 札幌でサウナといえば!的な名物スパ施設があって、そこのロウリュを体験してみたいとここ一年ほど思っていた。 しかし足が伸びなかったのは、ロウリュが行われる際には熱波師に拍手をするとか、かけ声があるなどのしきたりがあると聞いていたからだ。怖い。 筋肉質の熱波師が登場するや、「ヨッ」やら「オオーッ」などの野太いかけ声が飛ぶ。熱々の石にひしゃくで水をかけ蒸気を発生させると、サウナ室の温度を少し上回る、体がぎりぎり耐えられるくらいの高

        展示を見た日

          できた

          絶え間なくロウリュしていく熱波師のドラゴンみたいな背中のうねり 頭の中で生地をこねたり伸ばしたり闇雲に踏んでいるうちに、うどん、もしくは短歌と呼べそうなものが50本書けた。 とりあえず、書けたことが素晴らしいと言い聞かせた。 やりゃできるじゃん。

          柴田聡子さんを見に行った

          4月。 柴田聡子さんのライブ。 2年前に中止になったライブのチケットはこのライブで有効になるという事で、とっといた甲斐があった。 でも受付でやっぱダメですと言われたらどうしよう。印字も薄れてきてる気がするし、自分ちの匂いつきまくってる。心配をよそに、手帳に挟んでいたチケットは僕の手から軽やかにもぎられていった。 2年前。いろいろ重なって感性がどっかいってしまい、「川がただ流れている音」の動画にも「うるさいな!」とイラついていた。川はただ流れているだけなのに。 そんな中でも

          柴田聡子さんを見に行った

          お笑いライブに出た

          5月。 生活もぼちぼち安定してきて少し創作でもやってみるかという気持ちになり、お笑いライブに出てみることにしました。60分の劇をつくるのは体力的にまだ厳しかったのですが、コントを4分の会話劇と捉えればいけるかもしれないと踏んだのです。4分の会話を書いてみよう。そう、会話を。 できたのは、僕の問いかけに相方がリコーダーを吹きつづけるという会話なしのネタでした。リコーダーと僕の会話劇です。 15年前、大学の演劇サークルに入ってはじめての舞台もコントでした。新入生歓迎公演の前

          お笑いライブに出た

          ブラーバくん事件簿

          ぼくの家にはブラーバがいる。お掃除ロボット「ルンバ」の弟みたいなやつだ。ルンバはゴミを吸引して走るが、ブラーバはクイックルワイパー的なシートを装備させて走らせる拭き掃除特化型ロボだ。 怠惰なぼくが自分でクイックル的な掃除をしようと思って濡れたシートをスティックに取り付けたままSWITCHを始めてしまいそのまま掃除のことを忘れてゲームに熱中した挙句、翌日干からびたシートを見て「うおっ」とか声を出してしまうのに対し、ブラーバはものの30分ほど走行させてシートを見るとびっしり埃を絡

          ブラーバくん事件簿

          不安に名前をつける

          電車に乗るのが好きな方で、特に旅行先の電車が好きだ。知らない電車の知らない乗客、知らない駅名のアナウンス、窓から見える知らない企業の看板に、普段の生活によってギュインギュインに研磨された自意識が先端からゆっくり溶けていく気がする。 そんな電車が、苦手になった。 乗っているとなんの前ぶれもなく、頭に震度4くらいの揺れがきて、そこにいる人や景色のすべてがつらく見えてしまうことがたまに訪れるようになったからだ。 心身が穏やかなときはそうなることは無いが、運悪くそれが来てしまったと

          不安に名前をつける

          誰かの走馬灯で流れるかもしれないことば集2

          「へえ、膝小僧っていうのね。私は肘マダム」 「違う違う、ハニワの真似じゃなくてSOSだよ!」 「お嬢さん、はいれるものならおはいんなさい」 「来賓のあいさつにしては、ネットスラングが多くないですか?」 「はい、ひょっこり犯」 「泣きたいときはサムネ映えを気にせず泣きましょう」 「みなさん、アモス君のふくらはぎが一時帰国しました」 「誰ですか?『刺青大百科』を手芸コーナーに陳列したのは」 「マッチ棒を2本だけ動かして、いい国を作りなさい」 「違います黄門様、噛

          誰かの走馬灯で流れるかもしれないことば集2

          ミルクボーイ風漫才「セイコーマート」

          A うちのおかんがな、好きなコンビニがあるらしいんやけど、その名前を忘れてしまったらしいのよ。 B コンビニの名前忘れてもうたんや。ほな俺がな、おかんの好きなコンビニ一緒に考えてあげるから。どんな特徴言うてたか教えてみてよ。 A 北海道にあって、オレンジ色の看板が目印やって言うねん。 B セイコーマートやないか。すぐわかったやんこんなん。 A それが分からへんねん。 B 何が分からへんのよ。 A 俺もセイコーマートやと思ったんやけどな。おかんが言うには、地域にぜんぜん根

          ミルクボーイ風漫才「セイコーマート」

          水色コンバース

          新しい革靴を買った。色は黒で、少しぼてっとした丸っこい形をしていてかわいい。 履き始めで足の形にまだ馴染んでいないのか履くたびに足がちょっと痛いので、今は一度履くたびに内側をクリームで磨いて革を柔らかくしようと必死だ。 靴をすこすこと磨いていて思い出すのは、15年くらい前の大学に入りたての頃だ。 大学に入る前の3年間ほど、マイルドな言い方をして「自宅の部屋が好き過ぎる期間」を過ごしていたぼくは着る服に全くといって良いほど頓着せず、靴も履ければなんでも良いと思っていた。そもそ

          水色コンバース

          ぼる塾のある風景

          眠れない時は、ぼる塾がご飯食べてしゃべっているだけの動画を見ています。ゆるゆるでいい感じです。 ぼる塾を見ていると、本当に素晴らしいバランスの4人組だなぁと思います。 田辺さんと酒寄さんのコンビ「猫塾」の漫才も独特なトーンで好きでした。 猫塾の漫才は「いい女」の田辺さんが話題を提起して進めていきます。ひととおり持論をぶちまけた後に酒寄さんがコメントをしていくスタイルでそれが面白かったのですが、一方で田辺さんが担っていた「酒寄さんにちょっと上からの態度をとる」という立ち位置

          ぼる塾のある風景

          「田園」

          A 落ち込んでいる友達に、玉置浩二の「田園」を歌って元気づけてあげたいんだ B 良いね。ちょっとやってみて A ♪からのミルクビンに タンポポさすあいつ B そこを切り取るセンスは嫌いじゃないな

          締めの台詞

          「もうええわ」の代わりに「forever」を言えば、言葉の響きはそのままに意味を逆方向へ放てておしゃれだなぁと思ったらとろサーモンがすでに完成させていました。 こんなことの繰り返しである。続行!!!!

          締めの台詞

          ミルクボーイ「最終回」

          駒場「おかんがな、全部思い出したらしいねん」 内海「それは良かったなあ」 駒場「おとんが言うにはな」 内海「おとん?」 駒場「ほんまに良かったわって」 内海「家族ってええな」

          ミルクボーイ「最終回」