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野菜に「誠意」をのせて

2020年の春がやってきました。三寒四温の中、一斉に雑草が急成長です。

世界は新〇コロナによる大混乱で、いたる所で生活に影響が出ています。
辛い話ばかりなのであまり書きたくはないですが、ドイツ在住の弟夫婦も「そろそろ外出禁止令がでるかもの噂あり」と巣ごもり準備をしているとのことでした。

私も、一斉休校中の小3の娘とずっと一緒ですが、
昨年の小2までの娘から比べると随分と「自分で考えてくれる」のでいろいろな場面で助けられています。
8歳と9歳とではこれほどまでに思考が違うのかと毎日驚かされています。

先月もついに、最初から最後まで全くの一人で、3合のコメを見事に炊き上げてくれました。
いつも私の動作を「じーっと」観察はしていたようですが、部分的に手伝いながら、ついに完遂です。
2、3歳の頃からとにかく手伝いが好きな子ではあったのですが、手伝いとは、子供にとって「楽しい遊び」であるべきなのだろうなとも気付かされました。
娘が手伝ってくれる料理はとにかく楽しく、いつも心救われてきたのです。
最近の娘のお気に入りは「孤独の〇ルメ」の映像。娘の心にはどのように映っているのか少々心配ではありますが。。。

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脱サラしてから、育児とともに一人農業をかれこれ8年(妻は農業も日に焼けることも嫌いとのことで)。一般的には大規模になっていなければならない年数なのですが、相変わらずの小規模、徒労尽くしでお恥ずかしいかぎり。適性がなかったのかもしれません。

経営的には地域貢献できていないわけですが、就農地に拠点を作り、公にできない事案(社会問題ほか)の解決では一定の地域貢献はできたのかもと考えれば、言い訳もできるのかもしれません。

労働力1人という、どう考えても非効率極まりない、理不尽にさいなまれる現実には、相当の忍耐力が必要です。
ただ、一人だからこそ、理不尽だからこそ見えるものがある、それが見えた、ことは私にとっては救いである、と確信できました。

前置きが非常に長くなりましたが、本日はその「見えた」ものについて言及したいと思います。

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世間一般から見た「農業」と「農業従事者・農業労働者」へのイメージはどのようなものでしょうか。
「農業」については、過去に様々なアンケートや集計で明らかになっていますが、キーワードとしては「牧歌的」「重労働」「儲からない」などですが、

では、「農業従事者・農業労働者」へのイメージは(農業従事者とは利益を目的として土地を耕作する人であり、農業労働者とは農場主に雇用されて働いている人)、「保守的」「寡黙」「低賃金」などが想像されます。

実際に農業従事者および労働者には、それこそ思慮深く有能な人間もいれば、自己中心的で節操のない人間もいるわけで、肌感覚で言えば、思慮深く有能な人間は比較的少ないと感じるのです。なぜそのような構成になっているのかは、社会構造の問題なのか、産業としての問題なのか、掘り下げなければ言及できませんが、全体として、蔑視の対象だと感じるのです(歴史的背景含め)。

また、価値観についても様々であり、コスト削減の上で大量生産多売による利益最重視に価値を置く人もいれば、コスト過多でも安全などの高付加価値に価値を置く人など様々ですが、比重としては、価格優先が大勢であり、高付加価値は少数派です。

いかがでしょう。上記のような現状ですが、
今後、仮に今うたわれている「スマート農業」が発達し、最終的に、当該人のみに近い状態となった場合、できた農産物にはどのような価値が置かれ、その農業従事者および労働者はどのように見られるのでしょうか。

そこを逆説的に考えて(説明は省略してしまいますが)、

今の私の「農業」は、

‐‐‐‐
「今」よりも、「今まで」に、どれだけ誠実に育ててきたか、を大切にしています。

2013年の創業以来、農薬半減、圃場内での除草剤不使用を続け、

胸を張って、娘に家族にすすめることができる、「誠意」をのせた野菜を作っています。

作り手として、その魂を誠実に保つことはとても大変ではありますが、

育児と同様に、誠意にこだわっていきたいと、

みなさまのお口に入るものとして、少しでも多くの「誠意」という気持ちをのせた食材を作っていきたいと存じます。
‐‐‐‐

という想いで、小規模ではあるけれども、「誠意」という価値に重きを置いていきたいと、納得するようになりました。


その想いの言葉をかかげて、ネットストアをリニューアルオープンしましたので、
ついでにお知らせさせて頂きます。

百果葉ネットストア: https://hyakukayo.thebase.in/

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この想いに至るには、超一流のシェフの方々に出会えたことが大きく影響しているのですが、
シェフの方々のもの凄い情熱が乗り移る食材が、お客さまが特別な思いで召し上がる食材が、そもそも誠意に欠けた食材であってはならないであろう、というものです。


徒労と苦労を重ね、その想いに至ることができた、納得することができたことは、私にとってはとてもありがたいことだと感じています。

自己満足だと笑われても構いません。代を重ね、農業に限らず次世代に胸を張れる文化を作っていきたいと存じます。

長くなってしまいました。今日はこのあたりで失礼致します。


百果葉(HYAKUKAYO)は「次世代のための農業をめざして」兵庫県で農産物を生産しています。https://hyakukayo.com/  ブログ「百果葉創業回想記録」http://blog.livedoor.jp/hyakukayo_blog/ もよろしくです!