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早期教育の是非と我が子にあった園選び


保育園や幼稚園の入園時期になりました。

わたしの周りにも、希望が叶わなかったケースを多数聞いています。

やむを得ず
この園しか空きがなかった!

という場合も、もちろんあると思います。

しかしながら幼児期は
子供の人格の基礎をつくる、最も大事な時期。
どうか大切に過ごしてほしいと思います。

もし、望んだ園に入れなくても
無理なく家庭でもできること
意外と基本的なところにあります。



私の好きな、児童精神科医・佐々木正美さんの言葉を拝借します。(要約)


人間の成長を、家や建造物に例えると

乳幼児期は、基礎工事の時期。

小・中学校期は建物の柱や床の工事。

高校は外装工事で

大学や留学なんかは、部屋のカーペットや、輸入家具みたいなものかもしれません。

カーペットや家具は、あとからいくらでも替えることができるように

高校や大学の教育などの、あとからやるものほど、やり直しがきくのです。

ところが、30歳になってから保育園や幼稚園に入ることはできません。

この時期は、人格の基礎をつくるとても大事なときなのです。

児童精神科医 佐々木正美さん




■ 基礎工事のような子育てってなんだろう?

ここからは、我が家の話。

息子が小さかった、昔
私は何も調べずに、ママ友と同じ保育園に発達障害の3歳息子を入れるつもりでいました。

ところが
当時、息子の担当をしていた保健師さんが、わたしにストップをかけたのです。


この保育園は、発達障害のお子さんは
やめておいたほうがいいです。

代わりに、YG保育園をお勧めします。

おどろくべきアドバイスでした。

なぜなら、その保育園は自分たち保健師にすら、ぞんざいな態度を見せることがある、とおっしゃるのです。



代わりに勧められたYG保育園は、遊び重視の保育園。

早期教育を好む人のなかには
遊んでばかりの野ザル保育園
と、悪口を言う人も。

しかし、実際入ってみたら、そこには全く違う世界があったのです。


先生たちがみな勉強熱心で
発達障害の正しい知識を持っている。

みんなの輪に入れなかったり、部屋を出ていく子には、ゆっくり日にちをかけて、輪の中へ入れるように促します。

発達のバラツキは
個々にゆったりと、つきあってくれる。

ルールはあっても、無理をさせない。

そして、毎日おもいっきり遊ばせてくれる。

発達に遅れのある息子にとって、最高の環境でした。

もし、お行儀よく座って字を書かせるような園だったら、息子は毎日がストレスで、やる気が失せていたに違いありません。





子どもたちの成長には、健康と体力が最も大切です。

例えば、毎月こんな行事が行われていました。

歩け歩け大会

リュックをかついで、
遠くまで歩きます



ハギレ布で三つ編みを教わり、自作のなわとびで、跳ぶ練習も。

重さがある縄なので、飛ぶのが簡単。


梅干しを漬けたり、コマ回し、登山など。

どれも適度に難しく、かつ楽しくチャレンジできることばかり

うまく出来なくても大丈夫。
子供同士が、お互い教え合い、助け合っているのです。
ついでに、友だちとの関係も学べます。

毎日が、本当に楽しそうでした。 

こうして
温かい保育士さんたちのもと

息子は、卒園するころには
学校生活に、さほど困らない子どもに成長していたのでした。


ところで
こんな保育園の遊びが、将来いったい何の役に立ったというのか。

大人になって、東京でプログラマーになった息子は、今、こんな風に語っています。


 粘土遊び、積み木、雪だるまから
 ものが倒れるバランス感覚をつかんだ


 泥んこや水遊びを通して
 砂山が崩れていく形や
 水の流れ方を知った


 できないことが、いっぱいあった。
 でも、何回もチャレンジしたら
 できたことがいっぱいあった。

勉強は、座ってやるものばかりではありません。
保育園で遊んで育った子が、大人になって野蛮だなんて話は聞いたことがありませんよね。



何歳までにこの教材始めると、頭のいい子になりますよ・・・


こんな高額教材のうたい文句が、あちこちで聞かれます。

しかし
早期教育でスタートを切り、
加速していった子が
途中で息切れし
思春期以降、こじらせてしまった様子を
今まで、何人も見てきました。

逆に、スタートが遅かったうちの息子は、保育園で底力をつけると
卒園後にどんどん伸び、小学4年生くらいで周りに追いつきました。

そのあとも、伸び続け
小学校を卒業するころには
徐々に、周りを追い越していくようになったのです。




早くスタートしたから、なんでも人より出来るわけではありません。

まだ体力のない子供どもを
ゴール不明の10キロマラソン大会に出場させるようなものです。

しっかり基礎体力をつけ
満を持したころ、子どもは自ら方向を決めて、走り出すのです。


乳幼児期に大切なのは、きっとこんなこと。


信頼できる大人に見守られて
自分の興味のあることを
あふれるほどに体験し

歩いたり、走ったり
泣いたり、笑ったり

くたくたになるまで遊んで
おなか一杯ご飯を食べて、
安心してぐっすり眠る。


家庭でもできる、こんな普通のことが
案外、置いてきぼりになっている現在。

生きるための底力をつけること。
これがきっと
人間が生きていく、みなもと。



こんな風に育った子どもたちは
将来、揺るぎない頑丈な建物を、しっかりと自分の中に築き上げことができるのだと感じています。



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