キンモクセイと朝の散歩
今朝、今年初めてのキンモクセイの香りがした。キンモクセイがどこから香ってくるのか探す瞬間が好きだ。
香水やヘアオイルにも金木犀の香りがあるが、リラックスや安眠効果があるらしい。
くんくんしながらの朝の散歩が習慣になったのはここ数年。小学生の娘を見送りながら、犬と一緒に散歩をする。2人ともニコニコだ。
2人のために始めた散歩だったはずが、今では私にとって大切な時間になっている。
山あいの田んぼ道を話しをしながら歩く。
道端に咲く草花の名前を娘に教えたくて、花の名前も沢山覚えた。
毎日違う空を見て、雲の名前も覚えた。
虫は娘の方が詳しいので教えてもらう。
車ばかりの生活では、世代が違うご近所さんとはほとんど会わなかったが、今では朝採れ新鮮野菜や庭の花を分けてもらったり、田舎ならではの温かさに触れている。
今朝は歩いていると、急に草むらからガサガサガサとキジが飛び立って行った。驚いたが、キジの方が慌てている様子だった。
そうやって季節の移ろいも、植物や生き物を見て肌や音や香りで感じる。
子供の頃の感覚が蘇ってくる時間。
結婚してこの土地に来た時、何にもないところに来てしまったと思った。
実際にお店などは簡単に歩ける距離にはないし、今は車があるから問題ないが、高齢になって免許を返納した時、どうしたらいいのか不安に思うこともある。
いつ世界も自分もどうなるか分からないけど、とりあえずは今の幸せな時間をかみしめている。
と言っても目指せ100歳なので、日々足腰を鍛え、心身ともに健康に暮らすことに力を注ぐ。
何にもないと思っていたこの土地は、季節ごとの豊かな自然やいのちで溢れている。
人よりも生き物と遭遇する確率が高いので、私達人間が一緒に住まわせて頂いている感じすらする。
車で毎日通っていた道をゆっくり歩くことが、こんなにも自分の心を動かす日課になるなんて驚いている。
海辺に住む友人に、その話をした時にすごく共感してもらえた。彼女は子供達と一緒に、砂浜に打ち上げられた海のゴミを拾って歩くのが日課だ。
その時間が彼女にとって豊かさを感じる時間でもあるという。
お互い順調に歳を重ねているようだ。
そんな気持ちを共感できる人がいる事も幸せに思う。
noteでもきっと1mmも価値観が合わない人とは、すれ違う事もないんじゃないか。
最後まで読んでくださった方が居るならば10cm位は合うんじゃないか?などと勝手なことを考えたりして。
小さな我が子と一緒に歩ける時間はもう少し。
この何気ない時間が彼女の心の片隅に、少しでも残ってくれていたらいいなと思う今日この頃。
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