ぼくがヒーローになった日
ぼくのママは病気なんだって。だから病院にねんねするときもあるし、だっこもしてくれなくなったし、ママの髪の毛もなくなっちゃった。
でもね、ぼくはうれしいんだ。
パパもママも仲良くなったし、なんだかぼくのこと…いっぱいスキみたいだから!
ママが入院しているときは、ぼくがパパのお手伝いをする。
「みー!ご飯の用意してー」
パパに言われてお箸の用意とお皿をテーブルにはこぶ。これはぼくのおしごとだからね。ママがいなくても大丈夫だよ。
「みー!洗濯物かたづけてー」
ご飯のあとはせんたくものをしまう。だってぼくのお洋服だもん。自分でかたづけなくちゃね。ほらね、ママはやることないよ。
「みー!!お風呂はいるよ」
髪の毛だって身体だってひとりで洗えるよ。ぼく、おにいさんだからね。みてみて、お着替えだってできるんだよ。
「みー、歯をみがくよ」
あー。これはちょっとむずかしいな。でも、ぼくがんばるよ。なんたって今はパパいそがしそうだもんね。
「みー…妹とか弟とかほしい?」
ほしい!だってね、ぼく保育園でお友達の妹のこと間違えて『ぼくの妹』って言っちゃったんだ。へへ。
「ごめん。ママ病気になって、妹も弟もできなくなっちゃったんだ」
んー…そうなんだ!だいじょうぶだよ!ぼく妹も弟もいらないよ!パパもママもだいすきだもん!
・・・・パパ、泣いてんじゃん😃
「ありがとう」