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俺は仕立てた燕尾服を着て雪を惚れさせる

【俺は仕立てた燕尾服を着て雪を惚れさせる】

「零は今日もまた執事ごっこですか?」

雪はやれやれと言った感じに聞いてきた。


「違うよ、これはお試しの燕尾服だ」

俺は腰に手を当てて言った。

「なぜ威張る必要があるんだ?」

雪はよくわからないと言った感じだった。

「こ、これは…なんとなくだ」

俺は恥ずかしくなった。

「今更、何恥ずかしがってんの?」

ふふふと悪そうな顔をしていた。


「今日は燕尾服を仕立ててもらっていた」

俺は燕尾服の入っていた袋と箱などをかき集めた。

「それで今日は午後から外に出ていたんだね」

なるほどと言ったように納得していた。

「どう?似合ってる?」

俺はもう一度雪に見せた。

「似合ってるよ、零。かっこいいんじゃないかな」

雪は下から上に視線を動かしていた。

「隅々まで見てくれて良いんだよ雪」

俺は機嫌良く回転していた。

「そんな、はしゃぐなよ。燕尾服に皺ができてしまうよ」

雪は注意をしてくれていた。

「それはダメだ。まだ劣化するのはダメだ」

俺は回転をやめ、雪の方へ向き直す。


「べ、別にこっちは向かなくて良いんだよ」

雪は顔を逸らした。

「大丈夫か?なぜ逸らした」

雪の顔を持って俺の方に向けた。

「そんなに見つめてきたら顔ごと逸らすだろ」

耳を赤くしながら強めに言っていた。


「雪、可愛い顔しているね」

俺は囁いた。

「急になんだ、うるさいよ」

雪は顔を赤くしていた。

「素直な反応するんだね、雪」

俺は優しく詰めていく。


「もう、零の燕尾服かっこいい。

 近くで見る零もかっこいい、逃げられないんだよ」

雪は諦めたように素直な言葉を言ってきた。

「ありがとう雪。お礼だ」

俺は雪の唇を奪って、微笑んだ。




【最後に】

『俺は仕立てた燕尾服を着て雪を惚れさせる』を読んでいただき、ありがとうございます。

・これからも500~1000文字程度のすぐ読める空想物語を書いています。

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まだあなたが読んでない空想物語がある場合お早めに読んでください。

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