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寂しくなるとついやってしまう私の癖

【寂しくなるとついやってしまう私の癖】

「ナユ様なんですか?

 可愛いことして甘やかしてほしいんですか?」

私は寂しくなると、エスニルの燕尾服の裾をつまんでいる。

「べ、別になんでも無いわ。

 たまたまつまんでしまっただけよ」

私はつまんでいた裾を離した。


「僕は今から街に出てきますね」

エスニルは私に一言言って街へ出る準備をしに部屋へ戻って行った。

「さて私も準備しましょうか」

チリンとベルを鳴らし使いを呼んだ。

私も街へ出る準備をして玄関へ向かった。


「あれ?ナユ様。どこかへお出かけですか?」

エスニルは準備を終えゆっくりと出てきた。

「私もエスニルについて行くわ。

 特に問題は無いでしょう」

私はエスニルに詰め寄った。

「ナユ様、勝手な事しないでくださいよ」

エスニルに釘を刺された。

「勝手な事なんてしないわ、大丈夫よ」

私はエスニルのの目を見て言った。

「では勝手なことはしないと、

 約束をしたことですし街に行きますか」

エスニルと私はカバンを持ち、玄関を開け街へ出る。


「今日も栄えているわね。店がたくさん開いてるわ」

街の風景に私はワクワクしていた。

「僕は待ち合わせをしている方がいるので、一旦別れましょう」

エスニルは真っ直ぐスタスタと歩き出そうとした。

「だ、ダメ。違う。一緒に行きたいわ」

私はエスニルの服の裾をつまんだ。

「すみませんナユ様、今回はダメです。

 ここで待っていて欲しいのですが」

エスニルは私の肩に手を置き言った。


「で、でも…エスニルがいないと…ダメよ…」

私は泣きそうになった。

「ナユ様⁉︎泣かないでください。

 分かりましたから、一緒に行きましょ」

エスニルは私の手を取り、待ち合わせの方へ歩き出した。

「ごめんなさいエスニル、わがまま言って」

私はエスニルに謝った。

「大丈夫ですよ、想定内ですから」

スタスタと街の中を縫うように歩く。


「エスニル今から誰に会うの?」

ふと疑問が浮かび言った。

「僕の姉ですよ。

 可愛いもの好きなのでナユ様を会わせたくなかったんです」

エスニルは恥ずかしそうにしていた。

「そ、そんな事なら早く言いなさいよね」

私も恥ずかしくなりエスニルのことを直視できなかった。




【最後に】

『寂しくなるとついやってしまう私の癖』を読んでいただき、ありがとうございます。

・これからも500~1000文字程度のすぐ読める空想物語を書いています。

『スキ・フォロー』して楽しみにしていただけたら嬉しいです。

・「楽しかった」・「つまらなかった」など、あなたの正直な感想もコメントに書いていただけたら嬉しいです。

・古い空想物語から少しずつ『有料化』していきます。
まだあなたが読んでない空想物語がある場合お早めに読んでください。

あなたの中の一冊になれるよう応援をよろしくお願いします。


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