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想う二人は旅へ向かう

【想う二人は旅へ向かう】

「エイン、私の時間は止まることを知らないのです」

リイネルは懐中時計を見て憂いていた。

「何を言っているの?」

なにをしているのだろうと聞いた。

「ただの独り言です」

リイネルは懐中時計を閉じた。


「リイネル、僕の時計はいつか止まってしまうよ?」

僕はリイネルに問いかけた。

「そうですね、私よりも短いですから」

僕のほうを見てリイネルは言った。

「そう、人間と天使の寿命は違うから。」

僕はリイネルに目を合わせた。


「エイン、悲しいことは言わないでください。

 私の手を取って」

リイネルは僕に手を差し出した。

「そうだねリイネル。

 時間の進む限り、リイネルと共に居るよ」

僕は差し出された手を握った。


「エインはこれからどうしますか?」

先の時間、何をするか聞かれた。

「どうするかは決まってない。旅でもしてみるか?」

僕は考えていなかったので勢いで答えた。

「旅、楽しそうですね。

 エインが居るならどこまでも、どこへでも行きますよ」

リイネルは頷いていた。

「リイネルが居ると安心するんだ。ありがとう」

僕は感謝の想いを言った。

「エイン、それは私の言葉です。ありがとうございます」

リイネルも優しい微笑みで、感謝の想いを言っていた。


「旅の行方は迷い人へ話を聞きに行こうか」

僕は考えて言った。

「私の天使の力で迷える方々を助けましょう」

天使として誇らしげにリイネルは言った。

「リイネルと楽しい旅が出来ることを願うよ」

旅の道中を空想しながら話した。

「エインに危ない脅威が向かないよう加護します」

リイネルは頷いて祈りのポーズをしていた。


「今はもう、休もうか。新たな旅へ向けて」

僕はベッドへ座った。

「わかりました。エインに幸多からんことを祈ります」

ベッドの横でリイネルが祈ってくれていた。

「おやすみなさい、リイネル」

僕はリイネルの薬指へ唇を当て、寝に入った。




【最後に】

『想う二人は旅へ向かう』を読んでいただき、ありがとうございます。

・これからも500~1000文字程度のすぐ読める空想物語を書いています。

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・「楽しかった」・「つまらなかった」など、あなたの正直な感想もコメントに書いていただけたら嬉しいです。

・古い空想物語から少しずつ『有料化』していきます。
まだあなたが読んでない空想物語がある場合お早めに読んでください。

あなたの中の一冊になれるよう応援をよろしくお願いします。


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