ぼろぼろな獣人を家に誘う魔女
【ぼろぼろな獣人を家に誘う魔女】
「あらやだこんなところに、ねこの獣人じゃないの」
私は森の中で獣人が寝ているのを見つけた。
「誰…?」
獣人は私に気が付いたようで声を出した。
「私は魔女よ。見てわかるでしょ」
身に着けてる帽子や杖を見せた。
「魔女?初めて…」
うーんと首を傾けていた。
「初めてなの、珍しい獣人ね」
ふふふと笑いながら私は話す。
「珍しいの?」
よく分からないと言った感じに、ぽかんとしていた。
「珍しいわ。森の中に捨てられてるのもね」
ボロボロの布を纏っただけの獣人を見て、捨てられていると分かった。
「そうなんだ…」
獣人は捨てられていることを、初めて自覚したみたいだった。
「どこにも行く当て無いと思うから、私の家に来なさい」
このまま置いていくわけにもいかない私は、家に誘った。
「ありがとう、ついていく」
獣人は素直にうなずいた。
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