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好奇心に負けた俺は愛人のユクを縛った

【好奇心に負けた俺は愛人のユクを縛った】

「ヴァントなぜ僕は柱に縛られているのかな?」

ユクは緊張して俺に話しかけた。

「安心しろ酷いことは何もしない」

俺はユクの背後に立って話す。


「そしたら後ろじゃなくて前に来て欲しいのだが」

縛られている紐が取れないか手首を捻っていた。

「良いな、ユクを後ろから見るのも。眼福だ」

背後から熱い視線を送りながら、背中にスーッと指を伝わせた。

「…っん、ダメだヴァント。やめて、くすぐったい」

ユクは抵抗する様にもじもじとしていた。

「すまない、つい本能が勝ってしまった」

俺は指をゆっくりと引いた。


「そしたら、ヴァント紐外してくれるな?」

紐外してとユクは願っていた。

「いいや、まだだ。前のガラスが曇ってきたな」

俺はガラスの様子見ていた。

「やっと曇った。恥ずかしかった」

ユクは安堵の表情をしていた。


「よし。俺の愛を伝える時が来た」

俺はユクの背後からガラスへ手を伸ばした。

「ち、近いヴァント。少し離れて」

ユクは恥ずかしそうに、俯いていた。

「ユク、ガラスを見るんだ」

俺はガラスにハートマークを書いた。


「なぜハートマークを…?」

ユクは俺の方を見ていた。

「俺の愛のハートマークだ!愛しているぞ、ユク」

自信満々に愛していることをユクへ告げた。

「紐を縛っていない状態で言えなかったの?」

少し照れを交えつつ言われた。

「そ、それはダメだ。

 美しいユクに逃げられてしまう不安があったのと、

 好奇心に抗うことができなかった」

正々堂々と縛る理由を俺は言った。

「僕が逃げたことはないよ。

 あと好奇心は…堂々と言うことではないよ…ヴァント」

んーと、何とも言えない顔をユクはしていた。


「すまなかった。今、外す。縛られていたユク美麗であったよ」

俺は紐を解いて、ユクに跡が付いていないか心配になった。

「ヴァント見過ぎだよ。僕はなんとか大丈夫」

ユクは心配に見る俺に何も無いよと手首、腕を見せてくれた。


「良かった、何もなかった。ありがとう、ユク。

 また縛るときは許可を取るようにする」

俺は紐を柱にリボン結びし、ユクの手を握り寝室へ向かった。




【最後に】

『好奇心に負けた俺は愛人のユクを縛った』を読んでいただき、ありがとうございます。

・これからも500~1000文字程度のすぐ読める空想物語を書いています。

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