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魔女のとんがり帽子

【魔女のとんがり帽子】

「ねえ、なぜ繋がれてるの?」

私が所有する大木には、よく人間がいる。

「・・・。」

繋がれた人間は言葉を発さず、じっと私を見ていた。


「なあにあなた、私の帽子見て。欲しいというの」

人間に帽子を近づけ、いたずらに言う。

「いらない…」

人間は重い口を開き、その一言だけ呟いた。

「魔法は使えるのかしら?」

使えないと分かりつつ、手元で魔法を見せながら聞いてみた。

「使えないよ、俺は」

人間は魔法なんて使える訳ないと思っていた。


「仕方がないわね。このとんがり帽子をあげるわ」

「とんがり帽子は魔女の象徴」

「魔力を含んでいるから、あなた自身で外しなさい」

私は人間にとんがり帽子を被せ、口角を少し上げながら言った。

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