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映画『あさがくる前に』
フランス映画。
冒頭の少年がガールフレンド宅から早朝出かけて行くシーンではお洒落系ストリート映画ような描写。すっかり文系的な心理描写でストーリーが展開して行くのかと思ったら、後半思いのほか医療描写が多くて良い意味で裏切られた。
勿論、心理描写はしっかりとある。フランス映画らしい個人主義な私生活を匂わせるやり取り。登場人物の人となりがそれとなく分かるような会話。
どんなにストーリー展開が面白い映画でも本来は個々の人間がいて、それぞれの気持ちや生活があって物語が進んでいる。一個人のそれぞれがドラマなのだと思う。この映画には全ての登場人物が人間のドラマがあって素晴らしい。
冒頭の少年を失うドラマ、中盤の病いを抱える女性のドラマ、後盤は医療ドラマ。この流れは勘を働かせて観ないとストーリーが読みにくいかもしれない。
映像の撮り方やカメラワークもあえてフィルム映画のような滲んだソフトな色合いがヨーロッパ的でとても好き。
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