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〜断片の連なり②〜

2回目の投稿になります。今回は、かなり厄介なジャン=リュック・ゴダールです。ゴダール監督には珍しいサイエンス・フィクション。60年代はS・Fが目白押しでした。今回紹介する「アルファヴィル」1965年公開を筆頭に、1966年はトリュフォー監督「華氏451」、アメリカでは、同年「ミクロの決死圏」、1968年はキューブリック監督「2001年宇宙の旅」が公開されました。最近のS・Fに比べるとリアル感はないですし、エッジはきいてませんが、キュートな世界観です。

「アルファヴィル」
架空の国家アルファヴィルは電子頭脳が支配している未来都市。
音と光の世界で、全ての人間がコードナンバーで管理されている。
涙を流すことも一つの罪で、意識というワードのない、誰もが意思を持たない管理社会。
詩人も芸術家も存在しない。書物も禁じられている。そうした社会に適応しようと感情が麻痺し、もはや疑問すら持たず、生きるという実感もないままに、なんの問いかけにも答えられない。ラストのアンナ・カリーナが「愛している」と言うシーンが印象的。
社会への危惧と愛のメッセージが詰まっている。

美術もファッションも見どころの一つ。
アンナ・カリーナが美しく、全く風化しないモダンな一作。

余談だが、別れたばかりのアンナ・カリーナへの愛も感じる。

#エッセイ
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