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〜断片の連なり①〜

今日初めて投稿しますが、勝手が分からないので慣れるまで時間がかかりそうです。笑

今回は、心がざわついた時にリセット出来る「木を植えた男」を紹介したい。フレデリック・バックが、5年の歳月をかけてアニメーション化した、淡々とした男の地味なストーリーで、原作はジャン・ジオノ、1953年に刊行された。寡黙な男は不毛な荒涼とした土地を、たった一人無償で木を植え続ける。何度も災害にあうが、孤独の中で培った不屈な精神で、やがてこの男の毛髪に白が混ざる頃、ようやく実を結ぶ。この土地に住む者たちの心も荒んでいたが、木々の中で自然が復活し、いつしか和んでゆく。完全なフィクションで架空の男の話ではあるが、深みのある余韻を残す。

この物語のベースは環境をテーマにしているが、木を植える解釈だけにとどまらず置き換えてみると、それぞれ好きなことを淡々と繰り返すことで、芽を出し想像の花を咲かせ、創造の木が育ち、自分の世界観が出来てゆくと考えてみることもできる。風の強い日、激しい嵐の日、恵みの雨もあれば、厳かな雪の日もあり、晴れ渡る晴天の日もある。そうした毎日を過ごしながら一歩一歩形にしてゆくと思えば、辛い日々も乗り越えていけそうだ。10分くらいで完読できるシンプルなストーリーであるが、仕事や人間関係で進退が思うように運ばないジレンマに陥る時に、気持ちを落ち着かせてくれる一冊だ。

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