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2023水族館 ベストフォト10選

はじめに


2023年は全30館を巡りました。日常が忙しくレビューが全く追いついていないのが現状ですが、ひとまずフォルダの整理がてら今年撮影した全9642枚の写真から筆者の独断と偏見で芸術的だと思った(≒上手く撮れた)10枚を厳選しました。今回はそちらの写真に説明を加えた簡素な形での投稿とさせていただきます。

注意点として、写真は全てiPhoneのカメラで撮影しておりますので、クオリティには限界がございます。しかしその中で、水族館という施設の在り方や魅力について、自分なりの視点が伝わるようなものを厳選してお送りいたします。今回も最後までお付き合い頂けると嬉しいです。

それでは、早速本編へ。

①あそびーち(大分マリーンパレス水族館うみたまご)

可愛らしくポーズを決めるミナミアメリカオットセイを、背景のオブジェクトが写り込むように撮影した1枚。その影には、餌入りのバケツを持った飼育員の姿が窺えます。これは様々な展示・生き物の裏側に飼育員たちの存在と努力があることを示唆しているかのよう。人と生き物が不可分の関係にある「水族館」という施設の在り方を象徴する写真です。

②外洋大水槽(マリンワールド海の中道)

「マリンでカメラナイト」という夜の水族館イベントで大水槽を撮影した1枚。来場者は皆カメラを構え、レンズ越しに水槽内の光景を捉えています。撮影に特化した空間作りのため照明は最小限に抑えられ、映り込みがないよう徹底的な配慮がなされていました。通常営業時よりも綺麗に見えるため、カメラを下ろして肉眼で観察している人もちらほら。この水槽を特徴付けるシロワニ・マイワシとともに、水槽本来の魅力を引き出す空間演出の素晴らしさを示してくれる写真です。

③アシカ・アザラシプール(島根県立しまね海洋館アクアス)

水面に浮かぶゴマフアザラシを低角度から撮影した1枚。水族館において、目線を下げて展示を見るというのは鉄則です。子供と同じ目線に還ることで、同じ大きさの水槽でもより迫力があるように感じられ、幼少期の感動をもう一度体験することができるかもしれません。水の中にいるかのような臨場感を味わいながら、可愛いアザラシの寝顔を存分に味わうことのできる写真です。

④クラゲワンダー(京都水族館)

ミズクラゲの360°パノラマ水槽、その入口にある短いトンネルを低角度から撮影した1枚。手前では青、奥では赤や黄色、緑といった色とりどりの照明が使用されています。こうした照明やプロジェクションマッピングなど、美術館的な要素を取り入れるのは現代の水族館のトレンド。特に都心型水族館では、臨海型に比べて延床面積で劣る分のコンテンツ力をカバーするためにこのような展示を導入しているところが多いです。そうした展示には賛否両論ありますが、水族館の在り方の1つとして受け入れられていくのでしょう。そんな水族館の来し方行く末を想像させる写真です。

⑤ マリナリュウム(太地町立くじらの博物館)

天井がなく、太陽光がダイレクトに差し込むトンネル水槽で撮影した1枚。人懐こく寄ってくるこの生き物は、カズハゴンドウという珍しいクジラの1種。パキっとした水色の壁が、その黒い体色を際立たせています。また放射状にフワッと広がる光の質感と明度は、天井に括り付けられた人工照明では到底出せない、自然光ならではのもの。鯨類たちをこよなく愛する自分にとって、最高に美しい空間で彼らと対峙するという、贅の限りを尽くした視覚体験の一瞬を切り取った写真です。

⑥アザラシ水中観覧スペース(秋田県立男鹿水族館GAO)

窓から光が差すような光景を撮影した1枚。白く煌めくアクリルガラス上部は手前側に折れ曲がっており、屋内に沢山の光を供給してくれます。水面を通過した太陽光が館内の床で揺らめく様子には、水中空間を眺めるのとまた違った趣があります。水槽の奥ではゴマフアザラシが優雅に泳いでいますが、今回の主役は空間そのもの。マクロな視点で堪能するのも、水族館の醍醐味です。

⑦ペンギンの生態(葛西臨海水族園)

ペンギンの水槽と、それを純粋な眼差しで見つめる子供達の後ろ姿を写した1枚。存分に注がれた太陽光が揺らぐ水底、美しいエメラルドグリーンの水中空間、そして目の前を駆け抜ける白黒のペンギン。彼らには今日の感動を忘れずに、いつか大きくなった時に自分の意思でこの場を訪れて欲しい。そんな思いを抱くとともに、自分も彼らのような子供の姿を通じて水槽を見るという楽しみ方を覚えていく。そうやって歳を重ねていくのだろうと感慨に浸りながら、シャッターを切った写真です。

⑧東シナ海 サンゴ礁の海(新潟市立水族館マリンピア日本海)

サンゴ礁展示の水槽を広角で撮影した1枚。青みがかった水面からは、この水槽を照らす照明が深い青であることが窺えます。そして水槽内で揺れ続けるイソギンチャクから、水流が作られていることも読み取れます。これらはベルリン方式と呼ばれる生体サンゴ展示の仕組みの一環で、ここで展示されているサンゴが本物であるとわかります。展示を眺めていると、説明などなくとも中身がわかる。知識と経験を蓄えるにつれて、そんなことも増えてきます。

⑨トドプール(新潟市立水族館マリンピア日本海)

水中に潜る瞬間のトドの口元を撮影した1枚。ザラザラした舌の質感やサラサラの毛並み、猛々しい牙の雰囲気が伝わってきます。巨体の動きに合わせて発生した空気の泡と揺らいだ水面も印象的で、この写真の芸術性を高めています。とはいえ、こんな瞬間を狙って撮影できるはずもありません。順路を3周するという自分なりの楽しみ方と、全くの偶然が生み出した奇跡の写真です。

⑩南極大陸(海遊館)

ペンギン展示における水面上と水面下の世界を同時に写した1枚。呆然と立ち尽くしているようにも見える陸上での姿と、鋭い眼光でこちらを見つめる水中の姿。そんなペンギンのギャップが窺えます。同じ1つの展示でも様々な視点の切り口が存在するという、当たり前の、されど実際に展示と向き合う時には忘れがちなことを代弁してくれる写真です。

おわりに

最後までお読み頂きありがとうございました!

今回も自分なりの水族館の見方・考え方を存分に込めさせていただきました。コメント等あれば気軽に書き込んでいただけると嬉しいです!

2024年も色々な切り口から水族館をレビューしていこうと思いますので、今後もよろしくお願いします!

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