VOL3:いざアメリカへ!その前に
ここまではフツウの家族旅行に過ぎなかったアメリカ旅は僕たち夫婦のせいで、途方もない旅に変貌を遂げ始めていた。
ようやく10年の呪縛から解かれた僕はというと、もうアメリカに行ける事自体にわくわくが抑えられるはずもなく、まるでマンガの主人公になったかのように、夢見る少年に変わってしまっていた。
そのため、旅のプランはお互いのやりたい事、会いたい人、行きたい場所で埋め尽くされて収拾がつかない状態になっていたのだ。
嫁は絶対にロサンゼルスに行きたい。サンタモニカのビーチを歩きたい、フォレストガンプの聖地「ブバガンプ」レストランに入りたい、サンタモニカの3rd ストリートでウィンドウショッピング。嫁にもLAに住む友人がおり、彼女とも会いたい。などなど話は膨らむばかり。
嫁「サンタモニカビーチに行きたいよね。あの海で解放されたい」
僕「いいねえ。俺は大学をみんなに見せたい。めちゃくちゃでかいんだから」
嫁「うん、見たいみたい!」
僕「あと、自分が短大の時に通ってたサンフランシスコにも行きたい!」
嫁「え!サンフランシスコ行けるの?!やった!」
僕「あ、あと、シアトルに友達がいるんだよ。彼にも会いに行きたいよね!」
嫁「え・・・うん!行きたい!」
というような、夢のような問答が繰り返され、ついにその全てを
遂行する事に決定した。
今思うと、もっと考えてプランニングをするべき僕らのアホさ加減が、後に悔やまれる事になるとは知る由もなく、旅のプランはロサンゼルスオンリーの家族旅行からなんでもありの夢のアメリカ西海岸横断に決定したのだった。しかも車だ。
そのアホなプランが決まった夜に僕は留学時代を断片的に思い出していた。
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