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現場の声は届いているのか。

能登半島地震は、女性の着替えるスペースや、子どもの衣類やマスクがなかったという。東日本大震災から10年以上経っているが、未だに避難所で問題が続いている。現場の声が十分に反映されていないのではないだろうか。
西日本豪雨の際、迫る泥水から逃れるために屋根の上で助けを求める人たちの動画をSNSで見て衝撃を受けた。同じ県でも少し離れた距離で、人が死ぬかもしれないという状況が信じられなかった。後日、学校に行くと、クラスメイトは被災して家に帰れないため、一時的に寄宿舎で生活すると話していた。SNSで見てた世界は、本当に身の回りで起きているのだと理解した。なにかしたいと思い、物資支援のボランティアに行くことにした。岡山で災害が起きるなんて誰もが予想しておらず、物資の備蓄をしていなかった。「なんでもいいから物資を支援してください」という広告がテレビでよく流れていた記憶がある。県民も少しでも被災者の力になりたいと、多くの人が物資を送ってくれたのだと思う。大量の物資が届いており、仕分けが追いついていなかった。タオルや衣服などの物資をダンボールへ仕分けていた。その時、おばあさんが「綺麗なタオルがなくて使えない」と、ダンボールから綺麗な物を探していた。物資をよく見ると、使い古したタオルばかりだった。その時の私は綺麗なタオルがあるか、ダンボールの中を一緒に探すことしかできず、いたたまれない気持ちになった。テレビの広告では「なんでもいいから送ってほしい」と流れていたが、現場の声は違う。現場に行かなければ分からないことがたくさんある。
最近、私の地元では、防災の備蓄庫ができたとニュースで話題になっていた。この備蓄庫には、今までの被災者の声は反映されているだろうか。災害を避けることはできないが、減災や防災はできる。避難所の生活を想定して、物資を用意することもできる。どこで誰がいつ被災してもおかしくない今だからこそ、一人ひとりが危機感を持ち、災害と向き合い、人災を減らさなければならない。一人でも多くの命を救えるように、現場の声を伝えていきたい。


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